11 / 11
11出勤
しおりを挟む
次の日、僕は出勤をした。
「えーと、いつも通りでいいんだよな……」
久しぶりなので何か勝手が分からない。そしていつもと状態が違うと言うのもあった。
いつも通りで無いのは、僕の後ろにストーカーがついて来るからだった。名前をGR、または三条千恵と言う人物だ。
その人物が僕の数メーター後からさり気なくついてくる。グラサンをかけ、茶色のトレンチコートを羽織って。なお、コートの襟は立てている。
僕は立ち止まり、振り返って言った。
「いや、どう考えても不審人物だから……」
「えっ? そんな。こんな完璧な追跡用衣装なのに……」
「いや、ピッタリ過ぎて怪しいの。そんな人はいないから!」
「ダメか……まあいいわ」
彼女はサングラスを外し、悪びれずにそう言った。
「あのスキル……なんて言ったっけ。……ス……そうそう、ステルスを使えばいいんじゃ?」
「あれ疲れるのよね。長時間には向いてないの」
「……じゃ、普通について来ていいから」
「やったー!」
彼女は僕の左腕にしっかとしがみついた。
「もう少し……は、離れて!」
「えー、いいじゃーん。寒いし」
そう言ってくっついて歩いて来た。
隣を他のサラリーマンがセカセカと歩いて行く。手を彼女に引っ張られているので、全然追いつけない。前の自分ならば躍起になって追い越そうとしていたんだが。
「えへへー」
この隣りの妙なボディーガードがいるせいである。と言うか、たぶん左腕の感触のせいである。
僕はふと時間が気になり、スマホを取り出して見た。まずい、感触に浸っている場合では無かった。
「時間無いから急ぐよ!」
「えー、ゆっくり行こうよぉー」
そうも言ってられない。僕は彼女の手を引いて走り出した。
走って数分。ほどなく改札についた。時間も間に合った。
「じゃねー、いってらっしゃ~い」
彼女が僕に手を振っている。ここまで来れば、あとは人通りが多いので大丈夫。という判断からである。
僕も手を振った。……と言うか何ですかこの状況は? 新婚さんか恋人みたいじゃないですか……ああ、そう言えば、そういう設定にするってGRが言ってたな……。
改札をくぐって少ししたところで僕は肩を叩かれた。振り返るとそこに居たのは同僚の只野だった。
「よっ! 元気? 今日から?」
「う、うん……」
僕は今のを見られたのではないかと思った。まずい。
「で、今の子、誰?」
やっぱりか……。
「えーと、親戚の子。いとこ」
「へー」
ニヤニヤすんな。
「ところでお前、この駅だったっけ?」
「そうだけど?」
「そうか……」
同じ路線なのは知ってたが、駅は同じじゃ無かったような気がしたんだが……これも設定が違うってやつかな……。
僕はそのまま只野とホームまで無駄話をしながら歩き、電車を待った。
やがて電車が入って来て、ドアが開いた。もちろん、そこには会社は無かった。が、見知った顔があった。安西さんだった。
彼女は僕の顔を見ると挨拶をしてきた。
「おはようございます」
「あ、おはようございます安西さん」
只野は僕の顔を見ている。あれ? 知らなかったっけ? ああ、隣の部署だったか。
「えーと、隣の部署の安西さん。僕が病院入っている時にミッちゃんがお見舞いに連れて来てくれて……」
本当はもっと前に知っているのだけれど、ここは話を合わせておく。
「あの、只野と申します」
「安西です。隣の資材課の。たしか吉田さんと同じ営業部の方でしたっけ?」
「そうです! 僕のこと知ってましたか。嬉しいなぁ」
只野はやけに嬉しそうだった。
「コイツの見舞いに行ったんですか?」
こらこら、指さしてコイツ言うな。
「ええ、漆原さんに誘われて……」
「う……るしばーさん?」
「……ミっちゃんのことだよ」
「ああ、そうか!」
只野は景気よくポンと手を叩いた。
「……よく分かんないんですけど、コイツとは前から知り合いだったんですか?」
「いえ、漆原さんの話で吉田さんの存在は知ってましたけど、話したことは無かったんですよ。……でも事故で入院してるって話を聞いてたら、何か急に行かなくちゃみたいな気持ちになっちゃって、行っちゃったんですよね……」
「……ほー……?」
「私も行った理由が良く分かんないんですよ。何でなんですかね。漆原さんの話の影響かもしれませんね」
そう言って彼女は笑った。
そのやり取りを見ていて、やはり安西さんはあの電車内での記憶を持っているのではないかと思った。本人は気付いていないかもしれないけれど、何か引っかかるものがあったのでは無いかと。
しかし、XRPとかの話を総合すると、こっち側の人間の設定を変えられるのは、あのタコの一味だけらしい。
彼女は設定を書き換えられて、放免されたと言うことなのだろうか。そこに何か疑問がある。僕とずいぶん待遇が違う。
まあいい。もしそうだとすると、とりあえず彼女の記憶が蘇るのは、まずいってことだな……。
「もしかしてー。安西さん、コイツのこと気になってたりして!」
「いえ! そ、そんな事は……」
「コイツ、意外と浮気性だからやめた方がいいですよ。さっきだって……」
「あ、コラ!」
思わず止めてしまった。
「さっき何かあったんですか?」
「あ、いや……ハトコ……だっけ? えーと……」
「あの、僕の従兄弟が遊びに来てまして、駅まで送ってもらったんですよ」
なんとなく気まずい。
「どんな子なんです?」
「オレ、遠目でしか見ませんでしたけど、けっこう可愛かったような」
「あ、ええ。まあ可愛いかな……」
僕の好みが入ってますから。とはもちろん言えない。
「へえ……」
なんだこの気まずさは。とにかく、帰ったらGRに言って、従兄弟って話にして貰わないと。まさか会社の人には会うことは無いと思うけれども。
と思っている間もなく、電車は次の駅に着いた。プシュー。
「あ、吉田さん!」
ミッちゃんだった。こういう時に限っていいタイミングで……。
「おはようございます。漆原さん」
「ウッス」
安西さんは礼儀正しく、只野はぞんざいに挨拶した。そして、僕はもちろん身構えた。
「お、おはよう、ミッちゃん!」
「おはようございますぅッ! 吉田さんっ!」
もちろんチョップは脇腹に入っている。
「あ、まだ病み上がりでしたっけ? て言うか、怪我上がり? そんな言葉はありませんでしたっけ? って言うか、今のチョップ大丈夫でしたか?」
「う、うん……」
それはチョップ入れる前に気付いて欲しかった……。
ミッちゃんは言った。
「吉田さん、今日から復帰ですよね」
「うん……昨日退院した」
「こんどから爆発しないように気をつけないと」
「いや、してないし」
「安西ちゃんも心配してましたよ」
そう言うと横にいた安西さんは顔を赤くした。
「漆原さん!」
「へへー」
そう言った瞬間、電車は地下鉄のトンネルに入った。ゴウゴウと騒音が鳴り響いた。
「んー……どういうことかな?」
只野は名探偵のような表情をして詮索した。
と、ブレーキの音がして電車が急停止した。そして車内の電灯が明滅した。電車は動かない。
「あれー、事故かな?」
只野はそう言って、顔をガラスにびったりくっつけて窓の外を覗いた。しかし外はトンネルの壁があるだけだった。
「んー、何も見えない。分からん。アナウンス待ちかな。……これは遅延証明書貰わないといけなさそうだねー」
と、僕は安西さんが不安そうな表情になっているのに気付いた。
「大丈夫、安西さん?」
そう声をかけると安西さんは小声でこう言った。
「また、あいつが……」
「あいつ?」
僕はすぐにあの三角頭を想像した。え、また? またなの?
「吉田さん……!」
彼女はそう言って僕の服を掴んだ。
「大丈夫、大丈夫だから」
僕は思わずそう言って彼女をなだめたが、今回はミッちゃんも只野もいるし、XRPも連れてきていない。僕はこの状態であいつに遭遇したら、とてもじゃないが切り抜ける自信は無い。
……と言うか、人が多いところじゃ出て来ないって話じゃ無かったっけ?
そう思っている内に、バチバチと言う音と共に車内の灯りが消えた。
「えーと、いつも通りでいいんだよな……」
久しぶりなので何か勝手が分からない。そしていつもと状態が違うと言うのもあった。
いつも通りで無いのは、僕の後ろにストーカーがついて来るからだった。名前をGR、または三条千恵と言う人物だ。
その人物が僕の数メーター後からさり気なくついてくる。グラサンをかけ、茶色のトレンチコートを羽織って。なお、コートの襟は立てている。
僕は立ち止まり、振り返って言った。
「いや、どう考えても不審人物だから……」
「えっ? そんな。こんな完璧な追跡用衣装なのに……」
「いや、ピッタリ過ぎて怪しいの。そんな人はいないから!」
「ダメか……まあいいわ」
彼女はサングラスを外し、悪びれずにそう言った。
「あのスキル……なんて言ったっけ。……ス……そうそう、ステルスを使えばいいんじゃ?」
「あれ疲れるのよね。長時間には向いてないの」
「……じゃ、普通について来ていいから」
「やったー!」
彼女は僕の左腕にしっかとしがみついた。
「もう少し……は、離れて!」
「えー、いいじゃーん。寒いし」
そう言ってくっついて歩いて来た。
隣を他のサラリーマンがセカセカと歩いて行く。手を彼女に引っ張られているので、全然追いつけない。前の自分ならば躍起になって追い越そうとしていたんだが。
「えへへー」
この隣りの妙なボディーガードがいるせいである。と言うか、たぶん左腕の感触のせいである。
僕はふと時間が気になり、スマホを取り出して見た。まずい、感触に浸っている場合では無かった。
「時間無いから急ぐよ!」
「えー、ゆっくり行こうよぉー」
そうも言ってられない。僕は彼女の手を引いて走り出した。
走って数分。ほどなく改札についた。時間も間に合った。
「じゃねー、いってらっしゃ~い」
彼女が僕に手を振っている。ここまで来れば、あとは人通りが多いので大丈夫。という判断からである。
僕も手を振った。……と言うか何ですかこの状況は? 新婚さんか恋人みたいじゃないですか……ああ、そう言えば、そういう設定にするってGRが言ってたな……。
改札をくぐって少ししたところで僕は肩を叩かれた。振り返るとそこに居たのは同僚の只野だった。
「よっ! 元気? 今日から?」
「う、うん……」
僕は今のを見られたのではないかと思った。まずい。
「で、今の子、誰?」
やっぱりか……。
「えーと、親戚の子。いとこ」
「へー」
ニヤニヤすんな。
「ところでお前、この駅だったっけ?」
「そうだけど?」
「そうか……」
同じ路線なのは知ってたが、駅は同じじゃ無かったような気がしたんだが……これも設定が違うってやつかな……。
僕はそのまま只野とホームまで無駄話をしながら歩き、電車を待った。
やがて電車が入って来て、ドアが開いた。もちろん、そこには会社は無かった。が、見知った顔があった。安西さんだった。
彼女は僕の顔を見ると挨拶をしてきた。
「おはようございます」
「あ、おはようございます安西さん」
只野は僕の顔を見ている。あれ? 知らなかったっけ? ああ、隣の部署だったか。
「えーと、隣の部署の安西さん。僕が病院入っている時にミッちゃんがお見舞いに連れて来てくれて……」
本当はもっと前に知っているのだけれど、ここは話を合わせておく。
「あの、只野と申します」
「安西です。隣の資材課の。たしか吉田さんと同じ営業部の方でしたっけ?」
「そうです! 僕のこと知ってましたか。嬉しいなぁ」
只野はやけに嬉しそうだった。
「コイツの見舞いに行ったんですか?」
こらこら、指さしてコイツ言うな。
「ええ、漆原さんに誘われて……」
「う……るしばーさん?」
「……ミっちゃんのことだよ」
「ああ、そうか!」
只野は景気よくポンと手を叩いた。
「……よく分かんないんですけど、コイツとは前から知り合いだったんですか?」
「いえ、漆原さんの話で吉田さんの存在は知ってましたけど、話したことは無かったんですよ。……でも事故で入院してるって話を聞いてたら、何か急に行かなくちゃみたいな気持ちになっちゃって、行っちゃったんですよね……」
「……ほー……?」
「私も行った理由が良く分かんないんですよ。何でなんですかね。漆原さんの話の影響かもしれませんね」
そう言って彼女は笑った。
そのやり取りを見ていて、やはり安西さんはあの電車内での記憶を持っているのではないかと思った。本人は気付いていないかもしれないけれど、何か引っかかるものがあったのでは無いかと。
しかし、XRPとかの話を総合すると、こっち側の人間の設定を変えられるのは、あのタコの一味だけらしい。
彼女は設定を書き換えられて、放免されたと言うことなのだろうか。そこに何か疑問がある。僕とずいぶん待遇が違う。
まあいい。もしそうだとすると、とりあえず彼女の記憶が蘇るのは、まずいってことだな……。
「もしかしてー。安西さん、コイツのこと気になってたりして!」
「いえ! そ、そんな事は……」
「コイツ、意外と浮気性だからやめた方がいいですよ。さっきだって……」
「あ、コラ!」
思わず止めてしまった。
「さっき何かあったんですか?」
「あ、いや……ハトコ……だっけ? えーと……」
「あの、僕の従兄弟が遊びに来てまして、駅まで送ってもらったんですよ」
なんとなく気まずい。
「どんな子なんです?」
「オレ、遠目でしか見ませんでしたけど、けっこう可愛かったような」
「あ、ええ。まあ可愛いかな……」
僕の好みが入ってますから。とはもちろん言えない。
「へえ……」
なんだこの気まずさは。とにかく、帰ったらGRに言って、従兄弟って話にして貰わないと。まさか会社の人には会うことは無いと思うけれども。
と思っている間もなく、電車は次の駅に着いた。プシュー。
「あ、吉田さん!」
ミッちゃんだった。こういう時に限っていいタイミングで……。
「おはようございます。漆原さん」
「ウッス」
安西さんは礼儀正しく、只野はぞんざいに挨拶した。そして、僕はもちろん身構えた。
「お、おはよう、ミッちゃん!」
「おはようございますぅッ! 吉田さんっ!」
もちろんチョップは脇腹に入っている。
「あ、まだ病み上がりでしたっけ? て言うか、怪我上がり? そんな言葉はありませんでしたっけ? って言うか、今のチョップ大丈夫でしたか?」
「う、うん……」
それはチョップ入れる前に気付いて欲しかった……。
ミッちゃんは言った。
「吉田さん、今日から復帰ですよね」
「うん……昨日退院した」
「こんどから爆発しないように気をつけないと」
「いや、してないし」
「安西ちゃんも心配してましたよ」
そう言うと横にいた安西さんは顔を赤くした。
「漆原さん!」
「へへー」
そう言った瞬間、電車は地下鉄のトンネルに入った。ゴウゴウと騒音が鳴り響いた。
「んー……どういうことかな?」
只野は名探偵のような表情をして詮索した。
と、ブレーキの音がして電車が急停止した。そして車内の電灯が明滅した。電車は動かない。
「あれー、事故かな?」
只野はそう言って、顔をガラスにびったりくっつけて窓の外を覗いた。しかし外はトンネルの壁があるだけだった。
「んー、何も見えない。分からん。アナウンス待ちかな。……これは遅延証明書貰わないといけなさそうだねー」
と、僕は安西さんが不安そうな表情になっているのに気付いた。
「大丈夫、安西さん?」
そう声をかけると安西さんは小声でこう言った。
「また、あいつが……」
「あいつ?」
僕はすぐにあの三角頭を想像した。え、また? またなの?
「吉田さん……!」
彼女はそう言って僕の服を掴んだ。
「大丈夫、大丈夫だから」
僕は思わずそう言って彼女をなだめたが、今回はミッちゃんも只野もいるし、XRPも連れてきていない。僕はこの状態であいつに遭遇したら、とてもじゃないが切り抜ける自信は無い。
……と言うか、人が多いところじゃ出て来ないって話じゃ無かったっけ?
そう思っている内に、バチバチと言う音と共に車内の灯りが消えた。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
友よ、お前は何故死んだのか?
河内三比呂
ミステリー
「僕は、近いうちに死ぬかもしれない」
幼い頃からの悪友であり親友である久川洋壱(くがわよういち)から突如告げられた不穏な言葉に、私立探偵を営む進藤識(しんどうしき)は困惑し嫌な予感を覚えつつもつい流してしまう。
だが……しばらく経った頃、仕事終わりの識のもとへ連絡が入る。
それは洋壱の死の報せであった。
朝倉康平(あさくらこうへい)刑事から事情を訊かれた識はそこで洋壱の死が不可解である事、そして自分宛の手紙が発見された事を伝えられる。
悲しみの最中、朝倉から提案をされる。
──それは、捜査協力の要請。
ただの民間人である自分に何ができるのか?悩みながらも承諾した識は、朝倉とともに洋壱の死の真相を探る事になる。
──果たして、洋壱の死の真相とは一体……?
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
無限の迷路
葉羽
ミステリー
豪華なパーティーが開催された大邸宅で、一人の招待客が密室の中で死亡して発見される。部屋は内側から完全に施錠されており、窓も塞がれている。調査を進める中、次々と現れる証拠品や証言が事件をますます複雑にしていく。
没落貴族イーサン・グランチェスターの冒険
水十草
ミステリー
【第7回ホラー・ミステリー小説大賞奨励賞 受賞作】 大学で助手をしていたテオ・ウィルソンは、美貌の侯爵令息イーサン・グランチェスターの家庭教師として雇われることになった。多額の年俸と優雅な生活を期待していたテオだが、グランチェスター家の内情は火の車らしい。それでもテオには、イーサンの家庭教師をする理由があって…。本格英国ミステリー、ここに開幕!
同窓会にいこう
jaga
ミステリー
大学4年生、就職活動に勤しむ江上のもとへ小学生時代のクラスの同窓会の案内が届く
差出人はかつて小学生時代に過ごした九州の田舎で淡い恋心を抱いた「竹久瞳(たけひさ ひとみ)」からだった
胸を高鳴らせ10年ぶり訪れた田舎での同窓会の場で竹久瞳から衝撃の事実を聞かされる
幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~
しんいち
キャラ文芸
オカルト好きの少年、「しんいち」は、小学生の時、彼が通う合気道の道場でお婆さんにつれられてきた不思議な少女と出会う。
のちに「幽子」と呼ばれる事になる少女との始めての出会いだった。
彼女には「霊感」と言われる、人の目には見えない物を感じ取る能力を秘めていた。しんいちはそんな彼女と友達になることを決意する。
そして高校生になった二人は、様々な怪奇でミステリアスな事件に関わっていくことになる。 事件を通じて出会う人々や経験は、彼らの成長を促し、友情を深めていく。
しかし、幽子にはしんいちにも秘密にしている一つの「想い」があった。
その想いとは一体何なのか?物語が進むにつれて、彼女の心の奥に秘められた真実が明らかになっていく。
友情と成長、そして幽子の隠された想いが交錯するミステリアスな物語。あなたも、しんいちと幽子の冒険に心を躍らせてみませんか?
舞姫【後編】
友秋
ミステリー
天涯孤独の少女は、夜の歓楽街で二人の男に拾われた。
三人の運命を変えた過去の事故と事件。
彼らには思いもかけない縁(えにし)があった。
巨大財閥を起点とする親と子の遺恨が幾多の歯車となる。
誰が幸せを掴むのか。
•剣崎星児
29歳。故郷を大火の家族も何もかもを失い、夜の街で強く生きてきた。
•兵藤保
28歳。星児の幼馴染。同じく、実姉以外の家族を失った。明晰な頭脳を持って星児の抱く野望と復讐の計画をサポートしてきた。
•津田みちる
20歳。両親を事故で亡くし孤児となり、夜の街を彷徨っていた16歳の時、星児と保に拾われ、ストリップダンサーとなる。
•桑名麗子
保の姉。星児の彼女で、ストリップ劇場香蘭の元ダンサー。みちるの師匠。
•津田(郡司)武
星児と保の故郷を残忍な形で消した男。星児と保は復讐の為に追う。
こちら百済菜市、武者小路 名探偵事務所
流々(るる)
ミステリー
【謎解きIQが設定された日常系暗号ミステリー。作者的ライバルは、あの松〇クン!】
百済菜(くだらな)市の中心部からほど近い場所にある武者小路 名探偵事務所。
自らを「名探偵」と名乗る耕助先輩のもとで助手をしている僕は、先輩の自称フィアンセ・美咲さんから先輩との禁断の関係を疑われています。そんなつもりは全くないのにぃ!
謎ごとの読み切りとなっているため、単独の謎解きとしてもチャレンジOK!
※この物語はフィクションです。登場人物や地名など、実在のものとは関係ありません。
【主な登場人物】
鈴木 涼:武者小路 名探偵事務所で助手をしている。所長とは出身大学が同じで、生粋の百済菜っ子。
武者小路 耕助:ミステリー好きな祖父の影響を受けて探偵になった、名家の御曹司。ちょっとめんどくさい一面も。
豪徳寺 美咲:耕助とは家族ぐるみの付き合いがある良家のお嬢様。自称、耕助のフィアンセ。耕助と鈴木の仲を疑っている。
御手洗:県警捜査一課の刑事。耕助の父とは古くからの友人。
伊集院:御手洗の部下。チャラい印象だが熱血漢。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる