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ただいまーと 帰ると執事が居ました。
しおりを挟む急ぎ足で 帰り道を歩く
しばらくすると 広い外壁が見えてきた。
自分の家の外壁だ 所々 近所の悪戯っ子のラクガキがあるが
まぁ 無駄に広い壁があったら ラクガキぐらいしたくなるよな と 許してるのだ
鉄製の高い門を自分で開けて 中に入る
石畳を歩いて玄関へ向かう
綺麗に調えられた芝生 を 見ながら歩いていると 目の前に中心に壷を持った水の女神らしき女性立つ噴水が見えてきた。
数年前 ヒョコッと1度帰ってきた父が
【おかえりー!碧海ちゃん!
見てみて!カッコいいでしょう!
海の女神様の噴水なんだって パパ一目惚れしちゃって買っちゃった~!】
と 笑顔で言われた
確かに綺麗だが 別に必要と感じないし 何より 手入れがめんどくさい お手伝いさん達 申し訳ないです。
そんな噴水を見ながら 玄関を開けた。
『ただいまー(って言っても誰も返事してくれないけど)』
『お帰りなさいませ 碧海様』
『うん……………うん?』
聞き覚えのない声に バッ!!と 声の方を見た。
シャキッと真っ直ぐ伸ばした背筋 首筋までの真っ黒なストレートの黒髪に焦げ茶色の切れ長の目 真顔で何を考えてるのか分からない 執事服を着た青年が立っていた。
その顔をジーッと見る 碧海
この切れ長の目の感じ…誠さんにそっくり
って事は
『…扇子 司?』
おそるおそる と 言った感じで名前を聞く
『はい
本日より 碧海様の専属執事を務めさせていただきます 扇子 司でございます
どうぞ よろしくお願いいたします』
綺麗なお辞儀をする 司
『そうか…こちらこそよろしく
えーと…司 屋敷の間取りは 大丈夫か?』
父様がやたらと入り組んだ建て方をしてるから と 聞く
コの字型の屋敷 碧海が学校から帰るとカラオケルームが出来てたーなんてことがある程に模様替え…と言うかリフォームを何回もしていたのだ
『はい 碧海様がお出かけされてる間に部屋の位置などを見て周り すべて記憶しました』
『ぜ、全部の部屋?』
『はい』
俺 未だに迷子になる時あるのに こいつ すげー…
『そ、そうか!なら 良かった あ、他の使用人さん達との挨拶は?』
『いえ まだ済ませておりません』
『なら 一緒に行こう 多分 食堂に凛さんが居るはずだから』
一階の食堂
調理室を覗くと 凛が居た。
少し焦げ茶色の髪両側でお団子で結び 白と黒の定番のメイド服で洗い物をしていた
『凛さん 少しいいですか?』
そう声をかけると キュッ と 水を止めて振り返る
『構いませんよ 坊ちゃん なんの御用でしょうか』
あまり表情を変えずに 言ってきた
なんか 無表情な使用人率が高いような…気がする。
『えーと 俺の専属執事 の 扇子 司』
『本日より 碧海様の専属執事を務めさせていただきます
よろしくお願いいたします』
今度は少しだけ頭を下げて 挨拶をした。
『私は 凛 坊ちゃんのお食事面でのお世話をさせて貰ってます
こちらこそ よろしく
坊ちゃん 本日のお夕食ですが リクエスト等はございますか?』
『え…えーと 和食が食べたいです』
『分かりました』
そう言って また 作業に戻って言った
『あ!凛さん ほかの人達今 何処にいるか分かりますか?』
凛なら他の人達が何処に居るのか 知ってるかも と 思って聞いた。
すると ピタッ と 冷蔵庫を開けようとしていた手が止まり
ギリッと音を立ててる 冷蔵庫の取っ手を持つ手に力がこもり 取っ手が ミシミシッ と 音を立てた。
『り、凛さん?』
ソーッと控えめに声をかける
『…坊ちゃん あんな奴らの事など気にしなくていいです』
先程より低い声で囁くように答えた。
『へ?』
『どうしても 気になるなら 三階の使用人室に行ってみてください
司 坊ちゃんを頼みましたよ』
冷蔵庫から鶏肉を出してから
ズバンッ!!!と冷蔵庫が揺れる程の勢いで閉めた
『わ、分かりました』
冷蔵庫 壊れ無いといいな
食堂から出ると
『司 三階に行こう』
『はい』
少し緊張した顔の 碧海
『…あんなに 感情出した 凛さん初めて見たかもしれない』
なんで あんなに怒ってたんだろ…でも 俺が普段他の使用人さんと会うことがないことと関係があるのかもしれない
それを知るいい機会だ
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