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追いかけっこ没ネタ
しおりを挟む初めに考えていたネタです。
なんか追いかけっこになってしまって、物語が進まなくなり没になりました。
あと、攻めがよりバカっぽい‥。ので没‥。
折角なので、載せます。
ただ途中で終わってる‥。
それでも良ければご覧ください。
追いかけっこ
飯田睦美は、囚われていた。
クラスメイトの久世隆太が、睦美の脚を抱え直し、再度睦美の中に埋め込まれた楔を音がする程、激しく打ち付けた。
「あっ、ん、ん!」
隆太が睦美の唇を舐め、舌を無理矢理捩じ込むように入れ貪る。
「ん、ん、ふ、あっ、あっ」
クチュクチュと口の中を蹂躙した後、顎を舐め首を舐めながら下に降りていく。
「ふっ、もうっ、もう、いくっからぁっ!」
腰を打ち付けられながら、首筋を舐められ絶頂を迎えようとしている睦美に、隆太は腰の打ち付けを、緩やかなものに変えた。
「あっ!なん、でっ?」
困惑する睦美。
「ふっ、飯田。お前の中って、スッゲェ気持ちいっ、から、まだお前の中に、いたい。」
ゆるゆると腰を揺すりながら、隆太は睦美との営みを終わらせる気はない。
「あ、いや、いや、だっ!もう終わらせてくれ!」
いやいや!と、激しく首を振りながら、快楽地獄を味わっている睦美は、隆太から逃げ出したい。
どうしてこうなったのか。睦美は、数時間前の自分に激しく後悔した。
学校には、カースト制度が存在している。それで目立った虐めとかがある訳では無いが、中間にいる者達は、上位の者を持ち上げ、上位中位の者達は、下位の者を嘲笑う。そうした風習があった。
久世隆太は、カースト上位に位置している。常に明るく運動全般は卒無くこなし、運動部の助っ人までする位の運動神経抜群で、勉強も常に十位以内には入る頭の良さ。背が高く容姿も整っていて話術にも長けていて、常に人を惹きつける魅力溢れる存在だ。
それに対して、飯田睦美は、小さい頃から背は小さく、頭の出来も良くない。その上、女と思われてしまう程の女顔に悩んでいた。初見で女と思われ、男にストーカー被害や告白もされた事があり、自分の顔を出来得る限り見られない様にする為、前髪を長く伸ばし、何時も下を向いている。必要最低限にしか喋らず、中学生の頃からは、伊達眼鏡まで掛けている徹底ぶりだ。そのせいで、根暗や暗い、オタクと蔑まれてきた。常にカースト最下位に位置している。
睦美と隆太は、高校で出会い、一年の頃から同じクラスではあるが、2人は正反対の性格で、相見える事は無いのだろうと思っていた。
二年に進級し、席替えで初めて隣同士になった。
くじ引きで決まる為、同性同士で隣り合ってしまう事もある。とは言っても、席がくっ付いてはいないので、特段気になる程でもない。
クジの結果は、窓際の後ろ側で、睦美にとっては特等席の様な場所だ。しかし、隣に来た相手を見た瞬間、明らかに落ち込んだ。
それを一瞬見咎めた隆太だったが、相手が根暗で殆ど声を聞いた事が無い睦美だと分かると興味を無くし、前の席の男子と話し出した。
それを何気無く見つつ、憂鬱な気を出していた睦美は、外をボンヤリと授業が始まる迄見続けた。
隆太と隣の席だからか、挨拶程度ではあったが、話す事も少しずつ増えていく。
睦美は、先生にバレない程度に外をボンヤリと眺めながら、その日の授業が終わるのを待つ。そんな何時も通りに変わらない日常が、ずっと続くと思っていた。
朝、学校に着いて、席に座っていると、隆太が登校してきた。隣の席だが、挨拶しか殆どしない。
取り巻きの女生徒が直ぐに隆太の腕に絡んできた。その女生徒の肘が、偶然に睦美の顔に当たってしまう。
「っ!?」
カシャンッ。反動で、睦美の眼鏡が外れてしまった。
「ごめん!大丈夫?」
女生徒は、わざとでは無く焦ってしまう。
「大丈夫か?」
眼鏡が、勢いよく隆太の方に飛んできたので、キャッチして睦美に渡す。
「ぁ、う、ん、大丈夫‥!」
隆太から眼鏡を受け取る時に、顔を勢いよく上げたせいか、目にかかっていた前髪が流れ、顔が顕になってしまっているのを本人だけが気付いていない。
「っ!」
隆太は、至近距離で睦美を見て驚いた。隣に座っているのは、男装している女子にしか見えない。
「ぁ、り、がと…。」
睦美は、眼鏡を引ったくる様に受け取ると直ぐに掛け直す。その姿は何時も通りに戻っていたが、睦美の素顔を見た者達は、息を飲んだ。
「っ、鈍臭いな。」
そう言いながら、隆太は睦美の前髪を掻き上げる。
「?」
睦美は、急なスキンシップをする隆太に内心焦りながらも振り解けなかった。
肘を当ててしまった女子は、興奮気味に睦美の方に寄って来た。
「ちょっ、飯田くん美少女じゃん!どうして顔隠してんの!?勿体ない!」
どういうケアしたらそんなに肌がすべすべなの?赤ちゃんみたい!睫毛もすっごく長くって可愛い!と、矢継ぎ早に喋られて困惑してしまう。
「え?」
まだ、隆太に顔を触られながら、自分の顔が曝け出されている事に漸く気付いた。
「あっ、うっ!見るなっ!触るなっ!!俺は女じゃない!!!」
顔を曝け出されて、馬鹿にされている。と、思った睦美は、教室を飛び出した。
だが、根が真面目な睦美は、授業が始まる頃には戻って来て、いつも通り下を見続ける。その隣の隆太は、先生に注意されるまで睦美を見続けていた。休み時間毎に、クラスメイトが睦美に声を掛けようとするが、脱兎の如く逃げる睦美に、帰りのホームルームになる頃には声をかける者は隆太しかいなくなった。
隆太は、何かと睦美に声をかけては、玉砕していたが、帰ろうとする睦美を直ぐに引き止める。
「飯田。一緒に帰ろうぜ。」
腕を掴んで、睦美の前に立って言う隆太に対して、逃げられなくなった睦美は睨み付ける。
「嫌だ。離せよ。」
睦美に睨まれてもへこたれない隆太は、笑顔さえ浮かべている。
「そう言わずにさ!俺、お前に興味あるんだ。」
今まで隆太が、笑顔を浮かべ近寄ると、皆は喜んでいた。それが隆太の当たり前だった。
「俺はない。」
睦美は即答で切り捨てる。それは、隆太には予想外の事であった。
「ふぅ~ん。でも、俺は飯田と仲良くしたい。」
敢えて、友達とは言わずに仲良くを強調する。隆太は、別に睦美と友人になる気は無い。友人よりもっと仲を深めたいと思っている。
「‥俺はあんたと友達になる気は無いんで、他当たってくれない?」
睦美は意外にも、普段オドオドして大人しく見られがちだが、意思をハッキリと伝える事ができる。嫌な事を嫌と言いまくっていた所為で、友達が少ないのが難点だった。
「ふっ。益々気に入った。」
ボソッと呟いた隆太は、新しいオモチャを見つけた。という顔を隠しもしない。そんな顔をされているのを睦美は見なかったのが、運の尽きだった。
「‥?‥なんか言ったか?」
隆太にそっぽを向いていたが、聞き捨てならない事を言われた様な気がして、振り返る。
「ん?仲良くしたいって言ったんだけど?」
シレッと、呟いた事とは違う事を言う隆太に、睦美は半信半疑な眼差しを向けた後、他を当たって欲しそうに眉間に皺を寄せた。
「ん?そう‥。他をどうぞ。」
どうせ、興味本位に声を掛けて飽きたら捨てる癖に。と、隆太の事をそう思いつつ、腕を振り払い捕まらない様に足速に教室を出て行く。
その後を可笑しそうに、口元に笑みを浮かべながら着いて行く隆太に、クラスメイト達は、睦美に向かって合掌した。
(生きて帰れよ…。)
そんな事を思われているとも思っていない睦美は、着いて来る隆太を振り解く為に、闇雲に走り回っていた。
(くっ!しつっ、こいっ!!)
まさか、駅までも着いてくるとは思わなかった。
初めは、普通に歩いていたが、隆太に何処其処寄ろうと声を掛けられ、その都度無視をし続けた。駅まで後10分もしない所で、睦美は走り出したが、隆太は楽しそうに追いかける。
(どうしてほっといてくれない?!これじゃ、ストーカーと一緒だ!)
本気で逃げている睦美を執拗に追い掛ける隆太は、自身でも信じられなかった。
(うーん。どうしてこうも逃げられるんだ?俺も何を躍起になって追いかけているんだか‥。)
自身で理解出来ない感情を持て余し、それでも睦美に振り向いて欲しくて物理的に振り向かせる為に追いかけている。
隆太は、睦美の顔を見て恋をしてしまった事に自覚が無かった。
只々、睦美の顔をもう一度見たい。子供の様な感情に翻弄されていた。
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