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第一章 異世界魔法少女
第十一話 魔法ガチャ(2)
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「ふらい、ぱん……?」
メープルの袋から出てきたのは、なんのへんてつもないただのフライパンだった。
もっとこう、凄いものを期待していた身としてはどう反応していいかわからない。
「おお~、ロンロンおめでとぉ♪」
ほんわかと笑いながらぱちぱちと手を叩くメグリン。いや……おめでとうって、これフライパンなんですけど……。
『そんな顔するなっちゃ。10ポイントガチャで、魔法のフライパンは結構当たりな部類だっちゃよです……ペッ』
複雑な心境でフライパンを手にして佇む俺を見ながら、吐き捨てるようにメープルが言った。あいつの態度はともかく、結構な当たりアイテムが出たのは嬉しいな。
『だからそんな顔するなってーー』
「もうしてねえよ!」
俺とメープルのやり取りを見てクスクス笑いながらメグリンはメープルの袋に手を近づける。
「それじゃ、メープル。私は1000ポイントの奴でお願いね~」
『はいだっちゃ☆』
頷いて、お腹に付いた袋を前に突き出すメープル。
「よいしょっと~♪」
『あふんっ』
可愛い動作でメープルのお腹からアイテムを取り出すメグリン。あとメープル、お前は変な声出すのやめろ。
「わぁ、大きい~」
「うお……!?」
メグリンが取り出したのは一振りの長剣だった。銀色に光るその剣は、見るもの全てを魅了するかのような輝きを持っていた。
俺の腰辺りまでの大きさを持った剣の十字鍔に填まっているのは水色の水晶。
この水晶に何の意味があるのかは分からないが、何となくあれが重要なものだと言うことは予想できた。
『おおー! それは当たりアイテム、『魔法剣』っちゃ! おめでとうだっちゃ☆』
メープルが心のそこから祝福するように言った。あのメープルさん、俺の時と明らかに態度が違うんですがそれは。
「うーん、でも私これがあるし~……」
メグリンは近くに立て掛けてあった釘バットを困った表情で見つめると、俺へ「はいっ」と銀色の剣を手渡す。
「これは、ロンロンにあげるねぇ。私が持ってても使わないし~」
「ええ!? い、いいのか……。これ結構なレアアイテムなんだろ?」
メグリンから手渡された銀剣を抱えたまま、俺は困惑する。
「いいよいいよ~♪ ほら、私不器用だからこのバット以外うまく使えないし。ロンロンはまだ魔法少女の能力を使えないから、ちょっとでも強い武器を持っておいた方がいいと思うんだぁ」
えへへ……と優しく笑うメグリン。俺はどうしていいか分からずメープルを見る。
『んー、まあ妥当な判断だと思うっちゃ。メグリンはこのバットがないと戦えないようなもんだし、ロンロンも今の状態じゃ、クソ雑魚ナメクジにもなれなさそーー』
「うるせえよ」
クソ雑魚有袋類をぶん殴りながら、俺はメグリンに言う。
「分かった。とりあえず、貰っとく。ありがとう」
「うんうん、じゃあこれからよろしくねぇ♪」
そう言って、ひまわりのような笑みを浮かべるメグリン。やっぱり、可愛い。
『ヒューヒュー!』
とりあえず、野次を飛ばすクソ雑魚有袋類はもう一発殴っておいた。
メープルの袋から出てきたのは、なんのへんてつもないただのフライパンだった。
もっとこう、凄いものを期待していた身としてはどう反応していいかわからない。
「おお~、ロンロンおめでとぉ♪」
ほんわかと笑いながらぱちぱちと手を叩くメグリン。いや……おめでとうって、これフライパンなんですけど……。
『そんな顔するなっちゃ。10ポイントガチャで、魔法のフライパンは結構当たりな部類だっちゃよです……ペッ』
複雑な心境でフライパンを手にして佇む俺を見ながら、吐き捨てるようにメープルが言った。あいつの態度はともかく、結構な当たりアイテムが出たのは嬉しいな。
『だからそんな顔するなってーー』
「もうしてねえよ!」
俺とメープルのやり取りを見てクスクス笑いながらメグリンはメープルの袋に手を近づける。
「それじゃ、メープル。私は1000ポイントの奴でお願いね~」
『はいだっちゃ☆』
頷いて、お腹に付いた袋を前に突き出すメープル。
「よいしょっと~♪」
『あふんっ』
可愛い動作でメープルのお腹からアイテムを取り出すメグリン。あとメープル、お前は変な声出すのやめろ。
「わぁ、大きい~」
「うお……!?」
メグリンが取り出したのは一振りの長剣だった。銀色に光るその剣は、見るもの全てを魅了するかのような輝きを持っていた。
俺の腰辺りまでの大きさを持った剣の十字鍔に填まっているのは水色の水晶。
この水晶に何の意味があるのかは分からないが、何となくあれが重要なものだと言うことは予想できた。
『おおー! それは当たりアイテム、『魔法剣』っちゃ! おめでとうだっちゃ☆』
メープルが心のそこから祝福するように言った。あのメープルさん、俺の時と明らかに態度が違うんですがそれは。
「うーん、でも私これがあるし~……」
メグリンは近くに立て掛けてあった釘バットを困った表情で見つめると、俺へ「はいっ」と銀色の剣を手渡す。
「これは、ロンロンにあげるねぇ。私が持ってても使わないし~」
「ええ!? い、いいのか……。これ結構なレアアイテムなんだろ?」
メグリンから手渡された銀剣を抱えたまま、俺は困惑する。
「いいよいいよ~♪ ほら、私不器用だからこのバット以外うまく使えないし。ロンロンはまだ魔法少女の能力を使えないから、ちょっとでも強い武器を持っておいた方がいいと思うんだぁ」
えへへ……と優しく笑うメグリン。俺はどうしていいか分からずメープルを見る。
『んー、まあ妥当な判断だと思うっちゃ。メグリンはこのバットがないと戦えないようなもんだし、ロンロンも今の状態じゃ、クソ雑魚ナメクジにもなれなさそーー』
「うるせえよ」
クソ雑魚有袋類をぶん殴りながら、俺はメグリンに言う。
「分かった。とりあえず、貰っとく。ありがとう」
「うんうん、じゃあこれからよろしくねぇ♪」
そう言って、ひまわりのような笑みを浮かべるメグリン。やっぱり、可愛い。
『ヒューヒュー!』
とりあえず、野次を飛ばすクソ雑魚有袋類はもう一発殴っておいた。
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