157 / 171
獣人村たぶんスローライフ編
154話 夏希の店 みんなの店
しおりを挟む
夏希屋オープンに向けて準備を始めてから10日ほど経ったある日のこと。
夏希達は定期的に狩りを行い、チャージ金額の確保に勤めていた。今日も朝から森の奥に入って魔物を倒し、ホクホク顔で我が家に戻るのであった。時間は夕方に近い。
「ランカさん、ただいま帰りました」
「あら、お帰りなさい」
「おさわりなさーい」
店舗の棚の商品を整理しているランカ。そして少し座が高い椅子に座って店番をしているルルが出迎えてくれた。
(ルルちゃん、その言葉は危険だからね)
夏希は店舗の前で立ち止まり上を見る。そこには分厚く綺麗な木目をした大きな木板に屋号が描いてある。その屋号の文字は、手のひらサイズで不揃いの木片がカラフルに色付けされ、張り付けられたもの。獣人村の子供達全員で作ったものであった。
『サフィニア』
これが新しい屋号。サフィニアは夏を中心にして咲く花の名前。ペチュニアを品種改良したもの。ペニチュアの花言葉が『心の安らぎ』でサフィニアは『咲きたての笑顔』だ。
夏希はこの屋号を見て思う。
(やっと長い名前から解放されたのだ)
新しいお店『サフィニア』は幹部会との話し合いや村人達との意見交換も無事に終わり、4日前にオープンしていたのである。
夏希達は生活魔法のクリーンを掛けてから店内に入る。そこには4人用の丸テーブルが2つ置いてあり、奥側のテーブルに2人が座ってお茶を飲んでいた。
「おお~、夏希ではないか。まあ、ここに座ってゆっくりすればいいじょ」
「あらあら、おじいさん。ここは夏希ちゃんのお店ですよ。ボケちゃったのかしら?」
「そうじゃったな。これは参ったじょ」
「「ほほほほほ」」
この漫才夫婦は幹部会の重鎮。タヌキ族のマイケル爺さんとキツネ族のエリー婆さんだ。2人共に少し腰が曲がって子供のように背が低く、しわくちゃな顔はいつもニコニコしている。(名前と見た目のギャップが凄いのだ)
スズランと真冬は2人が座るテーブルの椅子に座り、夏希は隣のテーブルから椅子を持って来て座る。
「マイケル爺さん、いつも饅頭食べてるけど喉に詰まらせるなよ。こっちの煎餅を食べた方がいいんじゃないか?」
お年寄りが餅を食べて喉を詰まらせる話はよく聞く話だ。夏希は心配していた。
「ワシはこの真っ白でモチモチしたのが好きなのじょ。まるでスズランちゃんの太ももみたいだじょ。どれ、同じかどうか触って確かめる必要があるのだじょ」
「ドスッ」
エリーが手に持つ杖でマイケルの額を突き刺し、鋭い眼光で睨んでいた。
「じょ、冗談だじょ‥‥」
(このスケベ爺は毎回エリー婆さんに額を突かれてるのに懲りないのだ)
スズランはもう慣れたもので、笑いながら少しだけスカートの裾を上げて挑発していた。(お前が挑発するから余計に質が悪い)
「夏希ちゃん、ここはいい場所ね。たくさんの子供達が笑顔で集まってくるの。私達はそれを見ているだけで元気になるわ」
エリーは感謝の目で夏希達を見ていた。そのエリーの顔はとても優しく綺麗であった。
「年頃の娘達もたくさん来るじょ」
「ドスッ」
そのエリーの顔は般若のようだった。
この2人、オープンから毎日夕方に来てはこのテーブルに座ってお茶を飲み、一時間ほどで帰って行く。散歩コースに組み込まれたようだ。(元気になるのはいい事だ)
そして常連は他にも居る。
「夏希お兄さん、お帰りなさい。今日も素敵な写真を撮ってくださいな」
「「私達もー!」」
店に現れたのは3人組の女の子達。うさぎミミのジュリアン10才、猫ミミのカルネ9才、犬ミミのカナリア9才だ。
この3人はお洒落好きと村でも有名なのだ。オープン初日に会員証を作って渡すと、自分が映っている姿を見て歓喜し、毎日違うお洒落な服を着て写真撮影をお願いしに来るのだ。
仕方なく写真1枚を銅貨1枚に設定して販売する事にした夏希。この3人は毎日家の手伝いをして、親から銅貨1枚分にあたる銅色で数字が10の『サフィカード』をもらい握り締め、写真撮影をするのだ。(しっかりと手伝いして1枚だけお願いするのが好ましいな)
そして夏希は声を掛ける。
「コンテ、お客さんだ。頼むぞ」
「はい、任されましたー!!」
ここで登場するのがルルの兄ことコンテ。
女の子大好きの6才児は「我が天職ここにあり!」と叫び、僅か1時間でスマホ、パソコン、プリンタ、ラミネーターの操作方法をマスターした。(その情熱は凄いな)
この3人のように、写真撮影を依頼する人が増えている。愛しい家族や子供の姿を残せるのが嬉しいのだろう。カード入れのバインダーも商品にしたら大当たりだった。
ただ、問題も見え始めた。当初懸念していた貨幣不足だ。
村人達も夏希達も現金をあまり持っていない。その村中の現金が夏希の元に集まり始めている。だから今も子供達に渡すサフィカード分だけ現金で、それ以外は野菜での交換が中心になっている。夏希が村人から野菜を現金で買えばいいのだが、現状でも山ほどあるので違う方法が必要だ。
(そうそう、子供達が使うお金の代わりをするカードを『サフィカード』と名付けたよ。屋号サフィニアのサフィだね)
そしてこのサフィカード。新たなブームを巻き起こしそうなのだ。
それは、デフォルメした動物が可愛いポーズをしているサフィカードが女の子の間で人気急上昇中なのだ。
夏希が調子にのって色々な動物やポーズのカードを溢れるほど作ったのが駄目だった。
女の子達は、家の手伝いや近所の草刈り、お年寄りのお買い物代行などでサフィカードをもらい、お菓子を買わずにカード入れのバインダーに集めては、友達同士で「これ可愛い」などと言いながら盛り上がっている。
女の子達が持つバインダーは預金通帳と言ってもいいものになっていた。
(これは喜んでいい事なのか?まあ、大人達は、手伝いを良くするようになったと好印象だからいいのかな。あと、サフィカードにN、R、SR、LRとかにランク分けしてキラカードも作ったらどうなるんだろうな?)
恐ろしいことを考える夏希であった。
夏希達は定期的に狩りを行い、チャージ金額の確保に勤めていた。今日も朝から森の奥に入って魔物を倒し、ホクホク顔で我が家に戻るのであった。時間は夕方に近い。
「ランカさん、ただいま帰りました」
「あら、お帰りなさい」
「おさわりなさーい」
店舗の棚の商品を整理しているランカ。そして少し座が高い椅子に座って店番をしているルルが出迎えてくれた。
(ルルちゃん、その言葉は危険だからね)
夏希は店舗の前で立ち止まり上を見る。そこには分厚く綺麗な木目をした大きな木板に屋号が描いてある。その屋号の文字は、手のひらサイズで不揃いの木片がカラフルに色付けされ、張り付けられたもの。獣人村の子供達全員で作ったものであった。
『サフィニア』
これが新しい屋号。サフィニアは夏を中心にして咲く花の名前。ペチュニアを品種改良したもの。ペニチュアの花言葉が『心の安らぎ』でサフィニアは『咲きたての笑顔』だ。
夏希はこの屋号を見て思う。
(やっと長い名前から解放されたのだ)
新しいお店『サフィニア』は幹部会との話し合いや村人達との意見交換も無事に終わり、4日前にオープンしていたのである。
夏希達は生活魔法のクリーンを掛けてから店内に入る。そこには4人用の丸テーブルが2つ置いてあり、奥側のテーブルに2人が座ってお茶を飲んでいた。
「おお~、夏希ではないか。まあ、ここに座ってゆっくりすればいいじょ」
「あらあら、おじいさん。ここは夏希ちゃんのお店ですよ。ボケちゃったのかしら?」
「そうじゃったな。これは参ったじょ」
「「ほほほほほ」」
この漫才夫婦は幹部会の重鎮。タヌキ族のマイケル爺さんとキツネ族のエリー婆さんだ。2人共に少し腰が曲がって子供のように背が低く、しわくちゃな顔はいつもニコニコしている。(名前と見た目のギャップが凄いのだ)
スズランと真冬は2人が座るテーブルの椅子に座り、夏希は隣のテーブルから椅子を持って来て座る。
「マイケル爺さん、いつも饅頭食べてるけど喉に詰まらせるなよ。こっちの煎餅を食べた方がいいんじゃないか?」
お年寄りが餅を食べて喉を詰まらせる話はよく聞く話だ。夏希は心配していた。
「ワシはこの真っ白でモチモチしたのが好きなのじょ。まるでスズランちゃんの太ももみたいだじょ。どれ、同じかどうか触って確かめる必要があるのだじょ」
「ドスッ」
エリーが手に持つ杖でマイケルの額を突き刺し、鋭い眼光で睨んでいた。
「じょ、冗談だじょ‥‥」
(このスケベ爺は毎回エリー婆さんに額を突かれてるのに懲りないのだ)
スズランはもう慣れたもので、笑いながら少しだけスカートの裾を上げて挑発していた。(お前が挑発するから余計に質が悪い)
「夏希ちゃん、ここはいい場所ね。たくさんの子供達が笑顔で集まってくるの。私達はそれを見ているだけで元気になるわ」
エリーは感謝の目で夏希達を見ていた。そのエリーの顔はとても優しく綺麗であった。
「年頃の娘達もたくさん来るじょ」
「ドスッ」
そのエリーの顔は般若のようだった。
この2人、オープンから毎日夕方に来てはこのテーブルに座ってお茶を飲み、一時間ほどで帰って行く。散歩コースに組み込まれたようだ。(元気になるのはいい事だ)
そして常連は他にも居る。
「夏希お兄さん、お帰りなさい。今日も素敵な写真を撮ってくださいな」
「「私達もー!」」
店に現れたのは3人組の女の子達。うさぎミミのジュリアン10才、猫ミミのカルネ9才、犬ミミのカナリア9才だ。
この3人はお洒落好きと村でも有名なのだ。オープン初日に会員証を作って渡すと、自分が映っている姿を見て歓喜し、毎日違うお洒落な服を着て写真撮影をお願いしに来るのだ。
仕方なく写真1枚を銅貨1枚に設定して販売する事にした夏希。この3人は毎日家の手伝いをして、親から銅貨1枚分にあたる銅色で数字が10の『サフィカード』をもらい握り締め、写真撮影をするのだ。(しっかりと手伝いして1枚だけお願いするのが好ましいな)
そして夏希は声を掛ける。
「コンテ、お客さんだ。頼むぞ」
「はい、任されましたー!!」
ここで登場するのがルルの兄ことコンテ。
女の子大好きの6才児は「我が天職ここにあり!」と叫び、僅か1時間でスマホ、パソコン、プリンタ、ラミネーターの操作方法をマスターした。(その情熱は凄いな)
この3人のように、写真撮影を依頼する人が増えている。愛しい家族や子供の姿を残せるのが嬉しいのだろう。カード入れのバインダーも商品にしたら大当たりだった。
ただ、問題も見え始めた。当初懸念していた貨幣不足だ。
村人達も夏希達も現金をあまり持っていない。その村中の現金が夏希の元に集まり始めている。だから今も子供達に渡すサフィカード分だけ現金で、それ以外は野菜での交換が中心になっている。夏希が村人から野菜を現金で買えばいいのだが、現状でも山ほどあるので違う方法が必要だ。
(そうそう、子供達が使うお金の代わりをするカードを『サフィカード』と名付けたよ。屋号サフィニアのサフィだね)
そしてこのサフィカード。新たなブームを巻き起こしそうなのだ。
それは、デフォルメした動物が可愛いポーズをしているサフィカードが女の子の間で人気急上昇中なのだ。
夏希が調子にのって色々な動物やポーズのカードを溢れるほど作ったのが駄目だった。
女の子達は、家の手伝いや近所の草刈り、お年寄りのお買い物代行などでサフィカードをもらい、お菓子を買わずにカード入れのバインダーに集めては、友達同士で「これ可愛い」などと言いながら盛り上がっている。
女の子達が持つバインダーは預金通帳と言ってもいいものになっていた。
(これは喜んでいい事なのか?まあ、大人達は、手伝いを良くするようになったと好印象だからいいのかな。あと、サフィカードにN、R、SR、LRとかにランク分けしてキラカードも作ったらどうなるんだろうな?)
恐ろしいことを考える夏希であった。
3
お気に入りに追加
2,428
あなたにおすすめの小説

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

流石に異世界でもこのチートはやばくない?
裏おきな
ファンタジー
片桐蓮《かたぎりれん》40歳独身駄目サラリーマンが趣味のリサイクルとレストアの資材集めに解体業者の資材置き場に行ったらまさかの異世界転移してしまった!そこに現れたのが守護神獣になっていた昔飼っていた犬のラクス。
異世界転移で手に入れた無限鍛冶
のチート能力で異世界を生きて行く事になった!
この作品は約1年半前に初めて「なろう」で書いた物を加筆修正して上げていきます。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~
夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。
が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。
それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。
漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。
生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。
タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。
*カクヨム先行公開
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる