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3話

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僕が下を向きながら謝ると公爵様は大きなため息をついてから僕に質問をしてきた。

「…お前犯罪に手を染めた事があるか…?」

「え?!そ、そんなことした事がありませんよ?!」

公爵様からの予想外の質問に僕はアワアワしながらやっていないと強く主張した。

「な、何故急にそんな事を…?」

僕が公爵様にそう質問すると公爵様は眉間に皺を寄せて何か考え事をし始めた。

僕の体感で1分間くらい考え事をしていた公爵様は僕の目を見ながら

「今まで職業柄多くの罪人を見てきたがお前の様な濁った色の魂を俺は一度も見た事が無い」

「私の魂の色はどの様な色なのでしょうか?」

魂を見る事ができるのは竜人だけだと前授業で習ったがそれ以外の詳しい事は何も教えて貰えなかったから濁った色って言われてもよく分からないし…。

「…お前の魂の色は緑と茶色などが入り混じった感じだな…」

茶色と緑…?なんか既視感が…。

後少しで何か思い出しそうだとウーンッと考えていると公爵様がお前に一つサインしてほしい契約書があると僕に言ってきた。

「え…?契約書ですか…?」

もしかして、運命の番が俺だったから慰謝料払えとか…?

僕そんなお金持ってないよ…と思いながら手を震わせていたら公爵様が契約書内容を話し出した。

「さっきも言ったが俺はお前と番いにならない。」

「は、はい…分かりました。」

「それにあたってお前には二つ契約を結んでもらいたい。」

「二つ…ですか?」

「あぁ、そうだ。」

「一つ目、お前が俺の運命の番だと言う事を誰にも漏らさない事。」

「そして二つ目、仕事以外で許可なく俺に話しかけるな」

「簡単だろう。」

「俺は逆にお前に不利になる様なことは何もしない。」

「そして、俺がお前の番だったと言う事実は契約後は誰にも言わないし俺も仕事以外でお前に話しかけたりはしない。」

そう言いながら公爵様は同じ内容が書かれた契約書を僕の前に置いた。

契約書に僕が一方的に不利になってしまう様な事が書かれていないかどうかを確認していると最後の項目に契約を違反した場合一億円の違約金が発生する。と記入されていた。

「え、違約金一億円?!」

僕は数字を読み間違えたのかと思って紙を目の前に持ってきて数え直してみたがそこには間違いなく一億円と記載されていた。

「本当に1億円だ…」

「そうだ…こうしておけばお前は契約違反しようとは思わないだろ…?」

この契約書からはお前のことは一切信用していないと言う公爵様の強い思いを感じた。

人から嫌われる才能があるとずっと思っていたがまさかの番からも嫌われるとは…。

…やっぱり僕の事を愛してくれる人は何処にもいないんだな…僕はこのまま死ぬまでひとりぼっちなんだろうな。

などと自虐的思考になりながら何も言わずに契約書にサインをした。

「何か一つくらいは文句を言われると思っていたのだが?」

と公爵が少し驚いた顔をして僕を見ていたが僕は少し微笑んで

「僕が不利になってしまう様なことは書いていなかったので…」 

「…そうか。まぁ、良いこれで契約は完了だ。」

「これからはまた俺たちは他人同士だ一億円の違約金を払いたくないなら契約は守れよ。」

「はい。わかりました。」

そう言って僕は騎士団長室を退室した。













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