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シーズン4-ヴァンデッタ帝国戦後
098-外交計画
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「困った」
Ve’zの領域は、逃げるための場所ではないのだが....
しかし、見捨てるわけにもいかない。
『どうされますか、エリアス様?』
「介入するべきだ」
『はっ』
Ve’zは過去に、キロマイア皇国の前身の種族に大して酷い事を行った。
その償いを今するべきだ。
「とりあえず、キロマイア皇国の艦隊には物資の補給を行わせた後に艦の修復を。その後数日間拘留したのちに、こちらのワームホールで首都に戻す」
『首都は包囲状態にあるようですが?』
「放っておいても逃げるだろう。攻撃してくれば、こちらに反撃の理由が出来る」
エリスに対しても言い訳が立つ。
『珍しいですね、エリアス様が外敵に対し、ここまで親身になるとは』
「排除する以外の使い道もあるはずだ」
下手に排除できないのであれば、そう。
味方を作るのも、悪くはないと思ったのだ。
僕がやってないから、エクスティラノスも関わってないから、国が滅んだけど関係ありませんと言い張れる。
「それから、カルメナスも味方に引き入れたい」
『おや? 確か、海賊の支配する、敵対的な国家でしたね』
「彼らは利益がなければ動かないが、同時にもっとも信用できる勢力でもある」
力を最も絶対的な正義として信仰し、それによって国家を纏め上げている。
ある意味では、Ve’zの技術を渡すのに最も適しているといえる。
『ではまず、カルメナスに所属している海賊の戸籍データと、船籍データの再調査・再統合を行います』
「任せる」
僕はケルビスに作業を任せ、今回の会談の結果知れた情報と、決まった事を確認する。
「........成程?」
キロマイア皇国は、オルダモン連邦と敵対する国家である。
オルダモン連邦との敵対の理由は、キロマイアから離反した反逆者の末裔がオルダモンの基礎であるからだろう。
今回キロマイア首都星系のアースフィルを占拠しているのは、オルダモンの高速要撃艦隊である。
「回避される可能性があるな」
攻撃を回避される可能性がある。
なので、今回はエクスティラノスの一人に出張ってもらおう。
「アドラス」
『は、はーい!』
その時。
僕の背後にアドラスが現れる。
「アドラス、近くの戦闘に備え、グラビティコントローラーを装備、メンテナンスを行え」
『わ、分かりましたぁ!』
Ve’zの技術は、少なくとも物理学などで到達できる領域の延長戦であれば世界の理にすら干渉可能なレベルに達している。
高速で動く船を捕まえる程度は大したことではない。
「ナージャがいれば.....」
ナージャ=エクスティラノスは、多機能型のエクスティラノスだ。
居ればよかったのだが、ケイトリン、シュマル、ナル、ガルジア共に行方不明である。
彼女に任せれば、ポラノルを上回る速度で敵のシステムを掌握できるだろう。
「まあ、実地でケルビスに任せてみるか」
僕はそう考えて、エリスのいるであろう彼女の家に向かって、ワープするのだった。
Ve’zの領域は、逃げるための場所ではないのだが....
しかし、見捨てるわけにもいかない。
『どうされますか、エリアス様?』
「介入するべきだ」
『はっ』
Ve’zは過去に、キロマイア皇国の前身の種族に大して酷い事を行った。
その償いを今するべきだ。
「とりあえず、キロマイア皇国の艦隊には物資の補給を行わせた後に艦の修復を。その後数日間拘留したのちに、こちらのワームホールで首都に戻す」
『首都は包囲状態にあるようですが?』
「放っておいても逃げるだろう。攻撃してくれば、こちらに反撃の理由が出来る」
エリスに対しても言い訳が立つ。
『珍しいですね、エリアス様が外敵に対し、ここまで親身になるとは』
「排除する以外の使い道もあるはずだ」
下手に排除できないのであれば、そう。
味方を作るのも、悪くはないと思ったのだ。
僕がやってないから、エクスティラノスも関わってないから、国が滅んだけど関係ありませんと言い張れる。
「それから、カルメナスも味方に引き入れたい」
『おや? 確か、海賊の支配する、敵対的な国家でしたね』
「彼らは利益がなければ動かないが、同時にもっとも信用できる勢力でもある」
力を最も絶対的な正義として信仰し、それによって国家を纏め上げている。
ある意味では、Ve’zの技術を渡すのに最も適しているといえる。
『ではまず、カルメナスに所属している海賊の戸籍データと、船籍データの再調査・再統合を行います』
「任せる」
僕はケルビスに作業を任せ、今回の会談の結果知れた情報と、決まった事を確認する。
「........成程?」
キロマイア皇国は、オルダモン連邦と敵対する国家である。
オルダモン連邦との敵対の理由は、キロマイアから離反した反逆者の末裔がオルダモンの基礎であるからだろう。
今回キロマイア首都星系のアースフィルを占拠しているのは、オルダモンの高速要撃艦隊である。
「回避される可能性があるな」
攻撃を回避される可能性がある。
なので、今回はエクスティラノスの一人に出張ってもらおう。
「アドラス」
『は、はーい!』
その時。
僕の背後にアドラスが現れる。
「アドラス、近くの戦闘に備え、グラビティコントローラーを装備、メンテナンスを行え」
『わ、分かりましたぁ!』
Ve’zの技術は、少なくとも物理学などで到達できる領域の延長戦であれば世界の理にすら干渉可能なレベルに達している。
高速で動く船を捕まえる程度は大したことではない。
「ナージャがいれば.....」
ナージャ=エクスティラノスは、多機能型のエクスティラノスだ。
居ればよかったのだが、ケイトリン、シュマル、ナル、ガルジア共に行方不明である。
彼女に任せれば、ポラノルを上回る速度で敵のシステムを掌握できるだろう。
「まあ、実地でケルビスに任せてみるか」
僕はそう考えて、エリスのいるであろう彼女の家に向かって、ワープするのだった。
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