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序章
018-悪夢の出現
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その日、オルトス王国首都に、悪夢の権化が出現した。
オルトス最大の旗艦級戦艦を上回る巨大さを誇る船が、首都上空に出現したのだ。
「超旗艦級戦艦、全長220.1km...あり得ない、あり得ないはずだっ!」
その大きさの船が重力圏内に入れば、自重で潰れる以外ない。
しかし、エリガードは依然としてそこにいた。
それだけではなく、あらゆるセンサーを弾き、まるで宇宙の特異点がそこに出現したようであった。
「都市機能がジャミングを受けて麻痺してます!」
「システム強制シャットダウン! ウェポンシステムが一斉にオフラインになりました!」
「手動で試せ! マニュアルはどこだ!」
中央管制室はあっという間に蜂の巣を突いたような大騒ぎとなったのだった。
「息苦しくないか?」
「大丈夫よ...」
そして、二人はエリガードの上へと昇る。
エリアスがエリスを抱き上げて、反重力スラスターで空へと上昇したのだ。
「乗せる場所がないな...」
「えっ?」
エリアスは周囲を見渡しつつ、エリスを自分の義体スペースに押し込む。
「ここしか思いつかなかった、内部の空間はちゃんと生存可能な空間だから、ポッドを開けたりするな」
「ええ、言われなくても分かってるわ」
エリアスはポッドを閉めると、エリガードの操作を始める。
恒星間ジャンプで飛んできたエリガードだが、ここでそのままジャンプすると次元震で周辺一体が崩壊する。
大気圏を越える必要があるのだ。
「撃たれているな...エリガード、牽制射撃!」
牽制という名の通り、エリガードの数十本の触手が動き出し、生命反応のない建造物に向かって触手の先から射撃を行う。
だが、迎撃はさらに激しさを増す。
「.....煩わしいな、『止めろ』」
エリアスがそう命じると、エリガードがエネルギー共鳴波を放った。
それは都市全体に広がり、あらゆる電子機器やエネルギー兵器が『停止』した。
動作を停止したのではなく、エネルギー運動の法則そのものが停止したのだ。
「あぁ......電車まで止まるのか.......ジェネラス、ビーコンを出せ!」
エリアスは虚空に向かって叫ぶ。
直後、エリガードを中心に次元の歪曲が、外側から内側に向かって波紋のように広がっていく。
それらはエリガードの外縁部で消え去り、外部には影響しない。
「くそ、どうした!」
「ダメだ、機材が応答しない! おい! こちら中央管制塔! ダメだ、応答なし!」
オルトス首都が大混乱に陥る最中。
エリガードは、重低音を響かせながら消失した。
そして.....
「動いた!」
「こっ、こちら管制塔! 状況を!」
「敵戦艦消失! 繰り返す、敵艦は唐突に消失!」
時間が止まっていた町が、唐突に動き出した。
誰もが混乱の極致にあったが、それを説明できるものは何一つなかった。
「........ふぅ」
僕は溜息を吐く。
酸素が存在しないので、あくまで仕草だけだが。
「.....綺麗な星空だな」
『貴女様には及ばぬかと』
お世辞はいいよ。
というか、変なところで人間臭いな。
「.....その星空より大事なものを奪還した。早々に帰る」
『勅命、拝領いたしました』
長距離ジャンプは流石に掴まったままではいられないので、ポッドの入る空間の隙間に入り込む。
シールドの範囲内とはいえ、劣悪な環境だが外よりはましだ。
振動と共に僕らは、Ve‘zの領域へと帰還したのであった。
オルトス最大の旗艦級戦艦を上回る巨大さを誇る船が、首都上空に出現したのだ。
「超旗艦級戦艦、全長220.1km...あり得ない、あり得ないはずだっ!」
その大きさの船が重力圏内に入れば、自重で潰れる以外ない。
しかし、エリガードは依然としてそこにいた。
それだけではなく、あらゆるセンサーを弾き、まるで宇宙の特異点がそこに出現したようであった。
「都市機能がジャミングを受けて麻痺してます!」
「システム強制シャットダウン! ウェポンシステムが一斉にオフラインになりました!」
「手動で試せ! マニュアルはどこだ!」
中央管制室はあっという間に蜂の巣を突いたような大騒ぎとなったのだった。
「息苦しくないか?」
「大丈夫よ...」
そして、二人はエリガードの上へと昇る。
エリアスがエリスを抱き上げて、反重力スラスターで空へと上昇したのだ。
「乗せる場所がないな...」
「えっ?」
エリアスは周囲を見渡しつつ、エリスを自分の義体スペースに押し込む。
「ここしか思いつかなかった、内部の空間はちゃんと生存可能な空間だから、ポッドを開けたりするな」
「ええ、言われなくても分かってるわ」
エリアスはポッドを閉めると、エリガードの操作を始める。
恒星間ジャンプで飛んできたエリガードだが、ここでそのままジャンプすると次元震で周辺一体が崩壊する。
大気圏を越える必要があるのだ。
「撃たれているな...エリガード、牽制射撃!」
牽制という名の通り、エリガードの数十本の触手が動き出し、生命反応のない建造物に向かって触手の先から射撃を行う。
だが、迎撃はさらに激しさを増す。
「.....煩わしいな、『止めろ』」
エリアスがそう命じると、エリガードがエネルギー共鳴波を放った。
それは都市全体に広がり、あらゆる電子機器やエネルギー兵器が『停止』した。
動作を停止したのではなく、エネルギー運動の法則そのものが停止したのだ。
「あぁ......電車まで止まるのか.......ジェネラス、ビーコンを出せ!」
エリアスは虚空に向かって叫ぶ。
直後、エリガードを中心に次元の歪曲が、外側から内側に向かって波紋のように広がっていく。
それらはエリガードの外縁部で消え去り、外部には影響しない。
「くそ、どうした!」
「ダメだ、機材が応答しない! おい! こちら中央管制塔! ダメだ、応答なし!」
オルトス首都が大混乱に陥る最中。
エリガードは、重低音を響かせながら消失した。
そして.....
「動いた!」
「こっ、こちら管制塔! 状況を!」
「敵戦艦消失! 繰り返す、敵艦は唐突に消失!」
時間が止まっていた町が、唐突に動き出した。
誰もが混乱の極致にあったが、それを説明できるものは何一つなかった。
「........ふぅ」
僕は溜息を吐く。
酸素が存在しないので、あくまで仕草だけだが。
「.....綺麗な星空だな」
『貴女様には及ばぬかと』
お世辞はいいよ。
というか、変なところで人間臭いな。
「.....その星空より大事なものを奪還した。早々に帰る」
『勅命、拝領いたしました』
長距離ジャンプは流石に掴まったままではいられないので、ポッドの入る空間の隙間に入り込む。
シールドの範囲内とはいえ、劣悪な環境だが外よりはましだ。
振動と共に僕らは、Ve‘zの領域へと帰還したのであった。
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