色が導く世界

Curo

文字の大きさ
上 下
4 / 28

3話 なんとか継承できました!

しおりを挟む
俺は、継承式とやらのやり方を聞いて、半分ほど理解した。

細かい事は後回しにして、とりあえずは流れだけを覚える事にした。

大体の流れは、

1、司祭様が色々喋る

2、クロードが、真ん中の台に何かを置く。

3、俺が、真ん中の台に何かを置く。

4、司祭様が色々喋る。

5、終わり


大体がこんな感じらしい。


俺は、クロードを見て言った。
「大丈夫です。始めましょう」

クロードは、軽くうなずいた。

そして継承式が始まった。

司祭様が何かしらを喋り始めた。
「xxxxxxxxxxx」

正直何を言っているのかが理解できないが、なんか宗教的な言葉だろう。
5分ほど喋った時、やっとステップ2に進んだ。

「クロード・リストーンよ、汝の魂をここに」
「はっ!」
クロードは真ん中の台に丸い玉を乗せた。
玉はうっすらと紫色に光っていた。

「ハル・リストーンよ、汝の魂をここに」
「はい!」
魂ってあの玉だよな?

「早く来い」
クロードが小声で言う。

俺は、服を色々まさぐりながら石の台に近づく。

「汝の魂をここに」
「えっと・・・玉ですよね」
ポケットなどを探したが、そもそもポケットなど無い。

現在認識出来ている玉って言ったら、俺の股間にぶら下がっている2つの宝玉位だろう。

確かに魂って言えば男の魂だが・・・これって取れるのか?

実際に、俺の現在置かれてる状況自体が非常識な事だし、この世界ではきっと取れるのかもしれない!

俺は、胸を張り自分のズボンの中に手を突っ込んだ。

その瞬間!
ガシッ!

俺の腕を素早く、クロードが掴んだ。

「貴様、何をしようとしてるんだ?」
クロードの額に血管が浮かんでいる。

「お・・・俺の魂を・・・取り出そうかと・・・」

クロードは、歯を食いしばり、額に血管を浮かべて今にも爆発しそうな状態だった。
「ち・・・違うんですか?俺、玉って言ったらこれしか・・・」

「き・・・貴様・・・」
「ひ・・ひぃ・・・」

俺は完全に間違っていたらしい。

「ハルよ、手のひらを出しなさい」
司祭様が優しい声で言ってきた。

「は・・・はい」
俺は、言われるがまま手の平を差し出した。

「手の平の中心に意識を集中してみなさい」

「は・・はい」

俺は、手の平に意識を集中した。
すると、手の平は薄っすらと虹色に光り始めた。

「おおぉ・・・これは・・・かつてこの世界を救った英雄ラムウェンと同じ魂色・・・」
司祭様とクロードが俺の手の平を食い入るように見ていた。


その瞬間

カッ!

虹色の光が部屋全体を覆い、一瞬で手の平に吸い込まれるように小さくなった。

そして、俺の手の平には、虹色の玉が・・・あれ?

真っ黒い玉だった。
表面はツルツルで七色に光ってるが、真っ黒だった。

「なにこれ?」
素直な俺の感想だった。

「ハルよ汝の魂をここへ」
司祭様は、何事も無かったかのように、継承式を進めようとした。

「ちょっと、さっきの英雄なんたらとかの話は?同じ魂色とか言ってたじゃん」
司祭様はそっと目を閉じて言った。

「忘れなさい。さぁ、汝の魂をここへ!」
俺は、納得できないままクロードの玉の横のくぼみに黒い玉を置いた。

すると、クロードの玉から出ていた紫の光が俺の黒い玉に吸い込まれていった。

だんだんと紫色に光っていたクロードの玉の光が消えてきた。

そして、完全に消えた。

「これにて継承を完了する」
司祭様がそう言うと、クロードは自分の玉を手に取り
「私の今まで歩んで来た人生と経験をお前に託した」
光を完全に失った白い玉は、クロードの手の中に溶けるように消えていった。

俺も、自分の黒い玉を手に取った。
すると、同じように手の中に溶けるように消えていった。

すると、俺の脳内に様々な情報が入ってきた。

クロードの幼い頃から現在にいたるまでの記憶だった。

そこには、ハルと呼ばれる俺の姿もあった。

そして、体が急に軽くなり腰に差してあった剣を抜いて軽くふってみた。

シュ・・・シュシュシュ

何もない空間に白い線が浮かび上がった。

周りも、その剣技を見てうなずいたり、拍手をしてくれた。

そして剣を鞘に納めた。

なんか、クロードの経験とやらが俺に引き継がれたみたいだった。
継承式というのは親から子へ力を渡すような儀式だった事だったらしい。

「無事に終わったのね。おめでとうハル」
ターナが俺を抱きしめてきた。
柔らかいボディに花のようないい香りがした。

「あ~転生って幸せかも・・・」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します

カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。 そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。 それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。 これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。 更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。 ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。 しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い…… これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

処理中です...