悪魔王様に気に入られた私は、人生をやり直して、復讐に没頭しています。

夢兎

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悪魔は嗤い、一人の女は決意した

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「あぁ……」

燃え盛る街を見て、女は静かに嘆いた。
瞳から零れ落ちる雫も。
唇から紡がれる嘆きの叫びも。

もう、これで、、だろうか。

「だめ、だめよ!そんな、あぁ…」

私の宝が、消えてゆく。
なんとか逃げ出した小さな宝石さえも、忌々しい剣によって、切り裂かれた。
血がにじむほど唇を噛んで。
喉が嗄れるほど叫んで。
ようやく、馬鹿な私の頭は気づいた。

「あはは!ざまぁないわね、皇后サマ?どう?アンタが育てた民が死んでいくのは。」

ぐい、と持ち上げられる頬。
目を逸らしはしない。
これは、私が犯した罪だ。
これは、私が下した過ちだ。
ソレを見届けないのはいけない。
ソレから目を逸らしてはいけない。

「!!…………」
「あ"ぁぁぁぁ!!!!!このっ!くそ女!私の指を!!」

指を、かみちぎった。
人間の可能性とは無限だ。
やろうと思えば人間を噛み千切ることもできてしまうのだろう。



血を飲み込んで。
肉を剥いで。
骨を吐き出す。
唇を一舐めして肥えた人間の肉は美味しいのね、と笑う。
もはや、どちらが魔女なのかわからない。

私は悪魔のように笑って、女は悪魔のように私の不幸を弄んだ。
いい、もう。
次で終わりだ。

「いいこと?よく覚えておきなさい、マリア。次、貴方と会う時には、ぜぇんぶ、壊して差し上げるわ。あぁ、でも、命は取らないわ。殺してしまってはもの」

狂った皇后。
狂ってしまったのは、からだろうか。
笑う。嗤う。哂う。わらう。
もう、いい。
なにも捨てずに、勝つなんてこと、私には無理だったのだ。
だから。

「貴方に、捧げるわ。悪魔救世主さま。」
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