無口なあの娘はとてもお喋り

王太子リーヴェンスの婚約者の侯爵令嬢は、人形令嬢と周囲からの呼ばれている。

ニコリとも笑わず、怒らず、一言も言葉を発しない。

リーヴェンスは、婚約者として引き合わされた日から、一度も彼女の声を聞いたことがない。

見目が良くても、一切口の聞かぬ彼女を不気味に思っていた。

だから、父である国王陛下に何度も婚約解消を申し出た。

どうせなら、まだ人形令嬢の義妹の方が良い。

多少頭は緩くとも、品格が欠如していても、義姉より見劣りしようとも、会話が成り立つ相手が良い。

侯爵家の娘を妃にしろというのならば、せめてその程度の希望を求めても良いはずだろうと思っての事だった。

24h.ポイント 177pt
1,515
小説 7,622 位 / 195,729件 恋愛 3,790 位 / 58,134件

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

婚約解消したら後悔しました

せいめ
恋愛
 別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者と婚約解消した。  婚約解消したことで、ずっと後悔し続ける令息の話。  ご都合主義です。ゆるい設定です。  誤字脱字お許しください。  

私の知らぬ間に

豆狸
恋愛
私は激しい勢いで学園の壁に叩きつけられた。 背中が痛い。 私は死ぬのかしら。死んだら彼に会えるのかしら。

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

婚約者に捨てられたので殺される前に言葉も交わしたことのない人と逃げることにしました。

四折 柊
恋愛
 家のために王太子の婚約者として生きてきた日々。ところがその婚約者に捨てられて家族には死を受け入れろと毒を渡される。そんな私にここから逃げようと手を差し伸べてくれたのは言葉も交わしたことのない人でした。 ※「婚約者に捨てられて死を待つ令嬢を連れて逃げた男の話」の対になる女性目線のお話です。こちらを読んで頂ければより分かりやすいと思います。

幼馴染がそんなに良いなら、婚約解消いたしましょうか?

ルイス
恋愛
「アーチェ、君は明るいのは良いんだけれど、お淑やかさが足りないと思うんだ。貴族令嬢であれば、もっと気品を持ってだね。例えば、ニーナのような……」 「はあ……なるほどね」 伯爵令嬢のアーチェと伯爵令息のウォーレスは幼馴染であり婚約関係でもあった。 彼らにはもう一人、ニーナという幼馴染が居た。 アーチェはウォーレスが性格面でニーナと比べ過ぎることに辟易し、婚約解消を申し出る。 ウォーレスも納得し、婚約解消は無事に成立したはずだったが……。 ウォーレスはニーナのことを大切にしながらも、アーチェのことも忘れられないと言って来る始末だった……。

もう尽くして耐えるのは辞めます!!

月居 結深
恋愛
 国のために決められた婚約者。私は彼のことが好きだったけど、彼が恋したのは第二皇女殿下。振り向いて欲しくて努力したけど、無駄だったみたい。  婚約者に蔑ろにされて、それを令嬢達に蔑まれて。もう耐えられない。私は我慢してきた。国のため、身を粉にしてきた。  こんなにも報われないのなら、自由になってもいいでしょう?  小説家になろうの方でも公開しています。 2024/08/27  なろうと合わせるために、ちょこちょこいじりました。大筋は変わっていません。

あなたへの想いを終わりにします

四折 柊
恋愛
 シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)