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十
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「あの男は本当にしつこいな…」
ウィンダラスは隣国から送られてくる妻宛の封書の送り主を確認して、乱暴に封を破る。
毎回書かれている内容は同じ物。
「『戻ってきてほしい。今の君ならきっと上手くやれる』ね。追放しておいて自分勝手な奴だ」
最も、他国の王の妻を口説くなんて開戦でも望んでいるのかと疑う。
「…滅ぼしますか?」
側近の言葉に、頷き掛けて、止めた。
「一応、シルの祖国だからね。今は、止めとくよ」
「まだ理性が働いていたのですね。よかったです」
主を試す側近を一睨みして、手紙を別の封筒に入れる。
「あんたんとこのアホ息子をどうにかしないと、関税引き上げるよ?って一筆添えて国王宛に送り返しておいて」
「御意」
ウィンダラスは窓から外を見下ろした。
愛しの妻と、隣国の災害を解決した流れ聖女が楽しげにお茶をしていた。
「…この当たり前の日常を守り続けなければ」
階下に下りて行きたい気持ちを抑え、ウィンダラスは執務に戻っていった。
ウィンダラスは隣国から送られてくる妻宛の封書の送り主を確認して、乱暴に封を破る。
毎回書かれている内容は同じ物。
「『戻ってきてほしい。今の君ならきっと上手くやれる』ね。追放しておいて自分勝手な奴だ」
最も、他国の王の妻を口説くなんて開戦でも望んでいるのかと疑う。
「…滅ぼしますか?」
側近の言葉に、頷き掛けて、止めた。
「一応、シルの祖国だからね。今は、止めとくよ」
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「…この当たり前の日常を守り続けなければ」
階下に下りて行きたい気持ちを抑え、ウィンダラスは執務に戻っていった。
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