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3菓子処ヨモギ庵
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武器屋ボルテスを出ると直ぐに、時計塔の鐘の音が鳴り、街に反響して響き渡った。
「ああっ! 急がないと!」
ドルチェが半ば悲鳴の声を上げた。
「トウフ様、こちらです!」
「あ、はい」
ドルチェは早足で歩き始めた。彼女の足は速く、トウフとナティは後を付いていくのがやっとだった。
「お嬢様、待って下さい~」
「ナティ、トウフ様、早く! 時は一刻を争うのです!」
二人は懸命に後を追った。
◇
しばらく行くと、目的の菓子処ヨモギ庵へと到着した。
「ここです!わたし、ちょっと先に中へ入りますね!」
ドルチェはそう言うと、一人先に店の中へと入って行った。
その店の外見は、パステルカラーの星やハートが装飾されていて、おおよそ旅の剣士には似合わないものであった。
入り口には『ようこそ!ヨモギ庵へ!』と書かれた丸文字の看板が立てかけてあり、その横には陶器製のピンクのウサギの人形が置いてあった。
「……」
トウフは、店にどう反応していいか分からず、今まで数多くのモンスターと対峙したどの時よりも立ちすくんでいた。
「……売り切れ?」
店員と話していたドルチェの素っ頓狂な声がした。見ると、奥の店員と陳列棚の前で呆然と立ち尽くしている。
「はい……本日はもう……」
そう、プリンは売り切れていたのだ。ドルチェの全身から電気が一瞬迸り、トウフはその様子にたじろいだ。ナティがすかさず、なだめに入った。
「まぁまぁお嬢様、また明日がありますし」
「……そ、そうね、ナティ……」
ドルチェの体から、また電気がピシッと散った。
「……じゃあ……きょ、今日は何に……しようかし……」
陳列棚を虚ろに見つめるドルチェの目に、見慣れないココア色のケーキが見えた。『シェフ渾身の新作!』と書かれたポップが上に乗っている。
中から生クリームが溢れ出ているのを見て、ドルチェの目の色が変わった。
「これを!」
◇
店先のオープンスペースの丸テーブル席に3人はを陣取った。やがて、ホールのケーキとスパイスティーが運ばれた来た。
「ケーキ、丸ごと買ったんですか?」
「ええ、トウフ様。くや……いえ、みんなで食べましょう!」
横でナティが財布を見て悲しそうな顔をしている。店の人が気を利かせてケーキを切り分けてくれた。
「どうぞ、ごゆっくり」
「頂きましょう!」
ドルチェは二人にまずすすめ、自分でも食べだした。ケーキは大きく、一切れでもかなり大きいものだった。
「美味しーい!」
「うん、これは旨いですね」
トウフも旨そうにガツガツと食べ進めている。
「流石だわ。シェフ、また腕を上げたわね」
「……そ、そう……ですね」
ナティは美味しそうに笑みを浮かべて食べてはいるが、金額が金額だっただけに、素直には喜べない様子だった。
「あの、魔法が使えるんですね。ビックリしましたよ」
ドルチェは無心にケーキを頬張っていたのだが、やがて、その言葉が自分に向けられている事に気がついた。
「……え、私?」
「さっき電気がビリビリって」
ドルチェは驚いた顔でナティを見つめた。
「……お嬢様、出てましたよ」
ドルチェの顔から少し血の気が引いた。
「そう!魔法を多少!少しだけ!」
「凄いですね。俺、魔法はからっきしだから、尊敬しますよ」
「ちょっとだけですよ~!まだ~初心者で~!」
ナティはジト目でドルチェを見ている。
「そう言えばお二人の名前、まだ聞いてなかったような」
「あ、そうですね。では私から」
ドルチェはトウフの手を掴んで答えた。
「わたし、ドルチェ……です」
トウフはドルチェの美貌と手の感触に少しフラついた。効果アリだった。
「そして、横にいるこちらは侍女のナティ。面倒くさければ『ナ』で結構です」
「それは略し過ぎです! お嬢様!」
トウフは我に返った。
「はっ。……そうそう、ナティさんは、お嬢様と言っているし、そして侍女と言うことは、ドルチェさんはかなりのお金持ちってことですね。……まさか王族とかだったりして!」
ドルチェとナティは顔を見合わせた。
「いや、まさかですよね。そんな訳ありませんよね」
ドルチェはトウフの目をジッと見入った。事情を知って言っているのか、目を見て判断しようとしたのだ。
もっとも途中から目的を忘れて、トウフの瞳に見入ってしまった。が、何とか我に返った。
「はっ!……まさかそんな。そうそう、私は……えーと……しょ……商人の家の娘でして!」
「ああ、なるほど。商人の方でしたか。商人さんは、お金持ちの方多いですよね」
ドルチェとナティはホッと息をついて、またケーキを口に運び始めた。ナティはドルチェに囁いた。
(お嬢様、適当に話合わせますけど、あまり深入りしちゃダメですよ。何者か素性が分からないんですから)
ドルチェは一瞬、不満そうに口を尖らせ、すぐににこやかに表情を変えると、またトウフに話しかけた。
「トウフ様は何で旅を?まさか伴侶探しの旅とか?恋人はいます?」
トウフはドルチェの質問に、ドキッとした。
「い、いませんけど」
「いない?」
ドルチェの銀色の瞳がキラリと輝いた。ナティがテーブルの下で懸命にドルチェを横キックしたが、ドルチェは意に介さず、同じく横キックで応戦した。
「俺は……そ、そうですね、修行の旅に出てるんです」
「修行に? 剣士の?」
「強いモンスターを倒して名を上げようかと……例えばドラゴンとか」
その言葉に二人はドキリとした。もっとも、その言葉には、やはり偽りの影があったのだが、二人はドラゴンと言う言葉に強く反応し、それには気が付かなかった。
「……ドラゴン……お嫌いですか?」
「ドラゴンは恐ろしい敵です。奴等に焼き払われた村をいくつも見てきました」
トウフの言動には、どこか演技臭さがあった。しかし、その言葉にドルチェは呆然とした。直ぐにナティの肘打ちが入り、トウフにこう告げた。
「ちょっとお嬢様と急なお話が……」
「はい……?」
「お待ち下さい、トウフ様」
ナティは店員に何か告げ、二人は店の奥へと消えていった。いわゆるVIPスペースと言うやつである。
◇
「ほら、全然無理ですって! お嬢様!」
「えー……」
ドルチェはモジモジしている。
「倒されちゃいますよ!」
「……負ける気は……しないのだけれど?」
「そういう話じゃありません!種族違うって話です!」
「あれは……物の例えと言うか、強いモンスターって意味でドラゴンって言ったんじゃないかな……」
「それに王族なんですから無理ですよ。相手が何者か判明してませんし、多分……ただの庶民ですよ」
「でも良い人そうに見えるんだけれど……パパ、ダメって言うかなぁ……」
「ただの人間ですよ? どこがいいんですか? ブレスの一つも吐けませんよ?」
「弱い人族なのに体張って助けてくれたって言うか……そこに優しさって言うか……あと格好良くて好みの顔!それと彼の目!見た?キラキラしてて!」
ドルチェは頬に手を当ててニヨニヨしている。
「とにかく! 適当に話切ってサヨナラして下さい!」
「えー……せめてもう少しデートしたいなー……出来れば二人っきりで……」
ドルチェはチラチラとナティを見た。
「ダメです!情が移っちゃいますから」
ドルチェはナティにすがって手を握りしめた。
「パパに話してみようよ?もしかしたら、オーケーって言ってくれるかも」
「それは……分かりませんけど……いやいや、ダメですって!」
「もう少しだけ。せめてケーキ食べ終わるまで。ねっ、ナティ」
「そう言って、ずーっと食べないのは無しですよ? お嬢様」
「……」
ドルチェは横を向き、口笛を吹いて誤魔化している。
「考えてましたね。お嬢様が食べなくても、私、食べちゃいますからね!」
「えー」
「ほら、行きますよ」
「うーん……せめてもう少し話してみよう?もしかしたら、庶民じゃないかもしれないし。どこかの国の王子様とか……きゃっ!運命?」
「……」
◇
そんな会話をし、二人は店の奥から出てきた。しかし、辺りに異様な雰囲気が漂っているのに気ついた。そして店の人も客も、肝心のトウフも見当たらないのだ。
「お嬢様! 様子が!」
ナティはドルチェを庇い、空間索敵能力を発動した。目が赤く爛々と輝いている。ナティの目にいくつかの怪しい影が見えた。そして、空間の様子がおかしいのに気がついた。
「迷い込んだ……と言うか、これは別の空間に入ってしまったようです、お嬢様」
「いつの間に……トラップかしら?でも問題ないわ。たぶん……」
ドルチェは目を瞑り、辺りの気配を感じている。
「……そんな強くないもの。わたしの力なら……」
ドルチェの目が見開き、青色に大きく光った。
「ああっ! 急がないと!」
ドルチェが半ば悲鳴の声を上げた。
「トウフ様、こちらです!」
「あ、はい」
ドルチェは早足で歩き始めた。彼女の足は速く、トウフとナティは後を付いていくのがやっとだった。
「お嬢様、待って下さい~」
「ナティ、トウフ様、早く! 時は一刻を争うのです!」
二人は懸命に後を追った。
◇
しばらく行くと、目的の菓子処ヨモギ庵へと到着した。
「ここです!わたし、ちょっと先に中へ入りますね!」
ドルチェはそう言うと、一人先に店の中へと入って行った。
その店の外見は、パステルカラーの星やハートが装飾されていて、おおよそ旅の剣士には似合わないものであった。
入り口には『ようこそ!ヨモギ庵へ!』と書かれた丸文字の看板が立てかけてあり、その横には陶器製のピンクのウサギの人形が置いてあった。
「……」
トウフは、店にどう反応していいか分からず、今まで数多くのモンスターと対峙したどの時よりも立ちすくんでいた。
「……売り切れ?」
店員と話していたドルチェの素っ頓狂な声がした。見ると、奥の店員と陳列棚の前で呆然と立ち尽くしている。
「はい……本日はもう……」
そう、プリンは売り切れていたのだ。ドルチェの全身から電気が一瞬迸り、トウフはその様子にたじろいだ。ナティがすかさず、なだめに入った。
「まぁまぁお嬢様、また明日がありますし」
「……そ、そうね、ナティ……」
ドルチェの体から、また電気がピシッと散った。
「……じゃあ……きょ、今日は何に……しようかし……」
陳列棚を虚ろに見つめるドルチェの目に、見慣れないココア色のケーキが見えた。『シェフ渾身の新作!』と書かれたポップが上に乗っている。
中から生クリームが溢れ出ているのを見て、ドルチェの目の色が変わった。
「これを!」
◇
店先のオープンスペースの丸テーブル席に3人はを陣取った。やがて、ホールのケーキとスパイスティーが運ばれた来た。
「ケーキ、丸ごと買ったんですか?」
「ええ、トウフ様。くや……いえ、みんなで食べましょう!」
横でナティが財布を見て悲しそうな顔をしている。店の人が気を利かせてケーキを切り分けてくれた。
「どうぞ、ごゆっくり」
「頂きましょう!」
ドルチェは二人にまずすすめ、自分でも食べだした。ケーキは大きく、一切れでもかなり大きいものだった。
「美味しーい!」
「うん、これは旨いですね」
トウフも旨そうにガツガツと食べ進めている。
「流石だわ。シェフ、また腕を上げたわね」
「……そ、そう……ですね」
ナティは美味しそうに笑みを浮かべて食べてはいるが、金額が金額だっただけに、素直には喜べない様子だった。
「あの、魔法が使えるんですね。ビックリしましたよ」
ドルチェは無心にケーキを頬張っていたのだが、やがて、その言葉が自分に向けられている事に気がついた。
「……え、私?」
「さっき電気がビリビリって」
ドルチェは驚いた顔でナティを見つめた。
「……お嬢様、出てましたよ」
ドルチェの顔から少し血の気が引いた。
「そう!魔法を多少!少しだけ!」
「凄いですね。俺、魔法はからっきしだから、尊敬しますよ」
「ちょっとだけですよ~!まだ~初心者で~!」
ナティはジト目でドルチェを見ている。
「そう言えばお二人の名前、まだ聞いてなかったような」
「あ、そうですね。では私から」
ドルチェはトウフの手を掴んで答えた。
「わたし、ドルチェ……です」
トウフはドルチェの美貌と手の感触に少しフラついた。効果アリだった。
「そして、横にいるこちらは侍女のナティ。面倒くさければ『ナ』で結構です」
「それは略し過ぎです! お嬢様!」
トウフは我に返った。
「はっ。……そうそう、ナティさんは、お嬢様と言っているし、そして侍女と言うことは、ドルチェさんはかなりのお金持ちってことですね。……まさか王族とかだったりして!」
ドルチェとナティは顔を見合わせた。
「いや、まさかですよね。そんな訳ありませんよね」
ドルチェはトウフの目をジッと見入った。事情を知って言っているのか、目を見て判断しようとしたのだ。
もっとも途中から目的を忘れて、トウフの瞳に見入ってしまった。が、何とか我に返った。
「はっ!……まさかそんな。そうそう、私は……えーと……しょ……商人の家の娘でして!」
「ああ、なるほど。商人の方でしたか。商人さんは、お金持ちの方多いですよね」
ドルチェとナティはホッと息をついて、またケーキを口に運び始めた。ナティはドルチェに囁いた。
(お嬢様、適当に話合わせますけど、あまり深入りしちゃダメですよ。何者か素性が分からないんですから)
ドルチェは一瞬、不満そうに口を尖らせ、すぐににこやかに表情を変えると、またトウフに話しかけた。
「トウフ様は何で旅を?まさか伴侶探しの旅とか?恋人はいます?」
トウフはドルチェの質問に、ドキッとした。
「い、いませんけど」
「いない?」
ドルチェの銀色の瞳がキラリと輝いた。ナティがテーブルの下で懸命にドルチェを横キックしたが、ドルチェは意に介さず、同じく横キックで応戦した。
「俺は……そ、そうですね、修行の旅に出てるんです」
「修行に? 剣士の?」
「強いモンスターを倒して名を上げようかと……例えばドラゴンとか」
その言葉に二人はドキリとした。もっとも、その言葉には、やはり偽りの影があったのだが、二人はドラゴンと言う言葉に強く反応し、それには気が付かなかった。
「……ドラゴン……お嫌いですか?」
「ドラゴンは恐ろしい敵です。奴等に焼き払われた村をいくつも見てきました」
トウフの言動には、どこか演技臭さがあった。しかし、その言葉にドルチェは呆然とした。直ぐにナティの肘打ちが入り、トウフにこう告げた。
「ちょっとお嬢様と急なお話が……」
「はい……?」
「お待ち下さい、トウフ様」
ナティは店員に何か告げ、二人は店の奥へと消えていった。いわゆるVIPスペースと言うやつである。
◇
「ほら、全然無理ですって! お嬢様!」
「えー……」
ドルチェはモジモジしている。
「倒されちゃいますよ!」
「……負ける気は……しないのだけれど?」
「そういう話じゃありません!種族違うって話です!」
「あれは……物の例えと言うか、強いモンスターって意味でドラゴンって言ったんじゃないかな……」
「それに王族なんですから無理ですよ。相手が何者か判明してませんし、多分……ただの庶民ですよ」
「でも良い人そうに見えるんだけれど……パパ、ダメって言うかなぁ……」
「ただの人間ですよ? どこがいいんですか? ブレスの一つも吐けませんよ?」
「弱い人族なのに体張って助けてくれたって言うか……そこに優しさって言うか……あと格好良くて好みの顔!それと彼の目!見た?キラキラしてて!」
ドルチェは頬に手を当ててニヨニヨしている。
「とにかく! 適当に話切ってサヨナラして下さい!」
「えー……せめてもう少しデートしたいなー……出来れば二人っきりで……」
ドルチェはチラチラとナティを見た。
「ダメです!情が移っちゃいますから」
ドルチェはナティにすがって手を握りしめた。
「パパに話してみようよ?もしかしたら、オーケーって言ってくれるかも」
「それは……分かりませんけど……いやいや、ダメですって!」
「もう少しだけ。せめてケーキ食べ終わるまで。ねっ、ナティ」
「そう言って、ずーっと食べないのは無しですよ? お嬢様」
「……」
ドルチェは横を向き、口笛を吹いて誤魔化している。
「考えてましたね。お嬢様が食べなくても、私、食べちゃいますからね!」
「えー」
「ほら、行きますよ」
「うーん……せめてもう少し話してみよう?もしかしたら、庶民じゃないかもしれないし。どこかの国の王子様とか……きゃっ!運命?」
「……」
◇
そんな会話をし、二人は店の奥から出てきた。しかし、辺りに異様な雰囲気が漂っているのに気ついた。そして店の人も客も、肝心のトウフも見当たらないのだ。
「お嬢様! 様子が!」
ナティはドルチェを庇い、空間索敵能力を発動した。目が赤く爛々と輝いている。ナティの目にいくつかの怪しい影が見えた。そして、空間の様子がおかしいのに気がついた。
「迷い込んだ……と言うか、これは別の空間に入ってしまったようです、お嬢様」
「いつの間に……トラップかしら?でも問題ないわ。たぶん……」
ドルチェは目を瞑り、辺りの気配を感じている。
「……そんな強くないもの。わたしの力なら……」
ドルチェの目が見開き、青色に大きく光った。
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