どこかがふつうと違うベータだった僕の話

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美晴にとっての初めてと婚約の話〜美晴視点2

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この日、美晴はかなり緊張していた。何故なら陽向と初めてするからである。

数日前からヒートの前兆を感じていた美晴は、少しずつ準備をしていた。予習?もバッチリである。2人きりだと不安なので、直人にも声をかけた。


そして、現在陽向の家の前にいる。
今日は泊まるつもりで、お泊まりセットも持ってきていた。

ピンポーン

「はーい」

パタパタとスリッパの音がして、陽向が出てきた。

相変わらず、キラキラして眩しいくらいだ。

「こんばんは、上がっても大丈夫?」

「いらっしゃい。もちろん大丈夫だよ。あ、直人も来たんだね。上がって上がって」


「お邪魔します」

「そうそう。今日、父さんも母さんもいないんだ。ゆっくりしてってね」

「そうなんだ。あ、お菓子買ってきたよ。ここのケーキ好きでしょ?」

じゃ、じゃーんと効果音つきでケーキを見せると、陽向の目が輝きだした。

「うん!好き!ありがとう!!」

弾むような声でそういうと、思い切り僕に抱きついた。
普段こんなふうなスキンシップはしないのだが、よほど嬉しかったのだろう。

「どういたしまして」

「俺は飲み物を持ってきた」
そう言って、ちょっと高そうな包みを差し出した。

「これ!コーヒー豆は父さんがたまに飲むお気に入りのお店のだし、この紅茶の茶葉も僕と母さんが好きなやつだ!ありがとう!!」

陽向は直人に向けて、キラキラの笑顔で言った。直人もそれを見て笑顔だった。若干ニヤついてないか?


「コーヒー豆からだと時間かかっちゃうから、今日は挽いてあるのを使うね。茶葉はもらったのを早速使うから、ちょっと待ってて」

お湯は沸かしていたのか、台所からカチャカチャと音がする。

「大体、飲み物の準備はしてたんだ。ケーキはお持たせだけど、どうぞ」

「いただきます」

3人そろってそう言うと、早速ケーキを食べる。
陽向が好きなケーキだけあって、めっちゃ美味しい!

直人は薄らと微笑んでいるし、陽向は幸せそうに食べていた。

「あ、そうだ!2人とも後で僕の部屋来るでしょ?今日は映画やドラマ観るより、ゲームな気分なんだよね。ちょっと2階に行って、取ってくるね」

そう言うとスタスタと2階に上がってしまった。

急に直人と2人きりになり、顔を見合わせる。

「どうする?」

「ゲームをしてそういう雰囲気にはならないだろうな。ちょっと作戦タイムといこうか。耳貸して」

そう言うと僕にいくつかアドバイスした。

「そうだね。それでいくしかないかも」

僕は頷くと2階に上がった。
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