47 / 200
シーズン2-エミド再侵攻
047-包囲侵攻
しおりを挟む
二日後。
Ve’zの主張する領土の、全ての辺境の領域で活動が確認された。
自然発生するワームホールを利用して、エミドの艦隊が拠点を構築し始めたのだ。
『恐らく、こちらの戦力を見て、旗艦級のみで通常艦船はほぼいないと判断したのでしょう』
「そうだな」
それに、今回の戦いからは僕の考案した船も参戦する。
手すきのカサンドラや、指揮能力を持て余しているケルビスのために用意した。
「ねぇ、私思うんだけど......ちょっと気持ち悪くないかしら?」
「そうだろうか....」
戦闘機をイメージしてデザインしたが、過去の例とケルビスのダメ出しの末に今のデザインとなった。
流線型だが、継ぎ目が一切なく、採掘した希少金属で固めている為素の防御力も測り知れない。
その名は、エリスから名を取って「ラエリス=クイスティラス」となった。
普段は同時に新造した「アータス=ノクティラノス」に収納されている。
「さあ、防衛の時間だ――――それから、カサンドラ」
『如何いたしましたか?』
「主都はまだ復興の途中だが、集中した戦力を首都周辺の復興に回せ。徐々に復興を拡大させて、防衛体制を構築する」
『分かりました、直ちに開始いたします』
このままだとイタチごっこになる。
向こうは永遠に攻めてくるわけであるから、領有地帯の復興を少しずつ進めて、内部に入り込めないようにする必要がある。
僕は出撃していくノクティラノス艦隊を横目で見つつ、今後について考えるのであった。
ジェキドは、ヴェリアノス包囲陣が完成しつつあるのをその目で見守っていた。
今回はエミドの再編された主力艦隊を複数に分割したうえでの行軍であり、戦力を複数に分けることでVe’zの反撃戦力を低下させる目論見であった。
「キシナよ、もう10時間経つが、まだ見ているのか?」
「はい、戦況の把握は重要ですから」
「....そうか。少しはましな答えが出来るようになったではないか」
「精進いたします」
キシナは深々とお辞儀すると、再び画面に視線を戻す。
それと同時に、画面上での全ての点が赤色に染まった。
「....これは!?」
「防衛艦隊の御出座しという訳だ。だが、雑兵ごときで我がエミドの主力艦隊に勝てるかな?」
ジェキドはそう言うと、自分もまた画面を注視するのであった。
Ve’zの主張する領土の、全ての辺境の領域で活動が確認された。
自然発生するワームホールを利用して、エミドの艦隊が拠点を構築し始めたのだ。
『恐らく、こちらの戦力を見て、旗艦級のみで通常艦船はほぼいないと判断したのでしょう』
「そうだな」
それに、今回の戦いからは僕の考案した船も参戦する。
手すきのカサンドラや、指揮能力を持て余しているケルビスのために用意した。
「ねぇ、私思うんだけど......ちょっと気持ち悪くないかしら?」
「そうだろうか....」
戦闘機をイメージしてデザインしたが、過去の例とケルビスのダメ出しの末に今のデザインとなった。
流線型だが、継ぎ目が一切なく、採掘した希少金属で固めている為素の防御力も測り知れない。
その名は、エリスから名を取って「ラエリス=クイスティラス」となった。
普段は同時に新造した「アータス=ノクティラノス」に収納されている。
「さあ、防衛の時間だ――――それから、カサンドラ」
『如何いたしましたか?』
「主都はまだ復興の途中だが、集中した戦力を首都周辺の復興に回せ。徐々に復興を拡大させて、防衛体制を構築する」
『分かりました、直ちに開始いたします』
このままだとイタチごっこになる。
向こうは永遠に攻めてくるわけであるから、領有地帯の復興を少しずつ進めて、内部に入り込めないようにする必要がある。
僕は出撃していくノクティラノス艦隊を横目で見つつ、今後について考えるのであった。
ジェキドは、ヴェリアノス包囲陣が完成しつつあるのをその目で見守っていた。
今回はエミドの再編された主力艦隊を複数に分割したうえでの行軍であり、戦力を複数に分けることでVe’zの反撃戦力を低下させる目論見であった。
「キシナよ、もう10時間経つが、まだ見ているのか?」
「はい、戦況の把握は重要ですから」
「....そうか。少しはましな答えが出来るようになったではないか」
「精進いたします」
キシナは深々とお辞儀すると、再び画面に視線を戻す。
それと同時に、画面上での全ての点が赤色に染まった。
「....これは!?」
「防衛艦隊の御出座しという訳だ。だが、雑兵ごときで我がエミドの主力艦隊に勝てるかな?」
ジェキドはそう言うと、自分もまた画面を注視するのであった。
22
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
【SF短編】エリオの方舟
ミカ塚原
SF
地球全土を襲った二一世紀の「大破局」から、約二〇〇年後の世界。少年エリオ・マーキュリーは世界で施行された「異常才覚者矯正法」に基づいて、大洋に浮かぶ孤島の矯正施設に収容された。無為な労働と意識の矯正を強いられる日々の中で、女性教官リネットとの出会いが、エリオを自らの選択へ導いてゆく。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
Reboot ~AIに管理を任せたVRMMOが反旗を翻したので運営と力を合わせて攻略します~
霧氷こあ
SF
フルダイブMMORPGのクローズドβテストに参加した三人が、システム統括のAI『アイリス』によって閉じ込められた。
それを助けるためログインしたクロノスだったが、アイリスの妨害によりレベル1に……!?
見兼ねたシステム設計者で運営である『イヴ』がハイエルフの姿を借りて仮想空間に入り込む。だがそこはすでに、AIが統治する恐ろしくも残酷な世界だった。
「ここは現実であって、現実ではないの」
自我を持ち始めた混沌とした世界、乖離していく紅の世界。相反する二つを結ぶ少年と少女を描いたSFファンタジー。
【なろう430万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ
海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。
衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。
絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。
ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。
大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。
はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?
小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。
カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる