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12月24日(6)
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部屋に入ると見たこともないくらい広い部屋だった。明るく照らされた部屋は清潔感が溢れていて、広々としたベッドは真っ白い布団が触らなくてもふかふかしてそうな雰囲気をしているし、壁にかけられているテレビは家のテレビとは比べられないくらい大きい。ソファもテーブルも高級感ある素材でできている。
良い部屋を借りてくれたとは聞いていたが、想像以上の部屋でびっくりして扉の前で足が止まってしまっていた。
涼ちゃんはカバンをソファにぽいと投げて、私に振り向くと「こっちおいで?凪沙」と私を呼んだ。
会議室で2人きりになった時、私は“涼ちゃんに恋に落ちた“と言った。
涼ちゃんにアメリカに行って欲しくなくて、つい口から出てしまった言葉だ。告白はしようと思っていたけど、あれは告白に入るのかは疑問だ。
はっきりと“好き“と言えていないし、告白の返事をもらうという気持ちもなかった。
でも、涼ちゃんには私の気持ちは伝わったと思う。
こうやってまた2人きりの時間を作ってくれた。
ということは、告白の返事がもらえるという事?
わざわざホテルの部屋まで来て、フラれるとかちょっと、いやかなり落ち込むかもしれない。というか、今日じゃなくても良いのに……別の日にまた改めてとかの方がちょっとは傷も浅くすむかもしれないのに……
フラれた場合はその後、涼ちゃんを恋に落とすことはもうがんばれないのだろうか。
そもそもお互いを恋に落とすのをやめようって言われてしまったから、フラれたらお終いの可能性が高い。
「凪沙?」
「……え?」
私が色々と考え込んでしまって気づいたら涼ちゃんが目の前に来て私の顔を覗き込んでいた。
「こっち来て」
涼ちゃんが私の手を握って全面ガラス張りの窓へ歩いていく。
「すごくない?夜景が綺麗だよ!こんなホテルなかなか泊まれないよ。ここのホテルプールもついてるんだよ。夏だったら泳ぎ放題なのかな?」
嬉しそうに夜景を眺めて笑う涼ちゃんは、会議室で最初に見た時とは比べ物にならないくら上機嫌だった。
いつの間にか日が沈んで、明るく光る街並みはとても綺麗だった。
「綺麗だね。街も夜空もすごく綺麗」
「…………」
繋がれている手が少し強く握られて、すぐにゆっくりと緩められ指の間に涼ちゃんの指が入れられた。
隣を見上げると目が合った。
「あ、あのね。凪沙……」
「うん」
すごく緊張しているように見える涼ちゃんは顔を赤くしている。
胸に手を置いてスーハースーハーと深呼吸を繰り返し、パッと目を開けた涼ちゃんの瞳は私を捉えた。
「私も凪沙に恋に落ちました。だから、私と付き合ってください」
「…………え?」
私は予想外で何も言葉が出てこなかった。涼ちゃんから告白されるなんて思ってもいなかったから。
「え?って何?え?ダメなの!?」
「いや……ビックリして……」
私は空いている手で口元を押さえた。
「全然ビックリする所ないよ?そんなに予想外だった?手を繋いでるのに?さっきだって抱きしめたでしょ?凪沙って鈍感?あ、天然か……天然タラシだったね」
「ちょっと涼ちゃん!」
告白されてすぐに攻められるってどういう状況なのこれ?私鈍感?天然?そんなに!?
「ねぇ。凪沙……返事は?」
また急に私を覗き込むようにして黒い瞳が近づいてくる。
「………好き」
口からポロッと出た瞬間、近づいていた涼ちゃんの瞳が大きく開かれて顔が真っ赤に染まった。多分、私も真っ赤だ。顔が熱い。
「わ、私も好きです……」
急に敬語になって、赤くなった顔を隠すように私の肩に顔を埋めて抱きついてきた。
スーハースーハーと首元に移動して深呼吸を繰り返している涼ちゃんの息がくすぐったい。
「凪沙の匂い好き」
「匂い嗅いでるの!?」
涼ちゃんの右手が私の頭に伸びて、優しく撫でてくる。
「凪沙の柔らかい髪も好き」
「くすぐったいよ」
涼ちゃんが顔を上げて私と目を合わせてくる。
「凪沙の茶色い瞳がすごく好き」
「涼ちゃ…………ん」
唇が塞がれる。
啄むように何回も優しく、味わうように唇を食んでくる。
涼ちゃんとするキスは優しくて私に気持ちを伝えてくれるように何度も繰り返した。
ゆっくりと離れた時、涼ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
「凪沙の瞳を見てると惹き込まれるんだよね」
「普通の目だよ」
「それでもなんか違うんだよ」
またギュッと抱きしめられて、私も涼ちゃんの匂い好きだし、涼ちゃんに頭撫でられるの好きだし、涼ちゃんの黒い瞳も好きだから人のこと言えないな。
私も涼ちゃんの背中に手を回して力を込めた。
「ねぇ。ほんとにダメ?」
「ダメだよ。ちさきちゃんと亜紀ちゃんが待ってるんだよ?」
涼ちゃんが私の手を握って不満そうな顔をする。
「何もしないからいいでしょ?」
「人を待たせてるんだから、ダメだよ」
「携帯で帰っていいよって連絡すればいいじゃん」
「わざわざここまで来てくれた人にそんな適当なことするの?涼ちゃんは」
「じゃあ、ロビーまで行って高坂と東雲に挨拶して、凪沙だけ残ればいいよね?」
「私制服で着替えもないし、急に泊まりになったらお母さん達心配するからやっぱりダメ」
エレベータのボタンを私は押した。
涼ちゃんが会議室で見た時と同じくらい不機嫌な顔になった。
良い部屋を借りてくれたとは聞いていたが、想像以上の部屋でびっくりして扉の前で足が止まってしまっていた。
涼ちゃんはカバンをソファにぽいと投げて、私に振り向くと「こっちおいで?凪沙」と私を呼んだ。
会議室で2人きりになった時、私は“涼ちゃんに恋に落ちた“と言った。
涼ちゃんにアメリカに行って欲しくなくて、つい口から出てしまった言葉だ。告白はしようと思っていたけど、あれは告白に入るのかは疑問だ。
はっきりと“好き“と言えていないし、告白の返事をもらうという気持ちもなかった。
でも、涼ちゃんには私の気持ちは伝わったと思う。
こうやってまた2人きりの時間を作ってくれた。
ということは、告白の返事がもらえるという事?
わざわざホテルの部屋まで来て、フラれるとかちょっと、いやかなり落ち込むかもしれない。というか、今日じゃなくても良いのに……別の日にまた改めてとかの方がちょっとは傷も浅くすむかもしれないのに……
フラれた場合はその後、涼ちゃんを恋に落とすことはもうがんばれないのだろうか。
そもそもお互いを恋に落とすのをやめようって言われてしまったから、フラれたらお終いの可能性が高い。
「凪沙?」
「……え?」
私が色々と考え込んでしまって気づいたら涼ちゃんが目の前に来て私の顔を覗き込んでいた。
「こっち来て」
涼ちゃんが私の手を握って全面ガラス張りの窓へ歩いていく。
「すごくない?夜景が綺麗だよ!こんなホテルなかなか泊まれないよ。ここのホテルプールもついてるんだよ。夏だったら泳ぎ放題なのかな?」
嬉しそうに夜景を眺めて笑う涼ちゃんは、会議室で最初に見た時とは比べ物にならないくら上機嫌だった。
いつの間にか日が沈んで、明るく光る街並みはとても綺麗だった。
「綺麗だね。街も夜空もすごく綺麗」
「…………」
繋がれている手が少し強く握られて、すぐにゆっくりと緩められ指の間に涼ちゃんの指が入れられた。
隣を見上げると目が合った。
「あ、あのね。凪沙……」
「うん」
すごく緊張しているように見える涼ちゃんは顔を赤くしている。
胸に手を置いてスーハースーハーと深呼吸を繰り返し、パッと目を開けた涼ちゃんの瞳は私を捉えた。
「私も凪沙に恋に落ちました。だから、私と付き合ってください」
「…………え?」
私は予想外で何も言葉が出てこなかった。涼ちゃんから告白されるなんて思ってもいなかったから。
「え?って何?え?ダメなの!?」
「いや……ビックリして……」
私は空いている手で口元を押さえた。
「全然ビックリする所ないよ?そんなに予想外だった?手を繋いでるのに?さっきだって抱きしめたでしょ?凪沙って鈍感?あ、天然か……天然タラシだったね」
「ちょっと涼ちゃん!」
告白されてすぐに攻められるってどういう状況なのこれ?私鈍感?天然?そんなに!?
「ねぇ。凪沙……返事は?」
また急に私を覗き込むようにして黒い瞳が近づいてくる。
「………好き」
口からポロッと出た瞬間、近づいていた涼ちゃんの瞳が大きく開かれて顔が真っ赤に染まった。多分、私も真っ赤だ。顔が熱い。
「わ、私も好きです……」
急に敬語になって、赤くなった顔を隠すように私の肩に顔を埋めて抱きついてきた。
スーハースーハーと首元に移動して深呼吸を繰り返している涼ちゃんの息がくすぐったい。
「凪沙の匂い好き」
「匂い嗅いでるの!?」
涼ちゃんの右手が私の頭に伸びて、優しく撫でてくる。
「凪沙の柔らかい髪も好き」
「くすぐったいよ」
涼ちゃんが顔を上げて私と目を合わせてくる。
「凪沙の茶色い瞳がすごく好き」
「涼ちゃ…………ん」
唇が塞がれる。
啄むように何回も優しく、味わうように唇を食んでくる。
涼ちゃんとするキスは優しくて私に気持ちを伝えてくれるように何度も繰り返した。
ゆっくりと離れた時、涼ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
「凪沙の瞳を見てると惹き込まれるんだよね」
「普通の目だよ」
「それでもなんか違うんだよ」
またギュッと抱きしめられて、私も涼ちゃんの匂い好きだし、涼ちゃんに頭撫でられるの好きだし、涼ちゃんの黒い瞳も好きだから人のこと言えないな。
私も涼ちゃんの背中に手を回して力を込めた。
「ねぇ。ほんとにダメ?」
「ダメだよ。ちさきちゃんと亜紀ちゃんが待ってるんだよ?」
涼ちゃんが私の手を握って不満そうな顔をする。
「何もしないからいいでしょ?」
「人を待たせてるんだから、ダメだよ」
「携帯で帰っていいよって連絡すればいいじゃん」
「わざわざここまで来てくれた人にそんな適当なことするの?涼ちゃんは」
「じゃあ、ロビーまで行って高坂と東雲に挨拶して、凪沙だけ残ればいいよね?」
「私制服で着替えもないし、急に泊まりになったらお母さん達心配するからやっぱりダメ」
エレベータのボタンを私は押した。
涼ちゃんが会議室で見た時と同じくらい不機嫌な顔になった。
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