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2話 転生受け入れました!
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銀髪の女性に連れられて、階段を下り薄暗い通路を抜けた先に大きい扉があった。
まさにファンタジーな世界!
と思いつつ扉の前に立ちどまった。
「準備は良いですか?」
そういって銀髪の女性は、扉に手をかけ開けた。
扉の向こうに見えたのは薄暗い石畳の広い部屋に松明がいくつか灯されていて
部屋の真ん中らへんに石でできたような台があった。
その場所に3人の人影が見えた。
銀髪の女性の後を着いていくと、3人の中の一人が声をかけてきた。
「待っていたぞ、何をしていたんだ!」
そう口にしたのは、黒い髪にうっすらと白髪が混じった50代位の男性だった。
「サーシャ!お前が居ながら何をしてたんだ!」
「大変申し訳ございません旦那様・・・」
銀髪の女性が、申し訳なさそうに頭を下げた。
ここで、一つの謎が解けた!
この女性の名前はサーシャと言う事だ!
「まぁまぁ、クロード」
と男性の隣にいた金髪の美しい女性がなだめていた。
パっと見、30代~40代の間だろう。
「折角、こんなおめでたい日にそんなにガミガミしなくてもよろしいじゃないですか」
「ったく、ターナは、ハルに甘いな」
男性は、少し納得がいかないっといった表情を見せていた。
ここでまた一つ、金髪の女性の名前はターナで、その夫らしき人はクロード、ハルってのが多分俺の名前だと認識できた。
「そろそろ始めてもよろしいですか?」
さっきまでニコニコと俺たちのやり取りを見ていた、白髪で立派な髭を生やした60過ぎの、RPGで出てきそうな教会の人みたいな恰好をした人が口を開いた。
「司教さま、大変失礼しました」
クロードが頭をポリポリと書きながら頭を下げた。
「さて始めるか」
クロードが俺を見る。
俺は何が始まるのかが理解できないため、目をパチクリさせながら
「え?あ?はい?何をですか?」
と、つい口に出してしまった。
俺の問に誰も答えず空気が一瞬凍ったのが分かった。
そして、最初に口を開いたのがクロードだった。
「な・・・何を馬鹿なことを」
少し慌てた感じでクロードが苦笑いをした。
周りもつられるように苦笑いをした。
もちろん俺も。
「はは・・・」
と笑うしかなかった。
そして、クロードの顔が真顔になり俺の肩をガッと掴んだ。
「おい!一体どうしたんだ!」
クロードが少し乱暴に俺の肩を揺らす。
そこに、サーシャが割って入ってきた。
「旦那様、おやめください」
「サーシャお前は黙ってなさい」
クロードがサーシャを振り払った。
俺はこの場を治めるために、とってつけたような嘘をついた。
「待ってください!俺は、今朝ベットから落っこちて頭を打ったようで、記憶が曖昧なんです」
これで信じる人などいないと思いながらも精一杯考えられるだけの事を口に出した。
「あぁ・・・」
ターナがその場に座り込んでしまった。
そこにサーシャが駆け寄り、抱きかかえる。
「奥様、気を確かに」
クロードは、頭を抱えていた。
「なんて事だ・・・」
司教様は、少し心配そうにしてこちらを見ながら
「日を改めますか?」
とクロードに聞いた。
「ダメだ!今日じゃないと意味がないんだ!先祖代々我がリストーン家は、この日に継承をしてきたんだ!
どんな理由があろうと絶対に決行するぞ!」
少し興奮した様子でクロードは俺を睨みながら言った。
「ハァ・・・ハァ・・・さぁ、始めようじゃないか!」
この状況は、世に言うBL的な状況に見えなくもないなぁと思いながらも。
クロードの顔を見た。
目が血走って、歯をギリギリと食いしばり、俺の肩をつかんでる手にもギュッと力が入っていた。
肩がメチャメチャ痛い!
ここで、断ったら殺されると思い、俺は覚悟を決めた。
「は・・・はい!やりましょう!」
クロードはニッコリと笑い
肩をつかんでいた手を放し、横に広げながら
「さぁ、継承式を始めよう!」
と、声高らかに言った。
俺は、一つ気づいた。
肩がメチャメチャ痛い!
って事は夢じゃなく・・・どっか変な場所に転生した?
だって、そうとしか考えられない。
そして、昨日まで布団で寝てた俺は、死んだ・・・
そう考えると不思議と自分の置かれている状況を冷静に分析できそうな気がした。
気のせいかもしれないけど・・・
まさにファンタジーな世界!
と思いつつ扉の前に立ちどまった。
「準備は良いですか?」
そういって銀髪の女性は、扉に手をかけ開けた。
扉の向こうに見えたのは薄暗い石畳の広い部屋に松明がいくつか灯されていて
部屋の真ん中らへんに石でできたような台があった。
その場所に3人の人影が見えた。
銀髪の女性の後を着いていくと、3人の中の一人が声をかけてきた。
「待っていたぞ、何をしていたんだ!」
そう口にしたのは、黒い髪にうっすらと白髪が混じった50代位の男性だった。
「サーシャ!お前が居ながら何をしてたんだ!」
「大変申し訳ございません旦那様・・・」
銀髪の女性が、申し訳なさそうに頭を下げた。
ここで、一つの謎が解けた!
この女性の名前はサーシャと言う事だ!
「まぁまぁ、クロード」
と男性の隣にいた金髪の美しい女性がなだめていた。
パっと見、30代~40代の間だろう。
「折角、こんなおめでたい日にそんなにガミガミしなくてもよろしいじゃないですか」
「ったく、ターナは、ハルに甘いな」
男性は、少し納得がいかないっといった表情を見せていた。
ここでまた一つ、金髪の女性の名前はターナで、その夫らしき人はクロード、ハルってのが多分俺の名前だと認識できた。
「そろそろ始めてもよろしいですか?」
さっきまでニコニコと俺たちのやり取りを見ていた、白髪で立派な髭を生やした60過ぎの、RPGで出てきそうな教会の人みたいな恰好をした人が口を開いた。
「司教さま、大変失礼しました」
クロードが頭をポリポリと書きながら頭を下げた。
「さて始めるか」
クロードが俺を見る。
俺は何が始まるのかが理解できないため、目をパチクリさせながら
「え?あ?はい?何をですか?」
と、つい口に出してしまった。
俺の問に誰も答えず空気が一瞬凍ったのが分かった。
そして、最初に口を開いたのがクロードだった。
「な・・・何を馬鹿なことを」
少し慌てた感じでクロードが苦笑いをした。
周りもつられるように苦笑いをした。
もちろん俺も。
「はは・・・」
と笑うしかなかった。
そして、クロードの顔が真顔になり俺の肩をガッと掴んだ。
「おい!一体どうしたんだ!」
クロードが少し乱暴に俺の肩を揺らす。
そこに、サーシャが割って入ってきた。
「旦那様、おやめください」
「サーシャお前は黙ってなさい」
クロードがサーシャを振り払った。
俺はこの場を治めるために、とってつけたような嘘をついた。
「待ってください!俺は、今朝ベットから落っこちて頭を打ったようで、記憶が曖昧なんです」
これで信じる人などいないと思いながらも精一杯考えられるだけの事を口に出した。
「あぁ・・・」
ターナがその場に座り込んでしまった。
そこにサーシャが駆け寄り、抱きかかえる。
「奥様、気を確かに」
クロードは、頭を抱えていた。
「なんて事だ・・・」
司教様は、少し心配そうにしてこちらを見ながら
「日を改めますか?」
とクロードに聞いた。
「ダメだ!今日じゃないと意味がないんだ!先祖代々我がリストーン家は、この日に継承をしてきたんだ!
どんな理由があろうと絶対に決行するぞ!」
少し興奮した様子でクロードは俺を睨みながら言った。
「ハァ・・・ハァ・・・さぁ、始めようじゃないか!」
この状況は、世に言うBL的な状況に見えなくもないなぁと思いながらも。
クロードの顔を見た。
目が血走って、歯をギリギリと食いしばり、俺の肩をつかんでる手にもギュッと力が入っていた。
肩がメチャメチャ痛い!
ここで、断ったら殺されると思い、俺は覚悟を決めた。
「は・・・はい!やりましょう!」
クロードはニッコリと笑い
肩をつかんでいた手を放し、横に広げながら
「さぁ、継承式を始めよう!」
と、声高らかに言った。
俺は、一つ気づいた。
肩がメチャメチャ痛い!
って事は夢じゃなく・・・どっか変な場所に転生した?
だって、そうとしか考えられない。
そして、昨日まで布団で寝てた俺は、死んだ・・・
そう考えると不思議と自分の置かれている状況を冷静に分析できそうな気がした。
気のせいかもしれないけど・・・
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