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二
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「爵位関係なく、既存の全貴族の婚約は、全て解消する」
フリージアの婚約が白紙撤回されたと噂されてすぐ、王命が出された。
明日に結婚を控えていた貴族も、その触れにより式を取り止めにされた。
多くの貴族らは戸惑った。
何を突然と、こぞって当主らが登城した。
王に説明を求めるためだった。
ーーー
「今まで公爵位以上の令嬢には無理を敷いてきたのだ」
王は集った貴族当主を広間に集め、壇上より語った。
昔、突然の魔物の大量発生で危機に陥った際、国を救ってくれたのが伯爵家の者だった。
荒れた国を立て直す為、英雄に差し出せる報酬も当時はなく、代わりに優遇措置として、本来国に収めるべき税金を免除され、財産の潤沢な上位貴族家の令嬢を、王命にて伯爵家に嫁がせてきた。
そのせいで、英雄と言われた伯爵家は堕落した。
領地も持たぬ、商売もせぬ、資金を集める術も能力もなくなった伯爵家は、何代も嫁いできた妻の実家からの援助だけで存続していた。
それが、フリージアの婚約者だったロマンセの一族の実態だ。
「しかし、もう上位貴族から令嬢を差し出させる生贄のようなことは止めにしようと思う。
それを決めたのは、まだ若い貴族学園に通う子女たちの声だ」
王は面会を求められたフリージアから奏上された。
「公爵令嬢フリージアの婚約は止めるべきだと、多くの令嬢からの声を受けた」
フリージアが王に提出したのは、彼女の元に送りつけられた大量の手紙。
若い貴族たちは、フリージアとロマンセの婚姻を認めるべきではないと、そういった内容が多くあった。
「いつまでも、過去に縛られる事もない。伯爵家の義理は、これまでの長い年月で十分果たしたと、王家としても認める」
高らかに宣言した王の言葉に、皆顔を見合わせた。
「それに伴い、一度全貴族の婚約を王命にて解除する。
王命で婚約を敷いた公爵家令嬢フリージアの婚約を一番に取り決めた後、各家の婚約を結び直してほしい」
国内随一の資産を持つ公爵家の令嬢が、伴侶に選ぶ相手によって国内の情勢が大きく変わるかもしれない。
それまで婚約を決めていた相手と派閥が変わってしまう可能性も、利害得失も考えられる為、国王は既存の婚約を強制的に白紙にさせたのだった。
フリージアは、どの家と繋がるか。
今回、王命で婚約が白紙になったことで、フリージアの瑕疵とはならない。
高位貴族で年頃の子息を持つ当主は、婚約が撤回された事を機と捉え、王家の覚えも良い公爵家に釣書を送る算段をつけ始める。
ギラギラと獲物を狙う当主、ただひたすら平穏を望むの当主、貴族らの反応は様々であった。
フリージアの婚約が白紙撤回されたと噂されてすぐ、王命が出された。
明日に結婚を控えていた貴族も、その触れにより式を取り止めにされた。
多くの貴族らは戸惑った。
何を突然と、こぞって当主らが登城した。
王に説明を求めるためだった。
ーーー
「今まで公爵位以上の令嬢には無理を敷いてきたのだ」
王は集った貴族当主を広間に集め、壇上より語った。
昔、突然の魔物の大量発生で危機に陥った際、国を救ってくれたのが伯爵家の者だった。
荒れた国を立て直す為、英雄に差し出せる報酬も当時はなく、代わりに優遇措置として、本来国に収めるべき税金を免除され、財産の潤沢な上位貴族家の令嬢を、王命にて伯爵家に嫁がせてきた。
そのせいで、英雄と言われた伯爵家は堕落した。
領地も持たぬ、商売もせぬ、資金を集める術も能力もなくなった伯爵家は、何代も嫁いできた妻の実家からの援助だけで存続していた。
それが、フリージアの婚約者だったロマンセの一族の実態だ。
「しかし、もう上位貴族から令嬢を差し出させる生贄のようなことは止めにしようと思う。
それを決めたのは、まだ若い貴族学園に通う子女たちの声だ」
王は面会を求められたフリージアから奏上された。
「公爵令嬢フリージアの婚約は止めるべきだと、多くの令嬢からの声を受けた」
フリージアが王に提出したのは、彼女の元に送りつけられた大量の手紙。
若い貴族たちは、フリージアとロマンセの婚姻を認めるべきではないと、そういった内容が多くあった。
「いつまでも、過去に縛られる事もない。伯爵家の義理は、これまでの長い年月で十分果たしたと、王家としても認める」
高らかに宣言した王の言葉に、皆顔を見合わせた。
「それに伴い、一度全貴族の婚約を王命にて解除する。
王命で婚約を敷いた公爵家令嬢フリージアの婚約を一番に取り決めた後、各家の婚約を結び直してほしい」
国内随一の資産を持つ公爵家の令嬢が、伴侶に選ぶ相手によって国内の情勢が大きく変わるかもしれない。
それまで婚約を決めていた相手と派閥が変わってしまう可能性も、利害得失も考えられる為、国王は既存の婚約を強制的に白紙にさせたのだった。
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今回、王命で婚約が白紙になったことで、フリージアの瑕疵とはならない。
高位貴族で年頃の子息を持つ当主は、婚約が撤回された事を機と捉え、王家の覚えも良い公爵家に釣書を送る算段をつけ始める。
ギラギラと獲物を狙う当主、ただひたすら平穏を望むの当主、貴族らの反応は様々であった。
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