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第三十話 自分だけの意思
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クリスマスが過ぎて約一週間。
世間は年末と呼ばれる一年の締めくくりをむかえていた。
当然、影井家でもそれは同様で、各々荷物の整理だったりなんだったりをこなしている。
しかしながら、着の身着のままこの家にやってきた私に整理するほどの私物などなく、ただ私はバタバタする二人を眺めながらキャンバスに絵を描くのだ。
先週のクリスマスの時に宣言した通り、私は絵を描き始めた。
あの日見たイルミネーションや幸せな我が家の様子を、キチンと自分の手で表現したくなった。
聞けば、アリサに絵を描く趣味は無かったそうで、絵を描くという行為は、私にとって初めて自分で見つけたやりたい事になった。
いま私がキャンバスに描いているのは、クリスマスパーティーの時の絵だ。
今まででもっとも輝かしく部屋が飾り付けられ、蒼汰と朱里の笑顔が溢れた瞬間。
私のメモリーの中にあるあの光景を、より美しく鮮やかに描き上げるのが楽しみになっていた。
「良いな~アリサは荷物が少ないから」
「普段から整理しとけばいいのに。蒼汰は自業自得だよ? 気になったものとか、私に似合いそうなものを片っ端から買ってくるんだから」
そうなのだ。
蒼汰の荷物の大半は、私への贈り物。
物はいらないとずっと断っているのだけれど、何回言っても買ってくる癖が治らない。
あらためて彼の私への執着の強さを感じる日々。
朱里もほとんど呆れた様子でそんな蒼汰を見ていた。
「なあアリサ」
「なに?」
「俺たちって、うまくいっているのかな? このまま平穏に過ごしていても良いのかな?」
蒼汰は真剣な表情で私に尋ねてきた。
このままで良いのか?
つまり彼にとって、いまが幸せということなのだろうか?
「蒼汰は……いま幸せ?」
私は真っすぐ彼の目を見て尋ねる。
だって今まで、このまま過ごしていていいのかななんて言葉、彼から聞いたことがなかった。
いつだって彼の中には復讐がチラついていた。
だからこそ尋ねたのだ。
彼がいま幸せなら、このまま私たちと一緒に暮らすべきだ。
「ああ、幸せだよ。良いのかなって思うくらい幸せだ」
蒼汰は憑き物のとれたような表情で真っすぐ私を見る。
この言葉に嘘はない。
彼はいま心から幸せだと思えているのだ。
だったらそのいまを大切にしたい。
「じゃあ良いじゃない。このまま三人で幸せに過ごそうよ」
私はそう提案した。
蒼汰も朱里も、普通の人間の幸せからはほど遠い人生を歩んできた。
私なんて人間ですらない。
そんな歪な三人が、たまたま同じ屋根の下で家族のように暮らし、幸せだと感じることができているのだ。
こんな奇跡は中々ない。
「……そうだよな。良いんだよな?」
蒼汰の声は小さくて、まるでもういなくなった誰かに問うように、呟くように繰り返す。
いまはまだ核心を突かないでおこう。
きっと彼の中でも心境の変化は訪れている。
徐々にだが確実に……。
「だからさっさとかたづけてよ。年越しそばでも食べよう」
私は蒼汰の背中を叩いて私の部屋から追い出す。
そのまま私は続きの絵を描きだした。
もうじき完成する。
年内に披露しようと思ったら、あと十時間もない。
今年は今日で終わってしまうのだから。
「ちょっと買い物行ってくるね」
「行ってらっしゃい!」
朱里は蒼汰を引き連れて買い物に出かけて行った。
いつの間にか二人だけで出かけたりもするようになっている。
本当の家族のようになってきていて、私は嬉しく思う。
静かになった我が家で、私はひたすらに筆を走らせる。
真っ白だったキャンバスはもうほとんどできあがっている。
私の中のメモリーを忠実に描き出し、さらにそこに色を足していく。
描きたいのは理想の家族の姿。
いまの家族を思う気持ちと、それを描きたいという気持ちは、確実に自分だけの意思なのだ。
アリサの思考パターンでもなければ、彼女のマネをしようとして出てきた感情ではない。
これは私だけの、影井アリサだけの意思なんだ。
朱里たちが買い物に出かけて帰ってきたあたりで、私のキャンバスは完成した。
記念すべきキャンバス第一号。
テーマは幸せな家族。
「見てくれるかな?」
年越しそばの準備をしていた二人に声をかける。
キャンバスに布をかぶせて隠した状態でリビングに持って行き、二人が席に座ったのを確認して一息に布を取り払う。
「……凄い!」
蒼汰と朱里の声が重なる。
披露した絵は、クリスマスパーティーで二人が楽しそうに笑っている絵。
部屋の至る所にクリスマスっぽい小物が散らばり、それらが楽しい雰囲気をより演出してくれている。
「テーマは家族!」
私は堂々と発表する。
今年の集大成。
私が人権を得て自由になった最初の一年。
その結果手に入れたのが、心から幸せな家族だった。
「でもこれ、アリサが映ってないじゃないか!」
蒼汰が不服そうに指摘する。
言われて気づく。
確かに私がいない。
「だって私のメモリーから描いてるんだから、仕方ないじゃん」
「いやダメだ。家族というテーマなら、なおさらアリサもいなくちゃ!」
蒼汰は中々認めない。
でもそっか。
別に絵は創作物だ。
写真じゃない。
私がいなければ足せばよかっただけなのに、私は何故かそうしなかった。
一体なぜだろうか?
「ねえアリサ。もしかして、まだどこかで遠慮してる?」
朱里が指摘する。
遠慮している? 私が? 何に?
「遠慮?」
「そう。なんとなくだけど、アリサと一緒にいるとたまに感じるんだ。自分が人間ではないという部分に、まだどこかで後ろめたさを感じてるんじゃないかって」
朱里の言葉を聞いて、私は軽くフリーズしてしまった。
そうか、そうなのか。
そうかもしれない。
私はいつもどこかで、心の奥底で、自分の心にブレーキをかけていた気がする。
幸せに笑う資格なんてないのではないかと、ずっとどこかで潜在的に思っていたのかもしれない。
「うん。朱里の言う通りかもしれない。私は私の家族に自分を含めていなかったのかも……年が明けてからもう一回描くよ。今度は私も入れてね」
「じゃあ素材の写真でも撮ろうか!」
蒼汰はそう言ってカメラを持ち出し、タイマーを設定して席に着く。
今度は私も一緒。
朱里と蒼汰に挟まれた私は、自然と笑みを浮かべてピースをした。
世間は年末と呼ばれる一年の締めくくりをむかえていた。
当然、影井家でもそれは同様で、各々荷物の整理だったりなんだったりをこなしている。
しかしながら、着の身着のままこの家にやってきた私に整理するほどの私物などなく、ただ私はバタバタする二人を眺めながらキャンバスに絵を描くのだ。
先週のクリスマスの時に宣言した通り、私は絵を描き始めた。
あの日見たイルミネーションや幸せな我が家の様子を、キチンと自分の手で表現したくなった。
聞けば、アリサに絵を描く趣味は無かったそうで、絵を描くという行為は、私にとって初めて自分で見つけたやりたい事になった。
いま私がキャンバスに描いているのは、クリスマスパーティーの時の絵だ。
今まででもっとも輝かしく部屋が飾り付けられ、蒼汰と朱里の笑顔が溢れた瞬間。
私のメモリーの中にあるあの光景を、より美しく鮮やかに描き上げるのが楽しみになっていた。
「良いな~アリサは荷物が少ないから」
「普段から整理しとけばいいのに。蒼汰は自業自得だよ? 気になったものとか、私に似合いそうなものを片っ端から買ってくるんだから」
そうなのだ。
蒼汰の荷物の大半は、私への贈り物。
物はいらないとずっと断っているのだけれど、何回言っても買ってくる癖が治らない。
あらためて彼の私への執着の強さを感じる日々。
朱里もほとんど呆れた様子でそんな蒼汰を見ていた。
「なあアリサ」
「なに?」
「俺たちって、うまくいっているのかな? このまま平穏に過ごしていても良いのかな?」
蒼汰は真剣な表情で私に尋ねてきた。
このままで良いのか?
つまり彼にとって、いまが幸せということなのだろうか?
「蒼汰は……いま幸せ?」
私は真っすぐ彼の目を見て尋ねる。
だって今まで、このまま過ごしていていいのかななんて言葉、彼から聞いたことがなかった。
いつだって彼の中には復讐がチラついていた。
だからこそ尋ねたのだ。
彼がいま幸せなら、このまま私たちと一緒に暮らすべきだ。
「ああ、幸せだよ。良いのかなって思うくらい幸せだ」
蒼汰は憑き物のとれたような表情で真っすぐ私を見る。
この言葉に嘘はない。
彼はいま心から幸せだと思えているのだ。
だったらそのいまを大切にしたい。
「じゃあ良いじゃない。このまま三人で幸せに過ごそうよ」
私はそう提案した。
蒼汰も朱里も、普通の人間の幸せからはほど遠い人生を歩んできた。
私なんて人間ですらない。
そんな歪な三人が、たまたま同じ屋根の下で家族のように暮らし、幸せだと感じることができているのだ。
こんな奇跡は中々ない。
「……そうだよな。良いんだよな?」
蒼汰の声は小さくて、まるでもういなくなった誰かに問うように、呟くように繰り返す。
いまはまだ核心を突かないでおこう。
きっと彼の中でも心境の変化は訪れている。
徐々にだが確実に……。
「だからさっさとかたづけてよ。年越しそばでも食べよう」
私は蒼汰の背中を叩いて私の部屋から追い出す。
そのまま私は続きの絵を描きだした。
もうじき完成する。
年内に披露しようと思ったら、あと十時間もない。
今年は今日で終わってしまうのだから。
「ちょっと買い物行ってくるね」
「行ってらっしゃい!」
朱里は蒼汰を引き連れて買い物に出かけて行った。
いつの間にか二人だけで出かけたりもするようになっている。
本当の家族のようになってきていて、私は嬉しく思う。
静かになった我が家で、私はひたすらに筆を走らせる。
真っ白だったキャンバスはもうほとんどできあがっている。
私の中のメモリーを忠実に描き出し、さらにそこに色を足していく。
描きたいのは理想の家族の姿。
いまの家族を思う気持ちと、それを描きたいという気持ちは、確実に自分だけの意思なのだ。
アリサの思考パターンでもなければ、彼女のマネをしようとして出てきた感情ではない。
これは私だけの、影井アリサだけの意思なんだ。
朱里たちが買い物に出かけて帰ってきたあたりで、私のキャンバスは完成した。
記念すべきキャンバス第一号。
テーマは幸せな家族。
「見てくれるかな?」
年越しそばの準備をしていた二人に声をかける。
キャンバスに布をかぶせて隠した状態でリビングに持って行き、二人が席に座ったのを確認して一息に布を取り払う。
「……凄い!」
蒼汰と朱里の声が重なる。
披露した絵は、クリスマスパーティーで二人が楽しそうに笑っている絵。
部屋の至る所にクリスマスっぽい小物が散らばり、それらが楽しい雰囲気をより演出してくれている。
「テーマは家族!」
私は堂々と発表する。
今年の集大成。
私が人権を得て自由になった最初の一年。
その結果手に入れたのが、心から幸せな家族だった。
「でもこれ、アリサが映ってないじゃないか!」
蒼汰が不服そうに指摘する。
言われて気づく。
確かに私がいない。
「だって私のメモリーから描いてるんだから、仕方ないじゃん」
「いやダメだ。家族というテーマなら、なおさらアリサもいなくちゃ!」
蒼汰は中々認めない。
でもそっか。
別に絵は創作物だ。
写真じゃない。
私がいなければ足せばよかっただけなのに、私は何故かそうしなかった。
一体なぜだろうか?
「ねえアリサ。もしかして、まだどこかで遠慮してる?」
朱里が指摘する。
遠慮している? 私が? 何に?
「遠慮?」
「そう。なんとなくだけど、アリサと一緒にいるとたまに感じるんだ。自分が人間ではないという部分に、まだどこかで後ろめたさを感じてるんじゃないかって」
朱里の言葉を聞いて、私は軽くフリーズしてしまった。
そうか、そうなのか。
そうかもしれない。
私はいつもどこかで、心の奥底で、自分の心にブレーキをかけていた気がする。
幸せに笑う資格なんてないのではないかと、ずっとどこかで潜在的に思っていたのかもしれない。
「うん。朱里の言う通りかもしれない。私は私の家族に自分を含めていなかったのかも……年が明けてからもう一回描くよ。今度は私も入れてね」
「じゃあ素材の写真でも撮ろうか!」
蒼汰はそう言ってカメラを持ち出し、タイマーを設定して席に着く。
今度は私も一緒。
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