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11月17日 凪沙の知らない話2
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「2年A組の天城凪沙さんと関わるのはやめていただきたいのです」
あ、2回言った!この人2回も言った!!
私が「は?」と言ったから聞こえてないと思ったのか、それとも大事な事なので2回言います的なやつなのか、どちらにしろ副会長さんはどういう権限を持って私にそんな事を言っているんだ…
「あの……急に何言ってるんですか?」
「最近天城凪沙さんと仲が良いみたいですが、今後は天城凪沙さんと関わらないでいただきたいのです」
私を刺す視線は揺るがず確固たる意志がある瞳は逸らされる事なく私を睨みつけている。
「私が凪沙と仲良くしようが龍皇子さんには関係ないと思いますけど?」
「関係あってもなくてもそうしていただきたいとお願いしているんです」
お願いの割には睨みつけられてるし、頭を下げているわけでもない。
「人にお願いしてるようには見えないんだけど?すっごく睨まれてるし」
「に、睨んではいません!こういう目つきなんです!この目つきのせいでみんなから怖がられてしまって………ってそんな事はどうでもいいんです!!天城凪沙さんと関わるのをやめなさい!!」
睨んでいるわけではないみたいで、その事をすっごく気にしているんだ……
「理由も言われずに関わるのをやめろって言われて、わかりましたなんて言えないと思いますけど?」
「……っ」
いや、だからその表情……すっごく睨んでますよね?目つきの問題というより自分の意思で睨んできてますよね?怖いんですが……
「言えないんだったら別にいいですよ。このまま仲良くしてるだけなので」
あ、でもこの間の事で凪沙に嫌われただろうから凪沙が私を避けるかも……そしたらこの副会長さんのお願い通り今後関わらなくなって万事解決みたいな事とに……
やだな……そんなことになるの……副会長と話してる場合じゃなかった。
「最近告白が増えているのは知っていますか?」
「え?」
私が思考の沼に片足を入れ始めた頃、龍皇子さんが急に尋ねてきた。
いきなり告白が増えたと言われても私は思い当たる節がない。私は最近告白が増えたと言えるほど告白もされていない。
「天城凪沙さんに告白する人が増えたのは知っていますか?」
凪沙の告白の話か……さっきまで凪沙の話してたしそれはそうなんだけど……凪沙の告白の回数が増えた?
私はあのお昼休みを思い出した。そういえばはっきりとは言われてなかったけど、お昼休みに凪沙が早めに抜けることが増えて聞きに行ったことがあった。
あれはやっぱり告白で呼び出されていたんだ……
私は小さく頷いた。
「その告白が増えた原因はあなたにあります」
「えっ!?なんで私が原因になるの?私が凪沙と関わったら告白が増えたって事?なんで?」
眼鏡の奥の瞳が私を刺してくる。
「悠木さんは自分がモテる事を自覚していますか?」
「まぁ、告白されることはあるから……凪沙ほどじゃないけど……それと、相手は女の子が多いけど」
「そうですね。無自覚タラシですからね」
「急にディス!!」
全然話が見えてこない。私がモテる事と凪沙への告白と私が凪沙と関わったらいけない理由がどこにあるっていうんだろう……
「悠木さんは女の子に大層オモテになられますよね?」
「なんか嫌味に聞こえる……」
顎を上げて鋭い視線を私に向けてくる。悪役令嬢みたいな仕草にめっちゃ似合ってるけど、私の方が身長が高いから下から見上げている感じで逆に可愛らしい。視線は痛いけど……
「告白が増えたのは球技大会が終わったくらいでしょうか。悠木さんと天城さんがその少し前から仲が良さそうだという情報は出回っていました」
「どこ情報!!??」
「生徒内での噂程度です。それが球技大会で決定的になった。悠木さんが天城さんに抱擁したと若干の騒ぎになり、それとあなた、天城さんと試合の合間に抜けたでしょう?」
「あ……」
C組に第1セットを取られた後のインターバルで凪沙と体育館を抜け出した。人目につかないトイレに連れ込んだけど、体育館を抜ける時は大勢の人の合間を抜けて行った。
「悠木涼が天城凪沙を狙っていると、もしかしたらもう付き合っているのではと広まりました」
龍皇子さんは腕を組んだ。
「付き合っている付き合っていないは問題ではなくて、悠木さんが天城さんの事が好きかどうか……あなたが天城さんを狙っているのか……」
「だからって凪沙が告白されるのと私と凪沙が仲良くしたらダメなのは関係がないんじゃないの?」
「天然タラシのあなたのせいで色んな女の子があなたを好きになった。そのせいでその女の子からフラれる男の子が大勢出てくる。なのにあなたは学校一の女の子を狙っている。男の子達の高嶺の花まで奪おうとするなんて……ふざけるな!っと男の子達は天城さんに告白をする訳です。先に付き合ってしまえばいいと……付き合っていたとしても奪えばいいと……」
「それが最近凪沙への告白が増えた理由?」
「そうです。それとあなたが天城さんとの関わりをやめてほしい理由です」
そう言って龍皇子さんは私を眼鏡越しに睨みつけた。
あ、2回言った!この人2回も言った!!
私が「は?」と言ったから聞こえてないと思ったのか、それとも大事な事なので2回言います的なやつなのか、どちらにしろ副会長さんはどういう権限を持って私にそんな事を言っているんだ…
「あの……急に何言ってるんですか?」
「最近天城凪沙さんと仲が良いみたいですが、今後は天城凪沙さんと関わらないでいただきたいのです」
私を刺す視線は揺るがず確固たる意志がある瞳は逸らされる事なく私を睨みつけている。
「私が凪沙と仲良くしようが龍皇子さんには関係ないと思いますけど?」
「関係あってもなくてもそうしていただきたいとお願いしているんです」
お願いの割には睨みつけられてるし、頭を下げているわけでもない。
「人にお願いしてるようには見えないんだけど?すっごく睨まれてるし」
「に、睨んではいません!こういう目つきなんです!この目つきのせいでみんなから怖がられてしまって………ってそんな事はどうでもいいんです!!天城凪沙さんと関わるのをやめなさい!!」
睨んでいるわけではないみたいで、その事をすっごく気にしているんだ……
「理由も言われずに関わるのをやめろって言われて、わかりましたなんて言えないと思いますけど?」
「……っ」
いや、だからその表情……すっごく睨んでますよね?目つきの問題というより自分の意思で睨んできてますよね?怖いんですが……
「言えないんだったら別にいいですよ。このまま仲良くしてるだけなので」
あ、でもこの間の事で凪沙に嫌われただろうから凪沙が私を避けるかも……そしたらこの副会長さんのお願い通り今後関わらなくなって万事解決みたいな事とに……
やだな……そんなことになるの……副会長と話してる場合じゃなかった。
「最近告白が増えているのは知っていますか?」
「え?」
私が思考の沼に片足を入れ始めた頃、龍皇子さんが急に尋ねてきた。
いきなり告白が増えたと言われても私は思い当たる節がない。私は最近告白が増えたと言えるほど告白もされていない。
「天城凪沙さんに告白する人が増えたのは知っていますか?」
凪沙の告白の話か……さっきまで凪沙の話してたしそれはそうなんだけど……凪沙の告白の回数が増えた?
私はあのお昼休みを思い出した。そういえばはっきりとは言われてなかったけど、お昼休みに凪沙が早めに抜けることが増えて聞きに行ったことがあった。
あれはやっぱり告白で呼び出されていたんだ……
私は小さく頷いた。
「その告白が増えた原因はあなたにあります」
「えっ!?なんで私が原因になるの?私が凪沙と関わったら告白が増えたって事?なんで?」
眼鏡の奥の瞳が私を刺してくる。
「悠木さんは自分がモテる事を自覚していますか?」
「まぁ、告白されることはあるから……凪沙ほどじゃないけど……それと、相手は女の子が多いけど」
「そうですね。無自覚タラシですからね」
「急にディス!!」
全然話が見えてこない。私がモテる事と凪沙への告白と私が凪沙と関わったらいけない理由がどこにあるっていうんだろう……
「悠木さんは女の子に大層オモテになられますよね?」
「なんか嫌味に聞こえる……」
顎を上げて鋭い視線を私に向けてくる。悪役令嬢みたいな仕草にめっちゃ似合ってるけど、私の方が身長が高いから下から見上げている感じで逆に可愛らしい。視線は痛いけど……
「告白が増えたのは球技大会が終わったくらいでしょうか。悠木さんと天城さんがその少し前から仲が良さそうだという情報は出回っていました」
「どこ情報!!??」
「生徒内での噂程度です。それが球技大会で決定的になった。悠木さんが天城さんに抱擁したと若干の騒ぎになり、それとあなた、天城さんと試合の合間に抜けたでしょう?」
「あ……」
C組に第1セットを取られた後のインターバルで凪沙と体育館を抜け出した。人目につかないトイレに連れ込んだけど、体育館を抜ける時は大勢の人の合間を抜けて行った。
「悠木涼が天城凪沙を狙っていると、もしかしたらもう付き合っているのではと広まりました」
龍皇子さんは腕を組んだ。
「付き合っている付き合っていないは問題ではなくて、悠木さんが天城さんの事が好きかどうか……あなたが天城さんを狙っているのか……」
「だからって凪沙が告白されるのと私と凪沙が仲良くしたらダメなのは関係がないんじゃないの?」
「天然タラシのあなたのせいで色んな女の子があなたを好きになった。そのせいでその女の子からフラれる男の子が大勢出てくる。なのにあなたは学校一の女の子を狙っている。男の子達の高嶺の花まで奪おうとするなんて……ふざけるな!っと男の子達は天城さんに告白をする訳です。先に付き合ってしまえばいいと……付き合っていたとしても奪えばいいと……」
「それが最近凪沙への告白が増えた理由?」
「そうです。それとあなたが天城さんとの関わりをやめてほしい理由です」
そう言って龍皇子さんは私を眼鏡越しに睨みつけた。
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