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僕が妊娠した時の話2
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気が付いたらそこは病院のベッドだった。
直人と美晴が心配そうに僕の顔を覗き込んでる。
「良かった!気が付いた!もぅ!心配したんだから!」
美晴の目が赤いし、涙声になっている。よほど心配をかけてしまったようだ。直人は心配そうな顔をして、眉間に皺をよせている。
「あれ?ここは…。それに2人ともどうしたの?」
「ここは病院だ。貧血を起こして、倒れたんだよ。最近、顔色が悪いこともあったし、食べれなかったこともあったから、少し栄養失調になりかけてたみたいだ。ホントに心配したんだからな」
「それは、あの…ごめんなさい」
小さな声で2人に謝った。
「ついでだから、検査してもらったよ。心配だったし。幸い大きな病気もないし、風邪でもないってさ」
「じゃ、体調不良の原因は…」
「その説明は僕からするよ」
扉が開いて、才賀医師が登場した。
才賀という名前の通り、ここは才賀財閥の病院で、彼はそこの医師だ。直人の叔父でもある。そして、僕のかかりつけ医でもあった。
「先生!」
「結婚してからは初めて会うね。式か披露宴はするつもりかな?」
「僕らはまだ若いし、そこまではまだ…。親と相談して決めるつもりです」
「…そうか。式や披露宴をする予定があるなら、場合によってはずらさないといけなくなるからね。それなら写真だけでもどうかな?記念に残ると思うよ」
「写真ですか?写真なら婚姻届を出した時に、制服で撮りましたよ。区役所で。職員の方に撮っていただきまきた」
「うーん。それともまた違うんだけど、まぁいいや。それは話し合って決めてね。実は、陽向君、君は妊娠してるんだよ。体調不良の原因はそれだね」
「え!」
僕は目が点になってしまった。茫然自失とも言うべきか。
自分の体のことなのに、自分のことが信じられなかった。
「体調不良が続いていたんだってね。食欲不振だったり、微熱が続くのは、妊娠の初期症状だよ。まだ吐き気はないみたいだけど、それはもう少したってからかな。今の段階だと妊娠確定って出来ないから、2週間後にもう一回検査しにおいで」
「僕が妊娠…」
「そうそう、夫夫だし、避妊せずにやることやれば、当然出来るよね。君はふつうのベータではないし、直人君とは番が成立してるようだしね。子宮も出来てるようだし、ほぼ今の体はオメガかな。ほぼというのは、ベータ因子もアルファ因子もなくなったわけではないからだよ。本当に珍しい症例だよ。本当は2週間の検診の後は1ヶ月に一回でいいんだけど、君の場合は何があるか分からないから、頻繁に来て欲しいかな。ここまで一気に話したけど、何か質問はあるかい?」
「いえ、特には…まだ実感が湧かないし、分からなかったら直人に聞きます」
「そうだね。直人なら分かるだろうし…」
先生はチラッと直人を見てから、頷いた。
「直人、それに、美晴君。これからが大変になるから、陽向君をしっかり支えて欲しい。妊娠するってことは思った以上に負担がかかるものだからね。それから、医師の許可が出るまで当分は性行為禁止ね。するのなら、避妊具必須だよ。若いから辛いだろうけど我慢して。守れないようなら、ここに入院してもらうか、実家に帰ってもらわないとね」
その言葉を聞いて2人ともショックを受けた顔をした。
直人と美晴が心配そうに僕の顔を覗き込んでる。
「良かった!気が付いた!もぅ!心配したんだから!」
美晴の目が赤いし、涙声になっている。よほど心配をかけてしまったようだ。直人は心配そうな顔をして、眉間に皺をよせている。
「あれ?ここは…。それに2人ともどうしたの?」
「ここは病院だ。貧血を起こして、倒れたんだよ。最近、顔色が悪いこともあったし、食べれなかったこともあったから、少し栄養失調になりかけてたみたいだ。ホントに心配したんだからな」
「それは、あの…ごめんなさい」
小さな声で2人に謝った。
「ついでだから、検査してもらったよ。心配だったし。幸い大きな病気もないし、風邪でもないってさ」
「じゃ、体調不良の原因は…」
「その説明は僕からするよ」
扉が開いて、才賀医師が登場した。
才賀という名前の通り、ここは才賀財閥の病院で、彼はそこの医師だ。直人の叔父でもある。そして、僕のかかりつけ医でもあった。
「先生!」
「結婚してからは初めて会うね。式か披露宴はするつもりかな?」
「僕らはまだ若いし、そこまではまだ…。親と相談して決めるつもりです」
「…そうか。式や披露宴をする予定があるなら、場合によってはずらさないといけなくなるからね。それなら写真だけでもどうかな?記念に残ると思うよ」
「写真ですか?写真なら婚姻届を出した時に、制服で撮りましたよ。区役所で。職員の方に撮っていただきまきた」
「うーん。それともまた違うんだけど、まぁいいや。それは話し合って決めてね。実は、陽向君、君は妊娠してるんだよ。体調不良の原因はそれだね」
「え!」
僕は目が点になってしまった。茫然自失とも言うべきか。
自分の体のことなのに、自分のことが信じられなかった。
「体調不良が続いていたんだってね。食欲不振だったり、微熱が続くのは、妊娠の初期症状だよ。まだ吐き気はないみたいだけど、それはもう少したってからかな。今の段階だと妊娠確定って出来ないから、2週間後にもう一回検査しにおいで」
「僕が妊娠…」
「そうそう、夫夫だし、避妊せずにやることやれば、当然出来るよね。君はふつうのベータではないし、直人君とは番が成立してるようだしね。子宮も出来てるようだし、ほぼ今の体はオメガかな。ほぼというのは、ベータ因子もアルファ因子もなくなったわけではないからだよ。本当に珍しい症例だよ。本当は2週間の検診の後は1ヶ月に一回でいいんだけど、君の場合は何があるか分からないから、頻繁に来て欲しいかな。ここまで一気に話したけど、何か質問はあるかい?」
「いえ、特には…まだ実感が湧かないし、分からなかったら直人に聞きます」
「そうだね。直人なら分かるだろうし…」
先生はチラッと直人を見てから、頷いた。
「直人、それに、美晴君。これからが大変になるから、陽向君をしっかり支えて欲しい。妊娠するってことは思った以上に負担がかかるものだからね。それから、医師の許可が出るまで当分は性行為禁止ね。するのなら、避妊具必須だよ。若いから辛いだろうけど我慢して。守れないようなら、ここに入院してもらうか、実家に帰ってもらわないとね」
その言葉を聞いて2人ともショックを受けた顔をした。
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