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腕試し編ートバルの街ー

128話 夏希は暴れるくん

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 堕天使モドキとの死闘を終えた夏希。

 今は朝。場所は冒険者ギルド前。

(はぁ、やっと平穏な日常が戻ってきた。もう俺は疲れたの。いっぱい頑張ったの。判る?だから癒しを求めに来たの。判る?)

「ニア、待ってろよ!最大級の挨拶をぶちかましてやるからな!わははははは!」

 ここは、冒険者ギルド前。

「おい、またアイツだよ。ほれ、危ないヤツ」

「ああ、アイツか。そうそう、確かアイツに2つ名が付いたよな」

「「危険人物夏希!」」

「「ぶふっ!」」

「あぁ腹が痛てぇ。どうしてくれるんだ危険人物夏希さんよ。まだ朝飯食ってねぇんだぜ」

「ぶふっ!おい、聞こえるだろ」

 夏希は人気者になったようだ。

 夏希は勢いよくギルドの扉を開け中に入りターゲットを探す。隅々まで見たが見つからない。

「ああ、夏希さん。ニアなら休みですよ」

「マジか………」

 夏希は初っぱなからノックダウンだ。

「ボク負けない!もんっ!」

 夏希はギルドを飛び出し走り出す。

「目指すはモフモフ孤児院だ!」

 夏希は走る。たが唐突に止まり見上げる。

[頑固オヤジの定食屋]

「くそっ!これは罠か!ぐぬぬ、オヤジめ…」

 夏希は悩んでいた。

「オヤジ!お前はお預けだっ!」

 夏希は誘惑に勝った。そして走り出す。

「誰も俺の邪魔はさせない!」

「そうだ!モフモフちゃんに賄賂を準備しないと」

 夏希は走りながらネットスキルをいじくりまわす。

「ふふふ、これだけあれば、これだけあれば」

 ちょっと怖いんですが……

 夏希は孤児院に到着し中に入る。

「子供達~、ニア~、夏希お兄ちゃんですよ~」

 夏希はアイテムボックスから、お菓子やオモチャを垂れ流しながら皆を探す。

 夏希を見つけたマリアナが声を掛ける。

「ああ夏希さん、子供達とニアは冒険者さん達と魚釣りに出掛けてますよ」

「マジか……」

 夏希は2度目のダウンである。

「俺はどうすればいいんだ……頑固オヤジで我慢するしかないのか……何かないのか。考えろ!夏希!」

 夏希は大地にうつ伏せのままである。

「モフモフが……「にゃ」が……モフモフにゃが…」

 危ない人である。

「仕方ない。あほ毛エルフ幼女のルンバで我慢するか。あれは偽物幼女だが今回は許してやる」

 夏希はマリアナに垂れ流したお菓子とオモチャを預けてルンバのお店に向かって走り出した。

「ルンバししょー、ルンバちゃーん、夏希が来たよ。何処にいるのかなー」

「バンッ!うるさいでち!なんでちか!」

 奥から妖艶なネグリジェ姿で現れたルンバ。

「違うな」

 夏希は振り返りルンバのお店を後にした。

 その後夏希はギルドの訓練場に赴き、見る冒険者達に無理やり絡んで模擬戦を行い溜まったうっぷんを晴らすのであった。

 そして付いた2つ名が「暴れるくん」であった。

 2つ目だね!



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