上 下
109 / 157
第2章

第103話

しおりを挟む

キョロキョロ

「さて、ここら辺でいいかな?」

 キリトは手頃な路地に入ると左右を確認した。

「………『気配察知』にも反応はないし大丈夫か」

 どこかに人影がないか確認後、念のために『気配察知』も使った。

「よし、そんじゃあ、できるだけ城に近い路地裏に出るか『転移』!!」
________
______
____
__

「………着いたかな?」

 キリトは、先程とは違う路地裏らしき場所に転移していた。

「適当に近い場所に転移したからな。ここに見覚えが無いってことはチラ見した程度の場所なのか?」

 ここでキリトは再び辺りをキョロキョロと見回す。が

「あれ?ホントに全く見覚えが無いぞ。取り敢えず出るか、道は………」

 普通ならここで道沿いに歩いて行くのだろうが、キリトは、そうはせず、何故か見上げる。

「………出るよりも上からの方が分かりやすいか」

 そう言うとキリトは足に力を込める。

「ととと、その前に人に見られたら厄介だから透明化インビジブル

 キリトがそう唱えると身体が足元から透明になっていく。

「おぉ、すげぇ、身体が見えない。何か、変な感じだな」

 キリトの身体は、ものの数秒で消え、自分でも認識出来ないほどにまでになっていた。

「それじゃ、フッ!」

 キリトは一気に飛び上がり、屋根の上に着地した。

「っと、透明だと感覚が分かりにくいな。んで、ここは………あぁ、アルマと会った場所か」

 キリトが転移した場所、それはアルマに初対面で襲撃された路地裏であった。

「それじゃあ、ここからは屋根伝いで行くかな?」

 タッタッタッ

 キリトは軽やかに屋根の上から屋根の上へと渡って行った。

________
______
____
__

「おぉ、ここがアワールの城か、間近で見るとやっぱり迫力があるな。魔王城とはかなり雰囲気が違う」

 屋根伝いに向かうこと数秒、特に何か起きるわけでもなく城門はの前に立っていた。

「よし、次は中に入るか、えっと………あれ、門番は?」

 キリトがいくら探しても門番が見当たらない。

「お~い!!誰かぁ~!!」

 シ~~~ンッ

 誰も来ない。

「………」

 いくら待てども門番はおろか人っ子1人出ては来ない。いったいどうしたと言うのであろうか、キリトの脳内には一瞬、不法侵入の言葉が過ぎったが、それでは王に謁見どころかバレてしまったら犯罪者になってしまう。なので、キリトは1人ぽつんと門の前で体育座りして待つのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

地球からきた転生者の殺し方 =ハーレム要員の女の子を一人ずつ寝取っていきます

三浦裕
ファンタジー
「地球人てどーしてすぐ転生してくんの!? いや転生してもいいけどうちの世界にはこないで欲しいわけ、迷惑だから。いや最悪きてもいいけどうちの国には手をださんで欲しいわけ、滅ぶから。まじ迷惑してます」  地球から来た転生者に散々苦しめられたオークの女王オ・ルナは憤慨していた。必ずやあのくそ生意気な地球人どもに目にものみせてくれようと。だが―― 「しっかし地球人超つえーからのう……なんなのあの針がバカになった体重計みたいなステータス。バックに女神でもついてんの? 勝てん勝てん」  地球人は殺りたいが、しかし地球人強すぎる。悩んだオ・ルナはある妙案を思いつく。 「地球人は地球人に殺らせたろ。むっふっふ。わらわってばまじ策士」  オ・ルナは唯一知り合いの地球人、カトー・モトキにクエストを発注する。  地球からきた転生者を、オークの国にあだなす前に殺ってくれ。 「報酬は……そうじゃのう、一人地球人を殺すたび、わらわにエ、エッチなことしてよいぞ……?」  カトーはその提案に乗る。 「任せとけ、転生者を殺すなんて簡単だ――あいつはハーレム要員の女を寝取られると、勝手に力を失って弱る」 毎日更新してます。

大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います

騙道みりあ
ファンタジー
 魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。  その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。  仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。  なので、全員殺すことにした。  1話完結ですが、続編も考えています。

2回目チート人生、まじですか

ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆ ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで! わっは!!!テンプレ!!!! じゃない!!!!なんで〝また!?〟 実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。 その時はしっかり魔王退治? しましたよ!! でもね 辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!! ということで2回目のチート人生。 勇者じゃなく自由に生きます?

転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい

りゅうじんまんさま
ファンタジー
 かつて、『神界』と呼ばれる世界では『女神ハーティルティア』率いる『神族』と『邪神デスティウルス』が率いる『邪神』との間で、永きに渡る戦いが繰り広げられていた。  その永い時の中で『神気』を取り込んで力を増大させた『邪神デスティウルス』は『神界』全てを呑み込もうとした。  それを阻止する為に、『女神ハーティルティア』は配下の『神族』と共に自らの『存在』を犠牲にすることによって、全ての『邪神』を滅ぼして『神界』を新たな世界へと生まれ変わらせた。  それから数千年後、『女神』は新たな世界で『ハーティ』という名の侯爵令嬢として偶然転生を果たした。  生まれた時から『魔導』の才能が全く無かった『ハーティ』は、とある事件をきっかけに『女神』の記憶を取り戻し、人智を超えた力を手に入れることになる。  そして、自分と同じく『邪神』が復活している事を知った『ハーティ』は、諸悪の根源である『邪神デスティウルス』復活の阻止と『邪神』討伐の為に、冒険者として世界を巡る旅へと出発する。  世界中で新しい世界を創造した『女神ハーティルティア』が崇拝される中、普通の人間として平穏に暮らしたい『ハーティ』は、その力を隠しながら旅を続けていたが、行く先々で仲間を得ながら『邪神』を討伐していく『ハーティ』は、やがて世界中の人々に愛されながら『女神』として崇められていく。  果たして、『ハーティ』は自分の創造した世界を救って『普通の女の子』として平穏に暮らしていくことが出来るのか。  これは、一人の少女が『女神』の力を隠しながら世界を救う冒険の物語。  

特典付きの錬金術師は異世界で無双したい。

TEFt
ファンタジー
しがないボッチの高校生の元に届いた謎のメール。それは訳のわからないアンケートであった。内容は記載されている職業を選ぶこと。思いつきでついついクリックしてしまった彼に訪れたのは死。そこから、彼のSecond life が今始まる___。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

処理中です...