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四
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「「はっ…」」
王太子と聖女、いや女装男の声が重なった。
「なんでなんでなんで!!ずっと昔から、恋人だったのにっ!なんでそんな男とっヤッて」
「…君と恋人だったことなんてない。好きだったのは幼少期だけ。一度だって好きだなんて言われてないし。
今は嫌がらせが酷すぎて嫌悪しかないよ」
「…っ!」
「もう脅しには屈しない。だってもう君とはこれでサヨナラだから」
「いやだ!絶対にわかれな」
女装男が手を伸ばしたが、聖女に届く前に名残も無くぱっと消えた。
「元の世界に送った」
「…ありがとう」
聖女様が騎士団長に礼を言う。
団長が女装男を消した…?
彼はそんな力、持っていなかった、…。
団長と女…聖女様の雰囲気を見れば、昨夜のうちに良い仲になってしまったのだろうと理解はした。
しかし、
「騎士団長が聖女様と、交わり、を…?」
認めたくない。
ようやく成功した召喚なのに、欲しかったものはもう他者の手に渡ったなど。
「殿下。夜分に騎士団詰め所に下着のような格好の女を連れていけばどうなるかなんてわかってやったのではないですか?」
騎士団長は厳しい目で王太子を睨む。
王宮騎士とはいえ、ピンからキリまで様々な人間がいる。
団長の目が届かなければ、聖女は酷い事になっていたかもしれない。
「怖い思いをしました。聖女の純潔で得る力が騎士候補生に渡っていた可能性もありました。まぁ…彼に助けられて事なきを得ましたが…」
「聖女、様」
「残念でした。念願だった召喚魔法でしたか?見抜く力があれば、手に入っていたかもしれませんが」
昨日までいた怯え他人の背に隠れる女はない。
団長の胸に頭を預けて、優しく微笑む彼女はもう手に入らない聖女なのだから。
王太子と聖女、いや女装男の声が重なった。
「なんでなんでなんで!!ずっと昔から、恋人だったのにっ!なんでそんな男とっヤッて」
「…君と恋人だったことなんてない。好きだったのは幼少期だけ。一度だって好きだなんて言われてないし。
今は嫌がらせが酷すぎて嫌悪しかないよ」
「…っ!」
「もう脅しには屈しない。だってもう君とはこれでサヨナラだから」
「いやだ!絶対にわかれな」
女装男が手を伸ばしたが、聖女に届く前に名残も無くぱっと消えた。
「元の世界に送った」
「…ありがとう」
聖女様が騎士団長に礼を言う。
団長が女装男を消した…?
彼はそんな力、持っていなかった、…。
団長と女…聖女様の雰囲気を見れば、昨夜のうちに良い仲になってしまったのだろうと理解はした。
しかし、
「騎士団長が聖女様と、交わり、を…?」
認めたくない。
ようやく成功した召喚なのに、欲しかったものはもう他者の手に渡ったなど。
「殿下。夜分に騎士団詰め所に下着のような格好の女を連れていけばどうなるかなんてわかってやったのではないですか?」
騎士団長は厳しい目で王太子を睨む。
王宮騎士とはいえ、ピンからキリまで様々な人間がいる。
団長の目が届かなければ、聖女は酷い事になっていたかもしれない。
「怖い思いをしました。聖女の純潔で得る力が騎士候補生に渡っていた可能性もありました。まぁ…彼に助けられて事なきを得ましたが…」
「聖女、様」
「残念でした。念願だった召喚魔法でしたか?見抜く力があれば、手に入っていたかもしれませんが」
昨日までいた怯え他人の背に隠れる女はない。
団長の胸に頭を預けて、優しく微笑む彼女はもう手に入らない聖女なのだから。
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