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獣人村編

19話 夏希の死闘(2)

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 辛くも初戦を勝利した夏希。
 再びレベルを上げる為、次なる敵を探す。

 オーガとの戦闘を終えた夏希はその後、3体のオーガ・集団で現れたマッドウルフ6頭・2体のトロールを倒した。

 自身のレベルは19まで上がっていた。今は戦闘後の休憩だ。

「はぁはぁ、レベルはあともう少しだ。だが、今飲んだ分でポーションは無くなった。マッドウルフの群れはヤバかった」

 強さで言えばトロールが突起して強敵だが、数の暴力には手を焼いた。トロールは動きが鈍いので、時間は掛かったしまったが何とか倒せた。

 時計を見ると9時である。森は暗闇から日の光を浴びた明るい世界に変わっている。

 そう、森に入ってもう15時間程経過している。(夜の9時ならよかったのに…)

 一晩中戦っており、キズはポーションで治っているが精神的な面は限界に近い…

「トロールとの戦闘の長さが不味かったな。足が遅いから逃げてもよかったんだ…」

 森の奥は縄張りの関係か魔物との遭遇率が低かった。そのせいでトロールとも戦うことにしたのだ。(経験値も高そうだったし…)

「ここから、村まで戻るのに3時間は掛かるな。昼過ぎ位までには何とかしたいな」

 休憩を終え装備品の確認をする。革鎧はもうボロボロになっている。剣を見ると歯こぼれが激しい…僅かだが歪みもある。

「この剣はもう駄目だな…予備は無いぞ。他の武器も持ってきてない。どうする?」

 しばらく悩んでいた夏希はふと思った。

「ん?…… な、なんで、私は剣で戦ってるんだ?特訓はしてるけど戦闘メインは水魔法だよな……」

 夏希はその場で四つん這いになって項垂れたのであった。(うゎ、リアルで「orz」やるなんて思ってなかった…)

 約10分ほど放心状態に陥ったが何とか立ち直った。(夏希は負けないもん!)

 それから魔物を探すこと20分。目の前には巨大な蛇が居る。胴体は直径2メートル程あり、長さは20メートルはあるのではなかろうか。もう森の中はめちゃくちゃになっている。多分にコイツがここら辺りの縄張りの頭だな。コイツが居たから魔物が少なかったんだろう。

 その大蛇が鎌首をもたげて私を見下ろしている。(まるでビルだな、こいつは)

 夏希は後ろに飛び下がった。そして右手を高々と上げた。

「死にさらせや!このデカブツが!」

 クリ○ンも真っ青のキエ○斬の雨嵐だ!!!

 大蛇は成すべくもなく輪切りされ、事切れたのであった。

「久々だったけど私もビックリな威力だな!」

 ステータスを確認するとレベルが22まで上がっていた。(凄い強敵だったのね…)

「よし!あとはネットのレベルが上がってることを祈るばかりだ。天使様、お願いします!間違っても使用限度金額アップじゃ無いですからね!MAXですよ!ま・っ・く・す!。」

「あっ、振りでも無いですからね!」

 ドキドキしながらネットを確認する。

「お、レベル上がってる。やったぞ!あとは何が変わってるかだな」

 頼むぞ~、天使。もし違ってたら毎日嫌がらせメールするからな!

「やった、MAX上がってる!しかも500円になってる!天使カルレスよ、お前やけくそになってないか?」

 これだったら確実に薬買えるぞ!

 夏希は疲れを忘れて村に向けて走り出した。

「待ってろよ。アンナちゃん!白馬の王子様の登場だ!」
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