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24.5話 シーラ・クラフト ①
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「う~ん、むにゃむにゃ」
大量の本の上気持ちよさそうに少女が寝ている。
部屋には8つの本棚。
棚と棚の間の通路には大量に散らばった本があり、部屋の奥には小さな机。
机の隣に大量につまれた本の上に少女が寝ていた。
ドーン!
お昼を知らせる空砲が鳴り響く。
ドーン!ドーン!
ハッっとした様少女が飛び起きる。
「ふあぁ・・・」
大きなあくびをして、
「んぅぅぅ!」
っと体を伸ばし少女は立ち上がった。
「また寝ちゃってたのか」
早く研究に戻らなきゃ。
少女は、床に散らばった本と本の間をヒョイヒョイとまたぎながら部屋を進んでいく。
私の名前はシーラ・クラフト、王都にある魔導研究施設の古代文献解読室の班長をしている。
今回、私の受け持っている文献はこの世界で最初に魔法を作った人物が書いたとされる最古の魔法書で、今まで沢山の研究者が挑戦してきてそれでも、全てを解読するには至っていない文献である。
私の様な若い研究者に、こんな文献が回ってくるのが奇跡に等しい事で、最近はこの文献について寝る間も惜しんで解読している。
ただこの文献を預かって既に半月が立っており、このまま何の成果も出さないとあと半月で他の研究者の手に渡ってしまうのだ。
現在、何一つ解読出来ていない、解読とは知識と一瞬の閃きが大事だと私は思う。
今までも何もない所から急にポンっと解読の鍵が出て来る事が多かった。
期限は半年、頑張らなきゃ!
「ふぅ・・・ちょっと飲み物でも取りに行こう」
シーラは、部屋を出た。
部屋を出ると、そこには十数名の研究者が忙しそうに行ったり来たりを繰り返していた。
「みなさん、おはようございます」
シーラが元気に挨拶をする。
研究員達が一斉にシーラを見た。
「班長!おはようございます」
「班長、この前頼まれていた魂玉の文献解読終わりました!」
「シーラ班長!英雄の文献解読終わりました!確認お願いします!」
2人の研究者は数百枚の紙をシーラに差し出した。
シーラはそれを受け取り
「後で確認しておきます、2人は他の文献に取り掛かってください」
「わかりました!」
「了解しました!」
そう言って2人は、ガラスケースの中に入った本を眺め始めた。
シーラは、渡された書類を近くの机に置いて椅子に座った。
「ふぅ・・・」
「どうしたんですか?」
シーラは声のした方に目をやった。
「アンさんですか」
「ため息なんてついてどうしちゃったんですか?」
シーラの目の前にホットミルクがおかれた。
「はい、アン特製ホットミルクです」
「ありがとうございます」
シーラは目の前に置かれたホットミルクを手に取り口に運んだ。
ズズ・・・
「はぁ~、美味しい」
「で、何か悩み事ですか?」
アンはニコニコしながら身を乗り出してシーラに迫った。
「今抱えている文献が全く解読出来なくて、研究期間があと半年で終わっちゃうんですよ・・・はぁ・・・」
シーラは両手でホットミルクを持ったまま深いため息をついた。
「少し頑張り過ぎじゃないですか?たまには息抜きとかしないとダメですよ?」
「わかってるんですけど、解読と息抜きが同時に出来たら良いのですけど」
「じゃあ、シーラ班長に一つ良い情報あげます」
アンはニヤニヤしていた。
「聞きたいですか?」
「どんな話ですか?」
「聞きたいんですね?」
「もう!焦らさないで教えてください!」
シーラは、頬を膨らました。
それを見たアンは、少し満足そうにしていた。
「わかりました!教えましょう!ではお耳を拝借」
2人の顔がぐっと近づいた。
アンが小声で話しだす。
「実は、シーラ班長が今担当している文献なんですか、出所が分かったんですよ」
「えっ!?本当ですか?」
アンは小さくうなずく。
「王都から出ている船で港町ウェイプ行ってそこから西に進んでいくとリストーン家があるんですが、そこが文献の出所らしいです」
「リストーン家・・・その話が本当なら何か手がかりがあるかも知れないですね」
「どうですか?良いお話しですよね?」
「うん、アンさんありがとう、早速行ってみます」
シーラは机の上にあった書類をバックに入れてホットミルクを口に流し込み立ち上がった。
「アンさんご馳走様!ちょっと行ってきます」
アンは手をヒラヒラと振った。
「お土産よろしくお願いしますね」
「はい!行ってきます!」
シーラはバックを肩にかけた。
「みなさん少し出かけてきます、数日の間よろしくお願いします」
シーラは頭を下げて研究所を後にした。
やった!やった!
もしこの話が本当なら、大きな一歩だ!
大量の本の上気持ちよさそうに少女が寝ている。
部屋には8つの本棚。
棚と棚の間の通路には大量に散らばった本があり、部屋の奥には小さな机。
机の隣に大量につまれた本の上に少女が寝ていた。
ドーン!
お昼を知らせる空砲が鳴り響く。
ドーン!ドーン!
ハッっとした様少女が飛び起きる。
「ふあぁ・・・」
大きなあくびをして、
「んぅぅぅ!」
っと体を伸ばし少女は立ち上がった。
「また寝ちゃってたのか」
早く研究に戻らなきゃ。
少女は、床に散らばった本と本の間をヒョイヒョイとまたぎながら部屋を進んでいく。
私の名前はシーラ・クラフト、王都にある魔導研究施設の古代文献解読室の班長をしている。
今回、私の受け持っている文献はこの世界で最初に魔法を作った人物が書いたとされる最古の魔法書で、今まで沢山の研究者が挑戦してきてそれでも、全てを解読するには至っていない文献である。
私の様な若い研究者に、こんな文献が回ってくるのが奇跡に等しい事で、最近はこの文献について寝る間も惜しんで解読している。
ただこの文献を預かって既に半月が立っており、このまま何の成果も出さないとあと半月で他の研究者の手に渡ってしまうのだ。
現在、何一つ解読出来ていない、解読とは知識と一瞬の閃きが大事だと私は思う。
今までも何もない所から急にポンっと解読の鍵が出て来る事が多かった。
期限は半年、頑張らなきゃ!
「ふぅ・・・ちょっと飲み物でも取りに行こう」
シーラは、部屋を出た。
部屋を出ると、そこには十数名の研究者が忙しそうに行ったり来たりを繰り返していた。
「みなさん、おはようございます」
シーラが元気に挨拶をする。
研究員達が一斉にシーラを見た。
「班長!おはようございます」
「班長、この前頼まれていた魂玉の文献解読終わりました!」
「シーラ班長!英雄の文献解読終わりました!確認お願いします!」
2人の研究者は数百枚の紙をシーラに差し出した。
シーラはそれを受け取り
「後で確認しておきます、2人は他の文献に取り掛かってください」
「わかりました!」
「了解しました!」
そう言って2人は、ガラスケースの中に入った本を眺め始めた。
シーラは、渡された書類を近くの机に置いて椅子に座った。
「ふぅ・・・」
「どうしたんですか?」
シーラは声のした方に目をやった。
「アンさんですか」
「ため息なんてついてどうしちゃったんですか?」
シーラの目の前にホットミルクがおかれた。
「はい、アン特製ホットミルクです」
「ありがとうございます」
シーラは目の前に置かれたホットミルクを手に取り口に運んだ。
ズズ・・・
「はぁ~、美味しい」
「で、何か悩み事ですか?」
アンはニコニコしながら身を乗り出してシーラに迫った。
「今抱えている文献が全く解読出来なくて、研究期間があと半年で終わっちゃうんですよ・・・はぁ・・・」
シーラは両手でホットミルクを持ったまま深いため息をついた。
「少し頑張り過ぎじゃないですか?たまには息抜きとかしないとダメですよ?」
「わかってるんですけど、解読と息抜きが同時に出来たら良いのですけど」
「じゃあ、シーラ班長に一つ良い情報あげます」
アンはニヤニヤしていた。
「聞きたいですか?」
「どんな話ですか?」
「聞きたいんですね?」
「もう!焦らさないで教えてください!」
シーラは、頬を膨らました。
それを見たアンは、少し満足そうにしていた。
「わかりました!教えましょう!ではお耳を拝借」
2人の顔がぐっと近づいた。
アンが小声で話しだす。
「実は、シーラ班長が今担当している文献なんですか、出所が分かったんですよ」
「えっ!?本当ですか?」
アンは小さくうなずく。
「王都から出ている船で港町ウェイプ行ってそこから西に進んでいくとリストーン家があるんですが、そこが文献の出所らしいです」
「リストーン家・・・その話が本当なら何か手がかりがあるかも知れないですね」
「どうですか?良いお話しですよね?」
「うん、アンさんありがとう、早速行ってみます」
シーラは机の上にあった書類をバックに入れてホットミルクを口に流し込み立ち上がった。
「アンさんご馳走様!ちょっと行ってきます」
アンは手をヒラヒラと振った。
「お土産よろしくお願いしますね」
「はい!行ってきます!」
シーラはバックを肩にかけた。
「みなさん少し出かけてきます、数日の間よろしくお願いします」
シーラは頭を下げて研究所を後にした。
やった!やった!
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