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腕試し編ートバルの街ー
108話 模擬戦 夏希 VS スザンヌ(1)
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スザンヌと模擬戦をすることになった夏希。
今は朝、場面はギルドに併設された訓練場。
夏希は刃を潰した剣を構え、スザンヌは刃を潰した槍を構える。その2人の距離は5メートル。
夏希は槍の突きを警戒し剣を中段に、スザンヌは腰を低く落とし突きの姿勢だ。
(あの突きの速度は要注意だな。素早さも力強さもスザンヌさんの方が上だ。どうするかな?)
夏希は体を小刻みに揺らしながら的を絞らせないようにして勢いよく突っ込んでいく。
(まずは正直に真正面から行こう)
スザンヌはそれを見て嬉しそうに夏希と同じように突っ込んできた。先に攻撃したのはスザンヌだ。勢いのまま槍を突き出す。
「ビシュッ!」
鋭い音が鳴る。
「キィン!シュルルル」
夏希は剣の中程から槍を斜めに滑らすように当て、突きの連続を回避する。スザンヌは反らされた反動を利用してそのまま穂先を体の後ろに引き寄せ、余り気味に持っていた反対側の石突きで夏希の顔面を襲う。
「うぉっ、危なっ!」
夏希の頬にみみず腫れの線が出来ている。
夏希はその攻撃を紙一重で躱し、すかさずスザンヌに剣で斬りかかる。だがそれも引き戻した槍で防がれるのであった。そこで夏希は一旦距離を取った。
「ふふ、最初の攻撃がバカ正直に真正面からとはね。
私を喜ばせるのが上手いねぇ、夏希は。ご褒美をあげようかね」
スザンヌは妖艶な表情で舌舐めずりをする。
(うっ…めちゃくちゃ色っぽいでございます)
「それじゃあ、ご褒美に逝かせてあげるよ!」
(うわっ、ここで定番かよっ!)
そこからの夏希は悲惨なものだった…
いや、いい勝負したんだよ。ホントに。でもね、しつこいの。スザンヌ。善戦すればするほど喜ぶの。アイツ。永遠に攻撃してくるの。あの筋肉女。
「なかなか面白かったぞ。素早さも力強さも私が上だが夏希はそれでも互角に戦えてる。Aランクの私とだぞ。その強さは誇っていいものだ。まぁ、もう少し剣技を鍛える必要があるな。ははは、頑張れよ」
(ぐぬぬぬ、その勝ち誇った顔を歪めてやりたい…)
「スザンヌさん、休憩した後でもう一勝負しませんか? 今度は魔法ありで」
スザンヌは夏希の言葉を聞くと静かに目を瞑った。そしてなにかを噛み締めような仕草をしてゆっくりと目を開ける。それはまるで新しいオモチャ見つけた子供の様に嬉しそうな顔をしていた。
「お前は最高だな!私をどうしたいんだ?もう抱かれてもいいぞ。勿論、勝負した後だがな」
スザンヌは大興奮だった。
「いぇ、私は筋肉はあまり好きではな……」
「はぁ?」
「あ、あの……… ボクは筋肉大好きですっ!」
「ぶふっ!」
後ろでビエラが吹いていた。
「ふふ、冗談だ。それで夏希の魔法はなんだ?」
「水魔法だな。他の魔法は使えない。ああ、生活魔法使えるぞ。種火でその筋肉温めてやろうか?」
「ドスッ!」
「ぐはっ!」
夏希の脇腹にスザンヌの蹴りが入る。
「すみませんでした……」
「私は風魔法のみだ。それじゃあ、休憩後にやるからな。期待を裏切るなよ」
スザンヌは受付横にある小さな休憩場に行った。
(あの蹴りは痛かったな。よし、俺も休憩するかな)
夏希もスザンヌが向かった休憩場に向かった。と思ったら目の前に立ちはだかる人がいる。
そこには刃を潰した長手のナイフを両手に構えたビエラさんが居た。それもやる気マンマンで。
「……………」
「……………」
俺はスザンヌさんが居る休憩場に向けて歩き始めた。邪魔な障害物を無視して。
「……………」
通り過ぎた後、ちょっとだけ気になって振り向く。
ビエラさんはまだ戦闘態勢のままだ。
そのビエラさんと目が合った。
「………………だめ?」
戦闘態勢のまま小首をちょこんと傾ける。
「ギャップ萌え可愛いやんけ!」
少しだけ相手をした夏希であった。
今は朝、場面はギルドに併設された訓練場。
夏希は刃を潰した剣を構え、スザンヌは刃を潰した槍を構える。その2人の距離は5メートル。
夏希は槍の突きを警戒し剣を中段に、スザンヌは腰を低く落とし突きの姿勢だ。
(あの突きの速度は要注意だな。素早さも力強さもスザンヌさんの方が上だ。どうするかな?)
夏希は体を小刻みに揺らしながら的を絞らせないようにして勢いよく突っ込んでいく。
(まずは正直に真正面から行こう)
スザンヌはそれを見て嬉しそうに夏希と同じように突っ込んできた。先に攻撃したのはスザンヌだ。勢いのまま槍を突き出す。
「ビシュッ!」
鋭い音が鳴る。
「キィン!シュルルル」
夏希は剣の中程から槍を斜めに滑らすように当て、突きの連続を回避する。スザンヌは反らされた反動を利用してそのまま穂先を体の後ろに引き寄せ、余り気味に持っていた反対側の石突きで夏希の顔面を襲う。
「うぉっ、危なっ!」
夏希の頬にみみず腫れの線が出来ている。
夏希はその攻撃を紙一重で躱し、すかさずスザンヌに剣で斬りかかる。だがそれも引き戻した槍で防がれるのであった。そこで夏希は一旦距離を取った。
「ふふ、最初の攻撃がバカ正直に真正面からとはね。
私を喜ばせるのが上手いねぇ、夏希は。ご褒美をあげようかね」
スザンヌは妖艶な表情で舌舐めずりをする。
(うっ…めちゃくちゃ色っぽいでございます)
「それじゃあ、ご褒美に逝かせてあげるよ!」
(うわっ、ここで定番かよっ!)
そこからの夏希は悲惨なものだった…
いや、いい勝負したんだよ。ホントに。でもね、しつこいの。スザンヌ。善戦すればするほど喜ぶの。アイツ。永遠に攻撃してくるの。あの筋肉女。
「なかなか面白かったぞ。素早さも力強さも私が上だが夏希はそれでも互角に戦えてる。Aランクの私とだぞ。その強さは誇っていいものだ。まぁ、もう少し剣技を鍛える必要があるな。ははは、頑張れよ」
(ぐぬぬぬ、その勝ち誇った顔を歪めてやりたい…)
「スザンヌさん、休憩した後でもう一勝負しませんか? 今度は魔法ありで」
スザンヌは夏希の言葉を聞くと静かに目を瞑った。そしてなにかを噛み締めような仕草をしてゆっくりと目を開ける。それはまるで新しいオモチャ見つけた子供の様に嬉しそうな顔をしていた。
「お前は最高だな!私をどうしたいんだ?もう抱かれてもいいぞ。勿論、勝負した後だがな」
スザンヌは大興奮だった。
「いぇ、私は筋肉はあまり好きではな……」
「はぁ?」
「あ、あの……… ボクは筋肉大好きですっ!」
「ぶふっ!」
後ろでビエラが吹いていた。
「ふふ、冗談だ。それで夏希の魔法はなんだ?」
「水魔法だな。他の魔法は使えない。ああ、生活魔法使えるぞ。種火でその筋肉温めてやろうか?」
「ドスッ!」
「ぐはっ!」
夏希の脇腹にスザンヌの蹴りが入る。
「すみませんでした……」
「私は風魔法のみだ。それじゃあ、休憩後にやるからな。期待を裏切るなよ」
スザンヌは受付横にある小さな休憩場に行った。
(あの蹴りは痛かったな。よし、俺も休憩するかな)
夏希もスザンヌが向かった休憩場に向かった。と思ったら目の前に立ちはだかる人がいる。
そこには刃を潰した長手のナイフを両手に構えたビエラさんが居た。それもやる気マンマンで。
「……………」
「……………」
俺はスザンヌさんが居る休憩場に向けて歩き始めた。邪魔な障害物を無視して。
「……………」
通り過ぎた後、ちょっとだけ気になって振り向く。
ビエラさんはまだ戦闘態勢のままだ。
そのビエラさんと目が合った。
「………………だめ?」
戦闘態勢のまま小首をちょこんと傾ける。
「ギャップ萌え可愛いやんけ!」
少しだけ相手をした夏希であった。
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