花嫁は忘れたい

基本二度寝

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十四 仮面の男

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息子の字で書かれた契約書を見た相手方も憤り、レイアの好きにして良いと言質をとった旦那様は、俺に「娘を頼むよ」と手をしっかりと握りしめられた。

相手方には、婚約者に蔑ろにされ傷ついたレイアを慰めていた健気な従者だと説明された。

旦那様、そんな事実ないのですけど。

当然勝手な発言はできず、相手方の主人は申し訳なさそうに、夫人は「まぁ身分違いの恋ね」と頬を染めていた。

誤解されたまま勝手に外堀が埋まってしまった。
しかも、本人たち意思など関係なく。


穏やかに馬車は目的地に向かって進む。


色恋に発展するかどうかはわからないけれど、向こうでレイアとの生活が始まる。
定期的に、レイアの実家に連絡を入れて現状報告をあげるだけで後は自由にして良いらしい。

レイアの自由にしてやってほしいとの事だった。

彼女が望めば他の国に移っても良い。
彼女が他の男を求めればとりなして…

それはなんか、モヤっとする。

とりあえずは、彼女に意識してもらうことから始めよう。


どのように絡めとろうか。

道中、一人作戦をいろいろ立ててみたものの、目覚めたレイアに無自覚な誘惑されて先に落ちたのは自身の方だった。

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