SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~

黴男

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シーズン3-ヴァンデッタ帝国の末路

066-惑星巡り(前編)

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というわけで、僕は人間に似せたクローンと、鹵獲した小型艦でベクト星系に向かった。
ベクト星系は、オルトス王国内に存在する星系で、そこまで旅をするのはワームホールで一瞬である。

「随分寂しい場所だな」

ケルビスが指定したカトーラナは、この星系の素材のみを利用した煮込み料理らしく、僕は宇宙船を降りてそれを探す。
一番栄えている惑星を指定したのだが、どうもこの宇宙の平均から見て前時代的な建造物が目立つ。

「すまない」
「あら、お嬢さん。なんの用事かね」

適当に入った店は、本屋らしい場所だった。
データで取引する時代に、紙の本を取り扱っている。

「カトーラナを売っている店、もしくは屋台を探しているのだが...」
「ああ、それだったら...待ってなさい」

店主は手元の紙に、店への行き方を書く。
僕はふと気になった一冊を手に取り、店主がメモを書き終わるのを待つ。

「はいよ」
「すまない、これも買いたいのだが」
「はいよ」

店主は支払端末を起動させ、僕からMSCを受け取る。
何故か、こういう所のテクノロジーだけはしっかりと銀河基準だった。

「いらっしゃい」
「カトーラナの持ち帰りはできるか?」
「ええ」

行き方を教えてもらった僕は、屋台でカトーラナを購入した。
何故かその屋台は、先ほどの本屋と比べて遜色のない古いものだった。

「何故この惑星は...」
「古いものを大事にするのよ」
「!」

僕は質問をしようとしたが、店主が先を越して来た。

「建物だって、モノだって同じよ。あなたの星ではどうだか知らないけれど、この星では古いものに力が宿るのよ...はい、一杯で良かったかしら?」
「成程、支払いを頼む」
「ええ」

僕は金を支払い、それを急いで持ち帰る。
古いものを大切に...ならば、恐らくVe‘zが一番古いものだろうな。
僕は宇宙船の内部へと戻り、状態保存コンテナにカトーラナを入れた。

「面倒だが、ポーズは必要だからな」

僕は宇宙船でしっかりと宇宙に出て、それからワームホールへと入った。
次に目指すのは、ノースアルダ星系。
海洋惑星のようで、直接テレポートをしようと思ったが、

「やはり、こうなったか...」

座標が定まらないせいで、海に落ちる羽目になった。
呼吸は不要だが、服が濡れてしまった。
この身体は特殊な力はないので、服を乾かしながら待っていると、地元民と遭遇した。

「あ、あんたはっ!?」
「ああ、済まない。少し...」
「裸じゃないか、服は...成程、俺の家に来い」
「?」

とりあえず、ついて行く事にした。
面白い展開になればいいが。
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