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シーズン3-ヴァンデッタ帝国の末路
068-一致団結
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侵入して来た帝国艦隊に対して、ケルビスは明確な不快感を露わにした。
だが、果物の収穫を行う手は止めない。
エクスティラノス達と、通信で会話を行う。
『我々の領域に侵入者が現れました』
『どうするのですか? エリアス様が不在な以上、我々に指揮権があります』
カサンドラが早速応答してくる。
ケルビスは熟考する。
あまり下手なことは出来ないが、エリアスへの言い訳プレゼンが完全に成功すれば何をしてもいいということになる。
『ジェネラス、暇かい?』
『偵察に出ろという頼みであれば、お断りする。拙者はエリアス様の名でしか動かぬ故』
『そうか...では、ポラノル。君に頼もう』
『ボクかい? まあ、隠れ身も嫌いじゃないけどね、ハデに行きたいのが内心さぁ』
ポラノルが渋々偵察に出る。
一応、ポラノルも遮蔽装置をうまく使うことのできるエクスティラノスの一人だ。
ポラノルは宙域中をワープして回り、帝国軍が何をしているかを知る。
『へえ、ボクらの残骸を回収しているのか』
『おっと...人間が私たちの技術を回収するのは、少しまずいような気がするね、どう思う、タッティラ?』
『技術の流出は避けたいですね。シーシャ、規則ではどうなっていますか?』
『明確にVe‘zのルールにはありませんが、1万2451年前2時間14分59秒前に生成されたドキュメントでは「技術流出は猿どもに余計な知恵を与える故に阻止せよ」とあります』
エクスティラノス達は、互いに与えられた権限の範囲内で得られる情報を交換し合う。
目的を遂行すれば必ずそれに関する記憶を消去する彼らの間で、機密といった概念はないのだ。
『では、排除するということで宜しいですか?』
『規則ならば、仕方がないね』
『ワープ妨害装置を起動します』
帝国軍の駐留する星系に、超広範囲のワープ妨害装置が張られる。
通常のワープ航法ではないエミドやVe‘zのワープは妨害できないが、通常艦であればワープすることは出来ない。
『では、私が艦隊を率います』
『ああ、頼むよ』
メッティーラが、ライアット=ノクティラノスの群れを率いて出撃する。
以前にVe’zの管理するワームホールに、哀れにも侵入したものと同じ末路を、帝国の艦隊は辿ろうとしていた。
だが、果物の収穫を行う手は止めない。
エクスティラノス達と、通信で会話を行う。
『我々の領域に侵入者が現れました』
『どうするのですか? エリアス様が不在な以上、我々に指揮権があります』
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ケルビスは熟考する。
あまり下手なことは出来ないが、エリアスへの言い訳プレゼンが完全に成功すれば何をしてもいいということになる。
『ジェネラス、暇かい?』
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『そうか...では、ポラノル。君に頼もう』
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一応、ポラノルも遮蔽装置をうまく使うことのできるエクスティラノスの一人だ。
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『へえ、ボクらの残骸を回収しているのか』
『おっと...人間が私たちの技術を回収するのは、少しまずいような気がするね、どう思う、タッティラ?』
『技術の流出は避けたいですね。シーシャ、規則ではどうなっていますか?』
『明確にVe‘zのルールにはありませんが、1万2451年前2時間14分59秒前に生成されたドキュメントでは「技術流出は猿どもに余計な知恵を与える故に阻止せよ」とあります』
エクスティラノス達は、互いに与えられた権限の範囲内で得られる情報を交換し合う。
目的を遂行すれば必ずそれに関する記憶を消去する彼らの間で、機密といった概念はないのだ。
『では、排除するということで宜しいですか?』
『規則ならば、仕方がないね』
『ワープ妨害装置を起動します』
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通常のワープ航法ではないエミドやVe‘zのワープは妨害できないが、通常艦であればワープすることは出来ない。
『では、私が艦隊を率います』
『ああ、頼むよ』
メッティーラが、ライアット=ノクティラノスの群れを率いて出撃する。
以前にVe’zの管理するワームホールに、哀れにも侵入したものと同じ末路を、帝国の艦隊は辿ろうとしていた。
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