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第一話 安倍童子、賀茂忠行に師事する。
白狐3
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男が童子を睨み付けている。童子も男を見る。
だが童子には、男が人の姿には見えなかった。
狐の姿をしたものが、縄に縛り付けられて身動きが出来ないでいる様に視える。
そして、人の姿をした男と狐の姿をした男がブレ出した。
ともすれば、顔の半分は人間で顔の半分は狐の様にも見える。不思議な現象だった。
男が言った。
「そこの小童!お前は、こちら側の人間であろう。」
忠行は、唱え続けている。保憲は、別の呪文を唱えて、男が逃げない様にしている。
「どうして同胞が苦しんでいるのに助けなんだ!」
同胞とは、何の事だと童子は思う。
その場を制すのは、忠行の力と化け狐の力で、童子には静観する他にない。
言葉を妖に応える事は、忠行の術を完成出来なくする事でもある。
只々、童子は静観を務めた。
「助けてくれ!同胞よ!苦しい苦しいんだ!」
「ァアアアアッ!!!」
忠行が印を結び切る。と、同時に狐男から更に苦しげな悲鳴が上がった。
そうして、男は倒れた。
倒れた男から白い煙が出て行く。
その煙は、鬼門の方角に去っていった。
それと同時に忠行は、式神を放った。
その式神は、煙を追いかけていった。
だが童子には、男が人の姿には見えなかった。
狐の姿をしたものが、縄に縛り付けられて身動きが出来ないでいる様に視える。
そして、人の姿をした男と狐の姿をした男がブレ出した。
ともすれば、顔の半分は人間で顔の半分は狐の様にも見える。不思議な現象だった。
男が言った。
「そこの小童!お前は、こちら側の人間であろう。」
忠行は、唱え続けている。保憲は、別の呪文を唱えて、男が逃げない様にしている。
「どうして同胞が苦しんでいるのに助けなんだ!」
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その場を制すのは、忠行の力と化け狐の力で、童子には静観する他にない。
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忠行が印を結び切る。と、同時に狐男から更に苦しげな悲鳴が上がった。
そうして、男は倒れた。
倒れた男から白い煙が出て行く。
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