37 / 200
シーズン1-悪夢の始まり
037-王国軍の接近
しおりを挟む
その頃。
Ve’zのオルトス王国領外縁部、ザーガイナムに、王国軍の艦隊が集結していた。
「そうか....カル殿は来られなかったか」
「ええ、Ve’zの調査に忙しいとのことで」
「.....まあ良い」
その旗艦にて指揮を執るのは、クリストフ・アーリバル。
前回の戦いにおいて、生き残った数人の一人である。
「.....勝敗など関係ない、これは個人的な復讐でもある」
「...そういえば、あなたは....」
副官は、クリストフの当時の状況を思い出す。
ガゼラークⅣの消滅に巻き込まれ、ほぼ壊滅した艦隊だったが、そこに後続のクリストフ艦隊が到着。
そして、不明な敵艦に襲われ、交戦するも全く歯が立たずに壊滅し、艦内の生命反応をわざわざ探ったうえで一人ずつ潰されたのだ。
クリストフを含む数人は、艦内にあったシャトルで何とか離脱したものの、後続の脱出ポッドはワープ阻害なる未知の技術に襲われ、生還できなかった。
「散っていった仲間たち....それに、仕方がなかったとはいえ死んでしまったエリスの為にも! この戦いに負けるわけにはいかんのだ!」
「.....クリストフ殿、しかし...このような何も無い星系で、本当に接敵できるのでしょうか?」
副官が不安そうに問う。
ザーガイナムはもともとVe’zの主張する領土であり、幾度か艦隊が全滅している。
しかし、今では残骸と遺跡だけが残り、それらの遺構の生存しているデータバンクには何も残されていなかった。
ここは放棄された場所なのだ。
「奴らは来る、そのための準備は怠っていない」
クリストフは自信ありげに宣言した。
そしてそれは、確かな真実として彼らの前に君臨するのであった。
『私はエリスを殺した貴様らを許しはしない! もし我々を放置すれば、王国軍は集結し、そちらの首都星系に突撃を仕掛けるぞ!』
「これで脅しのつもりか.....?」
だとすれば、かなり幼稚に見えるが.....
まあ、いいだろう。
「メッティーラ、ケルビス、アドラス、聞こえているな? シュヴァリエ=ノクティラノスをそれぞれ二十騎連れて、周辺宙域に布陣せよ」
まあ、王国程度の技術力であれば、ニューエンドとアルカンシエルの斉射で終わりだろう。
アドラスの隠し機能も使えば、何か仕掛けていたとしても退くのは簡単だ。
今までアドラスがいなかったのは、相当痛かったんだと痛感させられる。
『『分かりました、エリアス様』』
『分かり...ました...』
アロウトは少しだけ騒がしくなる。
キジラ=ノルティノスたちがその機体をシュヴァリエ=ノクティラノスに移し替え、三人の指揮下へと配属される。
ケルビスは義体を農園惑星に置いていたため、急いで戻って来て艦に乗り込む。
「では、頼んだ」
『お任せください』
ケルビスを実質的なウィングリーダーとして、防衛艦隊は出撃していった。
さて、どう転ぶか......
Ve’zのオルトス王国領外縁部、ザーガイナムに、王国軍の艦隊が集結していた。
「そうか....カル殿は来られなかったか」
「ええ、Ve’zの調査に忙しいとのことで」
「.....まあ良い」
その旗艦にて指揮を執るのは、クリストフ・アーリバル。
前回の戦いにおいて、生き残った数人の一人である。
「.....勝敗など関係ない、これは個人的な復讐でもある」
「...そういえば、あなたは....」
副官は、クリストフの当時の状況を思い出す。
ガゼラークⅣの消滅に巻き込まれ、ほぼ壊滅した艦隊だったが、そこに後続のクリストフ艦隊が到着。
そして、不明な敵艦に襲われ、交戦するも全く歯が立たずに壊滅し、艦内の生命反応をわざわざ探ったうえで一人ずつ潰されたのだ。
クリストフを含む数人は、艦内にあったシャトルで何とか離脱したものの、後続の脱出ポッドはワープ阻害なる未知の技術に襲われ、生還できなかった。
「散っていった仲間たち....それに、仕方がなかったとはいえ死んでしまったエリスの為にも! この戦いに負けるわけにはいかんのだ!」
「.....クリストフ殿、しかし...このような何も無い星系で、本当に接敵できるのでしょうか?」
副官が不安そうに問う。
ザーガイナムはもともとVe’zの主張する領土であり、幾度か艦隊が全滅している。
しかし、今では残骸と遺跡だけが残り、それらの遺構の生存しているデータバンクには何も残されていなかった。
ここは放棄された場所なのだ。
「奴らは来る、そのための準備は怠っていない」
クリストフは自信ありげに宣言した。
そしてそれは、確かな真実として彼らの前に君臨するのであった。
『私はエリスを殺した貴様らを許しはしない! もし我々を放置すれば、王国軍は集結し、そちらの首都星系に突撃を仕掛けるぞ!』
「これで脅しのつもりか.....?」
だとすれば、かなり幼稚に見えるが.....
まあ、いいだろう。
「メッティーラ、ケルビス、アドラス、聞こえているな? シュヴァリエ=ノクティラノスをそれぞれ二十騎連れて、周辺宙域に布陣せよ」
まあ、王国程度の技術力であれば、ニューエンドとアルカンシエルの斉射で終わりだろう。
アドラスの隠し機能も使えば、何か仕掛けていたとしても退くのは簡単だ。
今までアドラスがいなかったのは、相当痛かったんだと痛感させられる。
『『分かりました、エリアス様』』
『分かり...ました...』
アロウトは少しだけ騒がしくなる。
キジラ=ノルティノスたちがその機体をシュヴァリエ=ノクティラノスに移し替え、三人の指揮下へと配属される。
ケルビスは義体を農園惑星に置いていたため、急いで戻って来て艦に乗り込む。
「では、頼んだ」
『お任せください』
ケルビスを実質的なウィングリーダーとして、防衛艦隊は出撃していった。
さて、どう転ぶか......
12
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる