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10月15日(3)
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「あーぁ勿体無い」
ちさきちゃんがティッシュで卵焼きを拾ってくれる。
「ごめんね。ありがとう」とちさきちゃんにお礼を言ってると、涼ちゃんも「凪沙の卵焼きが…」なんて言って悲しそうな顔をしている。私はそんな事より朝練に加えてお昼ご飯も一緒に食べようって誘ってきた涼ちゃんの思惑が気になった。
これはまた私を落とそうとかそう言う事の一つ?昨日の今日で急に涼ちゃんがグイグイ行動を起こしてくるなんて思わなかった。
「今まで一緒に食べてた人いたんじゃないの?」
「いるよ?東雲と図書委員の人達と一緒に食べてたんだけど、図書委員の人達は昼の当番もあるしメンバーはいつもバラバラだし抜けても気にしないよ。東雲に聞いたら凪沙はいつも高坂と2人で食べてるって聞いて、それなら4人で一緒に食べようってさっき話してたんだ」
「…そうなんだ」
亜紀ちゃんはいつもお昼は図書委員の人達と食べてた事も、そのメンバーに涼ちゃんが含まれていることも初めて知った。
ちさきちゃんは元々知っていたのかさほど驚いた様子はない。
「へー、亜紀もそれでいいの?図書委員の人達と本の話とかしたくて私とはお昼別々で食べてたじゃん」
「うん。図書委員って言っても本読む人達ばかりじゃないから、涼さんが1番本の趣味が似てて話が合うしちさきとも一緒にお昼食べたいって思ってたから」
「……そう。なら、あたしも別にいいよ」
ちさきちゃんがちょっと視線を鋭く涼ちゃんを見てから了承をした。
ちさきちゃんからの視線を微笑みで受け流して、涼ちゃんは柔和な笑顔をこっちに向けた。
「凪沙もいいでしょ?」
「え!?う、うん。私もいいよ」
ちさきちゃんも亜紀ちゃんも了承しているなら私が断れるわけなかった。
「へへ、やった!明日は朝も昼も一緒だね!」
「え?朝?」
あ!ちさきちゃんと亜紀ちゃんには朝練の話まだしてなかった。眉を顰めて問いかけるようにこっちを見たちさきちゃんに説明しようと口を開きかけたけど、先に声を発したのは涼ちゃんだった。
「あれ?高坂も球技大会バレーだったよね?凪沙から聞いてない?B組は時間ある人は朝集まって朝練してるんだけど、それにA組の人達も一緒にやろうって朝、凪沙に話してたんだけど」
「ごめんね。ちさきちゃん。朝2人に話しておこうって思ったんだけど、時間がなかったから話せてなくて…他の3人にはもう話してあるんだけど、みんなで球技大会の練習をしたいなって思って時間があったら朝練一緒にしない?」
「あー、そういうこと」
ちさきちゃんは亜紀ちゃんに視線を向けるとどうする?と問いかけて、亜紀ちゃんに朝起きられるの?と心配されていた。
「朝はちょっと弱いけど起きられたら参加するわ。練習しないと初戦敗退しちゃいそうだしさ」
「わかった!他のメンバーもA組の人達が参加してくれると喜ぶから来てくれると嬉しいよ」
そういうと涼ちゃんはそろそろチャイム鳴りそうだから教室戻るねっと言ってB組に帰って行った。
残りのお弁当を頑張って食べ終わろうと急いで食べているとちさきちゃんからの視線が突き刺さる。その視線ちょっと痛いです……
何言われるのか不安に駆られながらなるべく視線を合わさないように黙々とお弁当を食べ進めていく…
「随分仲良くなったみたいだね?悠木涼と…朝も会って話してたみたいだし?明日からはお昼まで誘われちゃって」
「あ、朝はたまたま偶然?早く来てたところに涼ちゃんが来て…お昼だってみんなと一緒に食べようって誘ってくれただけで私関係ないでしょ…」
「でも、涼さんいつもは本の話をしてるのに今日は凪沙さんの話ばかり聞かれた」
亜紀ちゃん!?それは今知りたくなかった情報だよ!涼ちゃん達が来る前からずっとちさきちゃんが探りを入れてきてるし…涼ちゃんはあからさまに普段と違う行動してるんだもん。
でも、言えない……お互いを恋に落とそうとしているなんて言えない……言えるわけがない……
あまりにも私が狼狽えていたからか、ちさきちゃんがごめんごめんと笑った。
「別にあれこれ聞こうってことじゃなくてさ。悠木涼って無自覚たらしだから色んな女の子を泣かせてきたって噂もあるんだよね。それに凪沙が巻き込まれるんじゃないかってちょっと心配だったんだよ」
やっぱり優しいな……今まで恋愛が長続きしなくて伏せってた私の事を知っているから、私の心配もしてくれているんだろうな。
私にも責任の一端はあるにせよ涼ちゃんに巻き込まれてるのはあってるんだけどね…
それにしても色んな女の子を泣かせてきたって…涼ちゃん女の子なのに…ただの噂だろうけど……
「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫だよ。涼ちゃんとはそういうんじゃないから」
「そう?まぁ、どちらかというとこれは凪沙からっていうより悠木涼から来てるから今までにないパターンかも」
「涼さんにしてはいつもより浮かれてるようには見える」
ちさきちゃんと亜紀ちゃんが涼ちゃんについて分析をしている間私は残りのお弁当を急いで食べてお昼休みは終わった。
ちさきちゃんがティッシュで卵焼きを拾ってくれる。
「ごめんね。ありがとう」とちさきちゃんにお礼を言ってると、涼ちゃんも「凪沙の卵焼きが…」なんて言って悲しそうな顔をしている。私はそんな事より朝練に加えてお昼ご飯も一緒に食べようって誘ってきた涼ちゃんの思惑が気になった。
これはまた私を落とそうとかそう言う事の一つ?昨日の今日で急に涼ちゃんがグイグイ行動を起こしてくるなんて思わなかった。
「今まで一緒に食べてた人いたんじゃないの?」
「いるよ?東雲と図書委員の人達と一緒に食べてたんだけど、図書委員の人達は昼の当番もあるしメンバーはいつもバラバラだし抜けても気にしないよ。東雲に聞いたら凪沙はいつも高坂と2人で食べてるって聞いて、それなら4人で一緒に食べようってさっき話してたんだ」
「…そうなんだ」
亜紀ちゃんはいつもお昼は図書委員の人達と食べてた事も、そのメンバーに涼ちゃんが含まれていることも初めて知った。
ちさきちゃんは元々知っていたのかさほど驚いた様子はない。
「へー、亜紀もそれでいいの?図書委員の人達と本の話とかしたくて私とはお昼別々で食べてたじゃん」
「うん。図書委員って言っても本読む人達ばかりじゃないから、涼さんが1番本の趣味が似てて話が合うしちさきとも一緒にお昼食べたいって思ってたから」
「……そう。なら、あたしも別にいいよ」
ちさきちゃんがちょっと視線を鋭く涼ちゃんを見てから了承をした。
ちさきちゃんからの視線を微笑みで受け流して、涼ちゃんは柔和な笑顔をこっちに向けた。
「凪沙もいいでしょ?」
「え!?う、うん。私もいいよ」
ちさきちゃんも亜紀ちゃんも了承しているなら私が断れるわけなかった。
「へへ、やった!明日は朝も昼も一緒だね!」
「え?朝?」
あ!ちさきちゃんと亜紀ちゃんには朝練の話まだしてなかった。眉を顰めて問いかけるようにこっちを見たちさきちゃんに説明しようと口を開きかけたけど、先に声を発したのは涼ちゃんだった。
「あれ?高坂も球技大会バレーだったよね?凪沙から聞いてない?B組は時間ある人は朝集まって朝練してるんだけど、それにA組の人達も一緒にやろうって朝、凪沙に話してたんだけど」
「ごめんね。ちさきちゃん。朝2人に話しておこうって思ったんだけど、時間がなかったから話せてなくて…他の3人にはもう話してあるんだけど、みんなで球技大会の練習をしたいなって思って時間があったら朝練一緒にしない?」
「あー、そういうこと」
ちさきちゃんは亜紀ちゃんに視線を向けるとどうする?と問いかけて、亜紀ちゃんに朝起きられるの?と心配されていた。
「朝はちょっと弱いけど起きられたら参加するわ。練習しないと初戦敗退しちゃいそうだしさ」
「わかった!他のメンバーもA組の人達が参加してくれると喜ぶから来てくれると嬉しいよ」
そういうと涼ちゃんはそろそろチャイム鳴りそうだから教室戻るねっと言ってB組に帰って行った。
残りのお弁当を頑張って食べ終わろうと急いで食べているとちさきちゃんからの視線が突き刺さる。その視線ちょっと痛いです……
何言われるのか不安に駆られながらなるべく視線を合わさないように黙々とお弁当を食べ進めていく…
「随分仲良くなったみたいだね?悠木涼と…朝も会って話してたみたいだし?明日からはお昼まで誘われちゃって」
「あ、朝はたまたま偶然?早く来てたところに涼ちゃんが来て…お昼だってみんなと一緒に食べようって誘ってくれただけで私関係ないでしょ…」
「でも、涼さんいつもは本の話をしてるのに今日は凪沙さんの話ばかり聞かれた」
亜紀ちゃん!?それは今知りたくなかった情報だよ!涼ちゃん達が来る前からずっとちさきちゃんが探りを入れてきてるし…涼ちゃんはあからさまに普段と違う行動してるんだもん。
でも、言えない……お互いを恋に落とそうとしているなんて言えない……言えるわけがない……
あまりにも私が狼狽えていたからか、ちさきちゃんがごめんごめんと笑った。
「別にあれこれ聞こうってことじゃなくてさ。悠木涼って無自覚たらしだから色んな女の子を泣かせてきたって噂もあるんだよね。それに凪沙が巻き込まれるんじゃないかってちょっと心配だったんだよ」
やっぱり優しいな……今まで恋愛が長続きしなくて伏せってた私の事を知っているから、私の心配もしてくれているんだろうな。
私にも責任の一端はあるにせよ涼ちゃんに巻き込まれてるのはあってるんだけどね…
それにしても色んな女の子を泣かせてきたって…涼ちゃん女の子なのに…ただの噂だろうけど……
「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫だよ。涼ちゃんとはそういうんじゃないから」
「そう?まぁ、どちらかというとこれは凪沙からっていうより悠木涼から来てるから今までにないパターンかも」
「涼さんにしてはいつもより浮かれてるようには見える」
ちさきちゃんと亜紀ちゃんが涼ちゃんについて分析をしている間私は残りのお弁当を急いで食べてお昼休みは終わった。
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