先生と私〜家庭教師✕生徒〜

真愛つむり

文字の大きさ
上 下
36 / 41

カレンダー

しおりを挟む
私の通う中学校には、少し変わった伝統がある。

他校が学園祭でミスターやミスを選ぶように、ウチでは各クラスから代表者1名を選出する。普通と違うのは、選ばれた12名全員が、学校オリジナルカレンダーの写真になる点だ。

ひとりひと月担当し、各月に合った衣装に着替えて撮影される。クラスごとに衣装はもちろん小道具など、どんな写真にするか1から考えて準備する。

学園祭と並行して行われるこの行事は、生徒たちにも地域住民にも根強い人気を誇っている。

我がクラスの代表は誰かというと……

「やっぱりさ、藤江くんじゃない?」

ひとりの女生徒が言い出した。

「イケメンだし、運動できるし、頭も良いでしょ」

「たしかに、クラス代表に相応しいよね」

みなが同調する中、本人が意外な声を上げた。

「僕は岡野くんがいいと思うな」

突然名前を出された私は驚いて藤江くんを凝視した。

「僕はこのクラスに来たばかりで馴染みが薄いし、クラスの代表を名乗るのはプレッシャー感じちゃうかな。それよりも、最初からのメンバーで顔も可愛い岡野くんが適任だと思う」

彼の発言に周りもうんうん言い始める。

「岡野くん、どう? やれそ?」

「え、いや私なんて」

「岡野ならやれるさ! その辺のアイドルにも負けない顔してるし」

そうだ、そうだよと盛り上がるクラスメイトたち。トドメの一言は藤江くんだった。

「岡野くんがどうしても嫌なら僕が頑張るけど、どうかな。もちろん、もしやってくれるなら全力でサポートするよ」

先程彼が言ったように、来たばかりの彼に重荷を背負わせるのはよろしくない。というより、彼だけでなくみんなにとっても重責なのだ。誰かが背負わなくてはならないなら、私が背負えばいい。

それに「何事も経験だ」と、よく父が言っている。あわよくば先生も褒めてくれるかも。

「わかった、やるよ」

私が承諾すると、一気にクラスが湧いた。


テーマ「カレンダー」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

処理中です...