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第五章
遅れる後輩ちゃん 2
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ウェブカメラを仕掛けて三時間経過したが、一向に動く気配がない。ハムスケは飽きたのか俺のスマホで動画を見始めた。コーヒーを持ってきた店員さんが、スマホを覗くハムスケを見て一瞬驚いた顔をしていたが、流石にハムスターが動画を見ているはずがないと思い直したのか、一礼して去っていった。
俺はコーヒーを一口啜ると、仕掛けたカメラの前をうろつく見覚えのある猫が目に入った。
「なあハムスケ、これってピーちゃんじゃないか?」
「うっそだ~見せてみろ! 本当だ、あの大食い猫だ!」
ハムスケは驚愕の表情を浮かべながら固まっていた。無理もない、俺もまさかこんな形で再会するとは思ってもみなかったのだから。
「しかしなんでここに?」俺とハムスケが不思議そうに画面を見ていると、なんと後輩ちゃんの家のドアが開き、中から後輩ちゃんらしき女性が大量の魚を抱えながら現れ、ピーちゃんにその魚をあげていた。
「コイツ、餌を貰う範囲を順調に広げてやがるな」
ハムスケはそう吐き捨て、再び俺のスマホで動画を見始めた。どうやら海外ドラマを見ているようだ。字幕も無しで見ているところをみると、英語も分かるらしい。
俺はハムスケからタブレットに視線を戻し、そのまま観察する。後輩ちゃんがピーちゃんに魚を与えてからもうすでに30分が経とうとしていた。うん? 30分?
「いやいやまさかね~」
「そのまさかなんじゃないのか?」
「いやいや流石にそんな理由で会社に遅れたりしないでしょう」
「分からんぞ最近の若いのはなに考えてるか」
最近の若いのって……お前が一番若いんじゃないのか? まだ一年ぐらいだろお前?
「とりあえず一度商店街に向かおう」
「なんでだ?」
「ピーちゃんが何曜日に商店街に来て、何曜日にいないのかを聞きこむ」
「我はもう答えが分かるけど……」
「言うな! 念のためだ」
そうして俺達はお会計をして商店街に向かう。俺だってハムスケの言う通り、答えは分かっているんだ。ただ信じたくないだけだ。
ピーちゃん捜索時以来の商店街での聞き込み。商店街の人たちも、あの猫またなんかやったのかと心配してくれたが、全くもってピーちゃんは元気です。なんの問題もありません。ちゃんと食べまくってます。
聞き込みの結果、もう分かってはいたが聞くところによると、月曜日と祝日だけは来ないらしい。まあ、だよね。
「マジだったか」
「マジだったな」
俺とハムスケは事務所に戻り、遠い目をしていた。なんか、世の中ってこうだっけ? みたいな考えが頭をグルグル回る。そりゃ猫に餌やってて遅れましたなんてのが許される優しい社会ならそれはそれでいいけれど……実際はそんなはずは無いのだ。
「だが興味深いことを聞いたな」
「なんかあったっけ?」
「ピーちゃんが今のようなローテーションで動くようになったのはここ一か月らしい」
「つまりそれまでは違うと?」
「らしいが……」
そうは言ってもピーちゃんを問いただしたところで答えが帰ってくるはずもない。あ~あピーちゃんも喋れば良いのに……
あぶないあぶない! 危うくペットが喋るのを肯定してしまうところだった。だいぶハムスケに毒されてきたな俺。
「もしもし菊岡さん? 今お時間よろしいですか?」
「構いませんよ。どうしました?」
「さっき聞き忘れたことがあって、後輩ちゃんが遅刻をするようになったのっていつ頃からですか?」
「それならちょうど一か月ぐらい前あたりからかな?」
「そうですか。ありがとうございます」
俺は電話を切るとソファーに横になった。要するに、一か月前までは普通の優秀な新人というわけだ。そりゃあそうだよな、今は冬だ。社会人一年目とはいえ、半年以上はすでに働いているはずだ。仮に入社してからずっとその調子で遅刻していたのなら、下手したら解雇だってあり得る。そうではないということは、ここ最近のことなのだ。だから菊岡さんも心配するし、聞きにくいのだ。今までが普通に出来た後輩だったから。
「つまり一ヶ月前に何かがあったということか……」
「直接会いに行くのか?」
「それだと菊岡さんに依頼されたことがバレてしまう」
ターゲットに調べられている事がバレてしまっては意味がない。俺たちは探偵なのだから本人に聞く以外の方法で原因を特定しなければならない。
「とりあえず明日は月曜日、これまでの傾向なら遅れる予定の日だ」
「また張り込むのか?」
ハムスケは仕掛けたウェブカメラの映像を早送りで見ている。ほとんど一日経つのに誰も出て来やしない。ハムスケには悪いが明日はやり方を変える。
「喜べ、ハムスケの言っていたとおりの張り込みをするぞ」
俺がそう宣言すると、いかにも嫌そうな顔をしたハムスケはそのまま寝転がり、ふて寝を決め込んだ。面倒なのはわかるがもう少し協力してくれ。そう思いつつ、明日の準備を始めた。
翌朝、念の為朝6時から張り込むことにした俺達は信じられないくらい寒い中、電信柱の影に立っている。
「彼女の勤務地はここから電車や歩きでおおよそ20分程度。9時に業務開始だから、遅くとも8時30分にはここを出るはずだ。俺の予想では家を出ようとしたタイミングでピーちゃんに遭遇し、餌をやって遅刻パターンだ」
俺はそう思っていたのだが、事実はどうやら違うらしい。今は朝7時を回ったばかりだがすでにピーちゃんが玄関前で鳴いている。そしてその声が聞こえたのか後輩ちゃんが大量の魚を持って出てきた。どういうことだ? これでは普通に間に合ってしまう。
まあそれはそれで良いことだが……
案の定30分したあたりでピーちゃんは魚を平らげどこかへ去っていった。今から出社まで1時間近くある。逆にここからどうやって遅刻するのか見てみたい。
しばらくするとドアが開き、後輩ちゃんが身支度を整えどこかへ向かうようだ。俺は時計を確認するが、どう考えても出社には早すぎる。
いったいどこに向かうのか分からないが、こっそりと後をつける。このあいだストーカー事件を解決したばかりだというのに、これでは俺がストーカーみたいではないか。そう思ったが、そもそも探偵ってある意味ストーカーが本業なのかも知れないと考え、探偵=ストーカーという本業の方に怒られそうな結論に至った。
「どこに向かう気だ?」
後輩ちゃんは何かに乗ったりするわけでもなく、ただひたすらに町の外れの方に歩き続ける。いったいどこまで行くのかと思っていたが、遠くに見える看板を見た時、全てを悟った。
俺はコーヒーを一口啜ると、仕掛けたカメラの前をうろつく見覚えのある猫が目に入った。
「なあハムスケ、これってピーちゃんじゃないか?」
「うっそだ~見せてみろ! 本当だ、あの大食い猫だ!」
ハムスケは驚愕の表情を浮かべながら固まっていた。無理もない、俺もまさかこんな形で再会するとは思ってもみなかったのだから。
「しかしなんでここに?」俺とハムスケが不思議そうに画面を見ていると、なんと後輩ちゃんの家のドアが開き、中から後輩ちゃんらしき女性が大量の魚を抱えながら現れ、ピーちゃんにその魚をあげていた。
「コイツ、餌を貰う範囲を順調に広げてやがるな」
ハムスケはそう吐き捨て、再び俺のスマホで動画を見始めた。どうやら海外ドラマを見ているようだ。字幕も無しで見ているところをみると、英語も分かるらしい。
俺はハムスケからタブレットに視線を戻し、そのまま観察する。後輩ちゃんがピーちゃんに魚を与えてからもうすでに30分が経とうとしていた。うん? 30分?
「いやいやまさかね~」
「そのまさかなんじゃないのか?」
「いやいや流石にそんな理由で会社に遅れたりしないでしょう」
「分からんぞ最近の若いのはなに考えてるか」
最近の若いのって……お前が一番若いんじゃないのか? まだ一年ぐらいだろお前?
「とりあえず一度商店街に向かおう」
「なんでだ?」
「ピーちゃんが何曜日に商店街に来て、何曜日にいないのかを聞きこむ」
「我はもう答えが分かるけど……」
「言うな! 念のためだ」
そうして俺達はお会計をして商店街に向かう。俺だってハムスケの言う通り、答えは分かっているんだ。ただ信じたくないだけだ。
ピーちゃん捜索時以来の商店街での聞き込み。商店街の人たちも、あの猫またなんかやったのかと心配してくれたが、全くもってピーちゃんは元気です。なんの問題もありません。ちゃんと食べまくってます。
聞き込みの結果、もう分かってはいたが聞くところによると、月曜日と祝日だけは来ないらしい。まあ、だよね。
「マジだったか」
「マジだったな」
俺とハムスケは事務所に戻り、遠い目をしていた。なんか、世の中ってこうだっけ? みたいな考えが頭をグルグル回る。そりゃ猫に餌やってて遅れましたなんてのが許される優しい社会ならそれはそれでいいけれど……実際はそんなはずは無いのだ。
「だが興味深いことを聞いたな」
「なんかあったっけ?」
「ピーちゃんが今のようなローテーションで動くようになったのはここ一か月らしい」
「つまりそれまでは違うと?」
「らしいが……」
そうは言ってもピーちゃんを問いただしたところで答えが帰ってくるはずもない。あ~あピーちゃんも喋れば良いのに……
あぶないあぶない! 危うくペットが喋るのを肯定してしまうところだった。だいぶハムスケに毒されてきたな俺。
「もしもし菊岡さん? 今お時間よろしいですか?」
「構いませんよ。どうしました?」
「さっき聞き忘れたことがあって、後輩ちゃんが遅刻をするようになったのっていつ頃からですか?」
「それならちょうど一か月ぐらい前あたりからかな?」
「そうですか。ありがとうございます」
俺は電話を切るとソファーに横になった。要するに、一か月前までは普通の優秀な新人というわけだ。そりゃあそうだよな、今は冬だ。社会人一年目とはいえ、半年以上はすでに働いているはずだ。仮に入社してからずっとその調子で遅刻していたのなら、下手したら解雇だってあり得る。そうではないということは、ここ最近のことなのだ。だから菊岡さんも心配するし、聞きにくいのだ。今までが普通に出来た後輩だったから。
「つまり一ヶ月前に何かがあったということか……」
「直接会いに行くのか?」
「それだと菊岡さんに依頼されたことがバレてしまう」
ターゲットに調べられている事がバレてしまっては意味がない。俺たちは探偵なのだから本人に聞く以外の方法で原因を特定しなければならない。
「とりあえず明日は月曜日、これまでの傾向なら遅れる予定の日だ」
「また張り込むのか?」
ハムスケは仕掛けたウェブカメラの映像を早送りで見ている。ほとんど一日経つのに誰も出て来やしない。ハムスケには悪いが明日はやり方を変える。
「喜べ、ハムスケの言っていたとおりの張り込みをするぞ」
俺がそう宣言すると、いかにも嫌そうな顔をしたハムスケはそのまま寝転がり、ふて寝を決め込んだ。面倒なのはわかるがもう少し協力してくれ。そう思いつつ、明日の準備を始めた。
翌朝、念の為朝6時から張り込むことにした俺達は信じられないくらい寒い中、電信柱の影に立っている。
「彼女の勤務地はここから電車や歩きでおおよそ20分程度。9時に業務開始だから、遅くとも8時30分にはここを出るはずだ。俺の予想では家を出ようとしたタイミングでピーちゃんに遭遇し、餌をやって遅刻パターンだ」
俺はそう思っていたのだが、事実はどうやら違うらしい。今は朝7時を回ったばかりだがすでにピーちゃんが玄関前で鳴いている。そしてその声が聞こえたのか後輩ちゃんが大量の魚を持って出てきた。どういうことだ? これでは普通に間に合ってしまう。
まあそれはそれで良いことだが……
案の定30分したあたりでピーちゃんは魚を平らげどこかへ去っていった。今から出社まで1時間近くある。逆にここからどうやって遅刻するのか見てみたい。
しばらくするとドアが開き、後輩ちゃんが身支度を整えどこかへ向かうようだ。俺は時計を確認するが、どう考えても出社には早すぎる。
いったいどこに向かうのか分からないが、こっそりと後をつける。このあいだストーカー事件を解決したばかりだというのに、これでは俺がストーカーみたいではないか。そう思ったが、そもそも探偵ってある意味ストーカーが本業なのかも知れないと考え、探偵=ストーカーという本業の方に怒られそうな結論に至った。
「どこに向かう気だ?」
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