歪な国と白銀の双子

相崎 ゆの

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朝日が昇ると2人はベッドから起き上がる。
きちんと寝れていたかは分からないが頭ははっきりしている。
「おはよう、ルラン」
「おはよう、リリム」
挨拶もそこそこに届いている朝食を食べる。
今日はクロアッサン1つと野菜スープに魚の塩焼きの様だ。
少しずつ情勢が落ち着いてきたのだろうか。
そんな事を考えながら黙々と2人は完食した。
少し休憩を挟み呼び鈴を鳴らす。

しばらくするとドアをノックする音がした。
「アルレイン・イーサー只今参りました。」
かなり緊張した声だ。
昨日の今日だ、無理もないだろう。
2人は仮面をつけ、部屋に招き入れた。
「入りなさい」
「はっ…はい!失礼します」
扉から冷や汗をかいた彼が姿を現した。
「そこの椅子に腰掛けて頂戴?」
「はい!」
ギクシャクしながらも指定された椅子に座る。
自分達はベッドの上に腰を下ろす。

ルランは足を組み彼に命令した。
「アルレイン・イーサー。今日から正式に直属護衛騎士に任命する」
「…え?は、はい!?あ、あの何か処罰とかではないのですか?」
「ええ、まぁ罰が欲しいなら何かあげましょうか?」
悪戯っぽく笑いながらリリムは彼に問うた。
「い、いえその罰が欲しい訳ではその…」
「冗談よ」
「あ、はい…」
「それに…ある意味罰みたいなものよ」
仮面をつけている為実際の所は分からないがさっきとは打って変わって2人の王は哀しそうな雰囲気をしていた。
「で、意義はないよな?」
威圧的にルランが彼に問う。
「は、はい!誠心誠意を込めてお使いさせて頂きます!」
「そうと決まれば行きましょう」
リリムが立ち上がると続けてルランも立ち上がる。
アルレインはどうしたらと困惑していたら
ルランが彼を急かした。
「何ぽけっとしてるんだ。行くぞ、着いてこい。」
ガタっと立ち上がり2人に着いていく。


「あ…の~。どちらに?」
「後で話すわ。それより普段の話し方にしていいわよ?」
「えっと?何を…」
「お前素はもっと砕けた感じだろ?僕たちが許可しているんだから何も問題はない」
2人はアルレインの方へ顔を向け、話す事を待っていた。
「っ~~…っさ、流石にいきなりは難しいので、少しずつ変えてく感じでもよろしい…
いいですか?」
恐る恐る2人の顔を見る。
「まあ、そうね」
「そうゆう事にしといてやる」
2人は再び前を向いて歩き始める。
ほっと息を吐きアルレインも歩き出す。


アルレインが普段行く道とは違い、初めて通る道。
まだこんな場所があったのかと驚きながらも似たような景色が続いており、1人では戻れないなぁと思っていた頃に少し開けた場所に着いた。
「ここは…外?中庭がこんな所にあるとは知らなかったです」
建物に囲われた場所で少し緑が広がっており中央には1本の木。
空は今日は晴れている様だ。
「此処は偽物だよ」
「偽物とは?」
「一番分かりやすいのはあの木かしら」
指刺したのはやはり有一生えている木の事だった。
「見てきていいわよ。」
促されるままに木に近づき観察する。
するとよくよく見ると造形である事がわかる。
「こんなに似ているのに造形物なんてすごいですね」
「地面もみろよ?」
ハッと言われ下に生えている草花をみるとどれも造りもの。更には土まで。
「たまに季節の変わり目に木や周りも変えるんだぜ?」
「どうしてこの様な場所を?」
不思議に思い聞いてしまった。
「私たちが外に行かない様に。危ない物も排除した結果ね。ほんと箱庭って感じよね…」
リリムは自身の服を強く手で握って俯きながら答えた。
「まあ、空が本物ってだけましかもしれないけどな」
ルランは空に顔を向け天に手を伸ばしていた。
2人は孤独なのかもしれないとアルレインは悟った。
「私にこの場所を見せたのには理由があるんでしょう?」
アルレインは双子に問いかけた。
「流石分かってるな」
2人も木の近くまで来た。
静寂が少し流れた後、リリムが口を開いた。

「助けて欲しい」
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