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プロローグ

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「ねぇ、あの子でしょ……」

「た、たぶん……怖いね、人の心を読めるなんて」


 雑音、雑音、雑音。
 話し声か、心の声か、イヤホンを通り越して私を指さす声が聞こえる。

 私立あやかし学園に入学してから1週間、私はある意味学園の有名人になっていた。

 ほんと最悪だ。
 あんなことさえなければ私は今度こそ平穏な日々を送れるはずだったのに……。


ーーーーーー

 ここは私立あやかし学園。

 ここには、妖怪の末裔や、普通の人間が学生という身分で通っている。
 
 これは、そんな学園にいる女子生徒、小鳥遊 奏(たかなし かなで)の物語。
 彼女は、心を読める妖怪、覚の末裔なのである。
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