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シーズン3-ヴァンデッタ帝国の末路
072-エヴェナス
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『惑星プレイアーゼの崩壊を確認。周辺に残存していた帝国艦隊を殲滅します』
『そうしてくれたまえ』
ケルビスは、ニコニコと笑いながら戦況を見ていた。
機嫌の良い理由は、エリアスとの会話にある。
先程エリアスに連絡をし、
『エリアス様、賊が侵入したので倒しましたがよろしかったでしょうか?』
『ああ、構わない。出来れば根元を断ってくれないか?』
『喜んで』
という会話を交わしたからだ。
偉大なるVe’zの始祖たちの領土を穢した賊を、根元から始末せよとのお達しである。
従わない理由がない。
『アドラス、基地の殲滅は完了したかい?』
『もっちろん! 全然問題ないよ、ただ――――何匹か鼠が逃げ出したから、始末しておいたね』
『そうか、そうか.....』
今回の帝国への反撃は、まずメッティーラとカサンドラが先遣隊を送り首都惑星を破壊、その後にアドラスとグレゴルが艦隊を率いて惑星と基地を破壊し、ポラノルがゲートを封鎖する。
基地宇宙に存在するジャンプゲートは全て、Ve’zの文明のものであるため、ポラノルであれば停止することができるのだ。
ジェネラスは事前にゲートの向こうへ移動し、遮蔽装置を活用しながら星系の向こうの監視を行う予定であった。
その指揮は、ケルビスとシーシャが行っている。
『目的の終了時刻より、大幅に下回ってしまいました。』
『ならばそのまま帰還したまえ。一度休憩を挟んでデータの共有を行う。その後、再出撃し今度は四方面から攻撃を開始する』
『はい、分かりました』
今回の戦いで、エクスティラノスが出張る必要はないと判断されたため、タッティラが新たな個体を生み出すことにしたのだ。
その名は、エヴェナス=オルティラノス。
主人の許可無しにエクスティラノスに昇格することができないために、空席を埋めるには至らないが...しかし、その実態はまさしくエクスティラノスの座を奪うノクティラノスである。
エクスティラノスの権限を持ちながら、ノクティラノスと同じ集合意識を持つ存在。
だが、各個体の自我は全て同一にも関わらず、その記憶は全て共有されている。
『エヴェナスの調整は無事に終わりそうかい?』
『ええ。全く問題ありません、エリス様の思考パターンを模倣したため、少しばかり人格的にエリス様に類似していますが、作戦の遂行に支障があるほどでは無いでしょう』
ケルビスは同時に、エヴェナスに危機感も抱いていた。
だが、シーシャが調整するということは、危機管理もしっかりと張り巡らされているという事である。
AIが起こした多くの事例を、知っている彼女であれば。
「ふぁーあ...」
『おや、お目覚めでしたか』
ケルビスは急いで、彼女を玉座の間から隔離する。
この状況を知られると、主人に詳細を話されるかもしれないからだ。
『朝食をお作りしましょう、優秀なコックを生み出しました、エヴェナスと言うのですが...』
ケルビスは、全てを既成事実として仕舞えば、バレても問題はないだろうと思いながら、エリスを食堂へと案内するのであった。
帝国の崩壊まで、残り一週間。
『そうしてくれたまえ』
ケルビスは、ニコニコと笑いながら戦況を見ていた。
機嫌の良い理由は、エリアスとの会話にある。
先程エリアスに連絡をし、
『エリアス様、賊が侵入したので倒しましたがよろしかったでしょうか?』
『ああ、構わない。出来れば根元を断ってくれないか?』
『喜んで』
という会話を交わしたからだ。
偉大なるVe’zの始祖たちの領土を穢した賊を、根元から始末せよとのお達しである。
従わない理由がない。
『アドラス、基地の殲滅は完了したかい?』
『もっちろん! 全然問題ないよ、ただ――――何匹か鼠が逃げ出したから、始末しておいたね』
『そうか、そうか.....』
今回の帝国への反撃は、まずメッティーラとカサンドラが先遣隊を送り首都惑星を破壊、その後にアドラスとグレゴルが艦隊を率いて惑星と基地を破壊し、ポラノルがゲートを封鎖する。
基地宇宙に存在するジャンプゲートは全て、Ve’zの文明のものであるため、ポラノルであれば停止することができるのだ。
ジェネラスは事前にゲートの向こうへ移動し、遮蔽装置を活用しながら星系の向こうの監視を行う予定であった。
その指揮は、ケルビスとシーシャが行っている。
『目的の終了時刻より、大幅に下回ってしまいました。』
『ならばそのまま帰還したまえ。一度休憩を挟んでデータの共有を行う。その後、再出撃し今度は四方面から攻撃を開始する』
『はい、分かりました』
今回の戦いで、エクスティラノスが出張る必要はないと判断されたため、タッティラが新たな個体を生み出すことにしたのだ。
その名は、エヴェナス=オルティラノス。
主人の許可無しにエクスティラノスに昇格することができないために、空席を埋めるには至らないが...しかし、その実態はまさしくエクスティラノスの座を奪うノクティラノスである。
エクスティラノスの権限を持ちながら、ノクティラノスと同じ集合意識を持つ存在。
だが、各個体の自我は全て同一にも関わらず、その記憶は全て共有されている。
『エヴェナスの調整は無事に終わりそうかい?』
『ええ。全く問題ありません、エリス様の思考パターンを模倣したため、少しばかり人格的にエリス様に類似していますが、作戦の遂行に支障があるほどでは無いでしょう』
ケルビスは同時に、エヴェナスに危機感も抱いていた。
だが、シーシャが調整するということは、危機管理もしっかりと張り巡らされているという事である。
AIが起こした多くの事例を、知っている彼女であれば。
「ふぁーあ...」
『おや、お目覚めでしたか』
ケルビスは急いで、彼女を玉座の間から隔離する。
この状況を知られると、主人に詳細を話されるかもしれないからだ。
『朝食をお作りしましょう、優秀なコックを生み出しました、エヴェナスと言うのですが...』
ケルビスは、全てを既成事実として仕舞えば、バレても問題はないだろうと思いながら、エリスを食堂へと案内するのであった。
帝国の崩壊まで、残り一週間。
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