花嫁は忘れたい

基本二度寝

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「お嬢様はお戻りではありません。旦那様と奥様もです。…いなくなられたのですか?っすぐに治安局に通報を…!!」

レイアの実家に行った男は、今にも飛び出しそうな家令をを慌てて留めた。

「きっと入れ違いになっただけだ」

家令の声にレイアの屋敷の召使達が奥から不安そうに顔を覗かせる。
青白い顔色の数々にここには戻っていないのだと悟った。

事を大事にしたくはない。
大丈夫だ、と言い残してレイアの実家を後にした。


居ないだろうと思いつつ、男の実家に行ってみれば、出来上がった父がレイアの父と肩を組んで酒を飲みかわしていた。
母達も楽しそうに談笑している。

和気あいあいとしたこの四人に、レイアは何処かなど聞けるわけもない。

「おー?花婿殿ぉどぉしたぁー大事な花嫁を置いてけぼりにしてないだろうなぁーははは」

「そんなことは、してません」

「そうかそうか!後は子か。楽しみだなぁ」

曖昧に笑って彼らから離れた。

家の者に来客はレイラの両親だけだと聞かされた。


どこに行ったのか。

早足で屋敷を離れていく姿を、両親たちは冷めた目で窓から見ていたことなど、その時は気づいていなかった。
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