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第一章 異世界魔法少女

第十五話 説得(2)※あとがき有り

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「メグリン!」
「!?」

 気づいたら、俺は背後からメグリンの手を取っていた。

「ろ、ロンロン……?」

 困惑の声を上げるメグリン。俺は構わず彼女の腕を掴む手の力を更に強くする。

「このままだったら、あんた、死んじまうよ……」

 やめてくれよ……。小さく呟いた俺の言葉にメグリンは小さく肩を落として答える。

「わたしは魔法少女だからねぇ。魔法少女のお願いは聞けないんだ~」

 俺の手を優しく撫でると、メグリンは俺へニッコリと笑った。

「だったらーー」

 俺は素早く端末を手に取り、変身解除ボタンを押すと自分の真の姿に戻る。そしてーー

「きゃっ!?」

 力一杯、メグリンを抱き締めた。
 強く、強く、ただひたすらに強く。

「魔法少女ロンロンじゃなくて、俺、ただの鈴城彩のお願いだ」

 その言葉を皮切りに、込み上がってきた感情と言葉が爆発する。

「お願いだから、もっと自分を大切にしてくれよ! この村を救っていく方法は一つじゃない! 俺が一緒に考えるから……だから……」

 たぶんこの両頬を伝うのは、今日何度流したか分からない涙。それに構わず俺は告げる。

「……一緒に世界ここを救わせてくれよッ」

 メグリンの大きな翠色の瞳が一瞬大きく見開かれたが、すぐにそれは元に戻る。

「…………………うーん」

 しばらくの黙考の後、メグリンはたはは……と夜空を見上げる。

「困っちゃうなぁ……」
「…………ダメ、だよな……」

 ごめんと呟き、メグリンから離れると項垂れる。まったく……何を言ってるんだ俺は……らしくもない。

 でもなんでだろう。今、すっげえ悲しい。両目から溢れ出るように流れる涙が、止まらない。

「……泣かないで」
「ッ!」

 突然、体に温かいものが俺を包み込んだ。メグリンが俺を抱き締めていることに、数秒かけてから俺は気づく。

「分かったよぉ。心配かけてごめんね」

 その言葉が肯定を表すことに気づくのに、俺の頭は更に時間をかける。

「…………いい、のか……?」
「自分が言ったんだよぉ? でも、ちゃーんとここの人たちを救っていく方法を考えてね~」

 やっとのことで絞り出した言葉に頷いて、メグリンは何度も俺の背中をさすってくれた。

 大丈夫だよ、と何度も、何度も。

「分かった……おれ、頑張るから……まだ何にも出来てない、大したことない魔法少女だけど精一杯頑張るから……」

 震える声で呟く。するとメグリンは「それは違うよ~」と包容を解いて俺の瞳を見つめてくる。

「ロンロンはぁ、大したことなくなんかないよ~。こうやって、わたしなんかの為にこんなに必死になってくれるんだもん~」

 メグリンがほんわかと微笑む。その美しいかんばせを照らす月の光は前の世界よりもずっと強くて、綺麗な気がした。

「これからよろしくね~、彩君♪」

 そう言って、メグリンはニッコリと破顔した。


ーーーーーーーーーーーーーーー

あとがきのようなサムシング

ここまで読んでくださってほんとにほんとにありがとうございました!
1話1話の文字数が少なくなってしまって誠に申し訳ございません……。

こんな作品にお気に入りしていただいた方々、ありがとうございます。ほんとに感謝してもしきれませんm(_ _)m

さて、物語は次話から第二章に移ります!
果たして魔法少女達はどうなるのか……楽しんで読んで頂ければ幸いです。

長くなりましたが、最後に一つ読者様に問います。

異世界に魔法少女チートは必要ですか?

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