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シーズン2-エミド再侵攻
050-逆侵攻
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「そろそろ反撃を仕掛けるべきだ」
僕はそう提案する。
その場にいた、ケルビス、アドラス、メッティーラがそれに反応する。
『いよいよ、ですね』
『あの.....どういう事ですか?』
『おお....』
僕は、一方的に侵攻されている今の現状に異を唱える。
こちらもあちら側に侵入し、星系を奪ってそこから手足を伸ばすのはどうかと。
『我々はエミドを圧倒していますからね、エリアス様は防戦一方よりも、乾坤一擲――――奇襲によってエミド領土に踏み込み、そのまま支配権を奪ってしまうおつもりでしょう。噛みつくはずが噛みつかれれば、エミドもまた戦力を収束させなければならなくなるでしょう』
考えてみれば単純な話だ。
目には目を、歯には歯を。
侵略されたならし返せばいい。
弱者を蹂躙するつもりもないが、エミドの星系を幾つか支配下に置けば、それを人質にエミド側と一時休戦することも不可能ではないだろう。
『しかし、何故エミドを滅ぼさないのでしょうか?』
メッティーラが質問してくる。
その質問は分からなくもない。
「.....まあ、甘さというものだろう」
エリスの手前、もう惑星を滅ぼしたりはできない。
うまく隠せても、あとで知られたら失望されてしまう。
『それで、どうなさるおつもりですか、エリアス様?』
「僕たちの技術であれば、ワームホールに存在するエミドの領土に侵入するのはそこまで困難な事ではないだろう」
『簡単な事ですね』
ワームホールの接続先すら自由自在なVe’zの技術であれば、侵攻先は自由に選べる。
「エミドの星系図は......成程」
大書庫からエミドの星系図を入手する。
空間の距離的にはバラバラだが、一応ワームホールの接続先でリアルタイムに変化するようだ。
「....ワームホールを破壊すれば侵入を阻害できるか?」
『一時的な策としては有効ですね。ただ、エミドはワームホールの制御技術を持っていますから、即時...もしくは三週間程度でしょう、時間を稼げるのは』
ケルビスはそう判断したようだ。
だが、継続的に破壊し続けられれば拠点の構築に役に立つ。
「....よし、この”クライアレン”を侵略の一手とする」
適当に決めたわけではない。
資源が広く分布した惑星が多く、エミドの資源的需要を満たす領域である可能性が高い。
『戦力はどうされるのですか?』
「ジェネラスとアドラス、後は.....メッティーラに任せよう」
『はっ!!』
メッティーラは首都防衛の任務があるものの、ラエリスが戦線を維持している現状、エクスティラノスが主都に集中している為、はっきり言って出番があるとは思えない。
「ただ、まずは調べる必要がある。ジェネラス、聞いているな?」
『はっ、直ちに出発いたします』
遮蔽して姿を消せるジェネラスならば、クライアレンの内部を観測する事が出来る。
僕はジェネラスにその役目を任せ、クライアレンの資源分布について再度確認するのであった。
僕はそう提案する。
その場にいた、ケルビス、アドラス、メッティーラがそれに反応する。
『いよいよ、ですね』
『あの.....どういう事ですか?』
『おお....』
僕は、一方的に侵攻されている今の現状に異を唱える。
こちらもあちら側に侵入し、星系を奪ってそこから手足を伸ばすのはどうかと。
『我々はエミドを圧倒していますからね、エリアス様は防戦一方よりも、乾坤一擲――――奇襲によってエミド領土に踏み込み、そのまま支配権を奪ってしまうおつもりでしょう。噛みつくはずが噛みつかれれば、エミドもまた戦力を収束させなければならなくなるでしょう』
考えてみれば単純な話だ。
目には目を、歯には歯を。
侵略されたならし返せばいい。
弱者を蹂躙するつもりもないが、エミドの星系を幾つか支配下に置けば、それを人質にエミド側と一時休戦することも不可能ではないだろう。
『しかし、何故エミドを滅ぼさないのでしょうか?』
メッティーラが質問してくる。
その質問は分からなくもない。
「.....まあ、甘さというものだろう」
エリスの手前、もう惑星を滅ぼしたりはできない。
うまく隠せても、あとで知られたら失望されてしまう。
『それで、どうなさるおつもりですか、エリアス様?』
「僕たちの技術であれば、ワームホールに存在するエミドの領土に侵入するのはそこまで困難な事ではないだろう」
『簡単な事ですね』
ワームホールの接続先すら自由自在なVe’zの技術であれば、侵攻先は自由に選べる。
「エミドの星系図は......成程」
大書庫からエミドの星系図を入手する。
空間の距離的にはバラバラだが、一応ワームホールの接続先でリアルタイムに変化するようだ。
「....ワームホールを破壊すれば侵入を阻害できるか?」
『一時的な策としては有効ですね。ただ、エミドはワームホールの制御技術を持っていますから、即時...もしくは三週間程度でしょう、時間を稼げるのは』
ケルビスはそう判断したようだ。
だが、継続的に破壊し続けられれば拠点の構築に役に立つ。
「....よし、この”クライアレン”を侵略の一手とする」
適当に決めたわけではない。
資源が広く分布した惑星が多く、エミドの資源的需要を満たす領域である可能性が高い。
『戦力はどうされるのですか?』
「ジェネラスとアドラス、後は.....メッティーラに任せよう」
『はっ!!』
メッティーラは首都防衛の任務があるものの、ラエリスが戦線を維持している現状、エクスティラノスが主都に集中している為、はっきり言って出番があるとは思えない。
「ただ、まずは調べる必要がある。ジェネラス、聞いているな?」
『はっ、直ちに出発いたします』
遮蔽して姿を消せるジェネラスならば、クライアレンの内部を観測する事が出来る。
僕はジェネラスにその役目を任せ、クライアレンの資源分布について再度確認するのであった。
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