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二
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「申し訳ありません。私には無理でした」
「そんな事は端からわかっている!!」
怯え涙を流す聖女補佐を、王太子は横目で見るだけで助けることはしなかった。
この事態を招いたのは、王太子であり、聖女補佐自身。
時間を巻き戻せるなら、殿下の言葉を強く拒否する。
今更、どうすることもできないけれど。
「王家の影が聖女の痕跡を追った。どうやら隣国で暮らしているらしい」
「隣国…」
「聖女の力を発揮して噂になり、すぐに王城に囲い込まれたようだ…」
他国の王族に囲い込まれたら、連れ戻すも簡単ではない。
「そ、それでも我が国の聖女なのですから、帰国を命じれば…」
恐る恐る王太子は国王に進言する。
きっと睨みつけられ、王太子は口を噤む。
「貴様が王族として聖女に国外追放を命じただろう!!わざわざ国境まで行って国から追い出したりするから、隣国の国境兵がそれを見ている!!今更、恥を晒して撤回出来るわけがないだろう!!他国にお前の頭の軽さを馬鹿にされるだけだ!!」
怒号に合わせて外の雷鳴が響く。
窓を打つ雨の音に、王太子の気持ちも降下していくばかりだった。
「…貴様が出向け」
一頻り怒鳴りつけた国王は王太子に命じた。
「直接出向き、聖女に謝罪し力を貸してもらうように頼め」
王太子は顔を上げた。
「謝罪…」
「空っぽの頭なのだから下げることも容易いだろう?」
これば国王命令だ。
王太子は屈辱に震えつつ、小さく「…はい」と答えると、ようやく国王から解放された。
「そんな事は端からわかっている!!」
怯え涙を流す聖女補佐を、王太子は横目で見るだけで助けることはしなかった。
この事態を招いたのは、王太子であり、聖女補佐自身。
時間を巻き戻せるなら、殿下の言葉を強く拒否する。
今更、どうすることもできないけれど。
「王家の影が聖女の痕跡を追った。どうやら隣国で暮らしているらしい」
「隣国…」
「聖女の力を発揮して噂になり、すぐに王城に囲い込まれたようだ…」
他国の王族に囲い込まれたら、連れ戻すも簡単ではない。
「そ、それでも我が国の聖女なのですから、帰国を命じれば…」
恐る恐る王太子は国王に進言する。
きっと睨みつけられ、王太子は口を噤む。
「貴様が王族として聖女に国外追放を命じただろう!!わざわざ国境まで行って国から追い出したりするから、隣国の国境兵がそれを見ている!!今更、恥を晒して撤回出来るわけがないだろう!!他国にお前の頭の軽さを馬鹿にされるだけだ!!」
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「謝罪…」
「空っぽの頭なのだから下げることも容易いだろう?」
これば国王命令だ。
王太子は屈辱に震えつつ、小さく「…はい」と答えると、ようやく国王から解放された。
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