SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~

黴男

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シーズン3-ヴァンデッタ帝国の末路

065-アンケート結果(後編)

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次に僕は、タッティラの下を訪れた。
工業区域にはおらず、ラエリスの調整ラインに立っていた。

「エリアス様、何のご用事ですか?」
「告知は来ていないか?」
「ああ....食物ですね。私はどうすればいいのか...分からないんです」

タッティラは困ったように天井を見つめた。

「嫌であれば、参加しなくてもいいが」
「しかし、お嫌では?」
「勿論、寂しいが....」
「...では、こういうのはどうだ?」

僕はタッティラにリストを見せる。
エリスの食卓に普段から並ぶものだ。

「”味”に触れてみるのも経験としてはいいかもしれません」
「そうか」

タッティラは長考の末、「ラキート」を選んだ。
エリスのリストから除外しようと考えているもので、黒い団子のようなものだ。
エリスは一度僕にその正体を尋ねてきたのだが、原材料を聞いた途端に食べたくないと言い出したので、大抵は僕が食べている。

「では、これでいいか?」
「はい、楽しみです」

タッティラは去る僕に、嬉しそうに手を振るのだった。
そして僕は、農業惑星の方へテレポートした。
アドラスは普段、この農業惑星でケルビス農園の警備についている。
グレゴルが果物をつまみ食いしに来るからだという。

「あ....エリアス様....」
「決まったか?」

ケルビス農園はいつの間にか竹組みの柵で囲われていて、土台の石にアドラスが腰掛けていた。
僕が来ると、すぐに反応した。

「はい! ケルビス様がいつも育てている果物で、何かお菓子が食べたいです」
「そうか、ケルビスが許せば許可しよう」

アドラスはどうやら、グレゴルとの攻防戦で果物に興味を持ったようだ。
なので、適当な惑星でスポンジと各種材料だけを購入することにした。
ケルビスがここの果物を渡さないのは、ひとえにエリスのためだ。僕が掛け合えば少しくらいは譲ってもらえるだろう。

「あ、グレゴル....」
「どうした?」

その時、僕は背後に気配を感じた。
振り向くと、なにかが消える直前だった。
ただ、誰だったかは分かる、グレゴルだ。

「....後で聞いておこう」

僕はそう決めたのだった。
....ちなみに、ポラノルは既に提出されており、「ノーグ」という海賊国家カルメナスで広く流通しているファストフードだった。






結果として、全員のメニューが確定した。
エリアス「Ct-021焼肉」(農業惑星産)
エリス 「〃」
ケルビス「カトーラナ」(ベクト星系産)
カサンドラ「岩塩ソテー」
メッティーラ「シティロス」(ノースアルダ星系産)
タッティラ「ラキート」
シーシャ 「ピロエットル」(ジスト星系産)
ジェネラス「ジェリン」(キスカ星系)
アドラス 「ケルビスお手製ケーキ」
ポラノル 「ノーグ」
グレゴル 「ケルビスお手製ケーキ」
.....アディナ「ラキート」
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