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第2章 領地編1~新たな出会い~
第51話 ラッキースケベ再び!?
しおりを挟む『うぬぬぬぬぬ! ぬぉぉぉぉお!!』
と叫びまくったべにちゃん。だが、結局人間にはなれなかった。
『お姉様……期待に応えられなくて、ごめんなさい』
「ううん。がんばってくれて、ありがとね」
ショボくれてしまったべにちゃん。とさかを優しく撫でれば、嬉しそうに目を細めた。
『なっさけないわね! そのオロチってやつはできたんでしょ? 同じ眷属として既に負けてるじゃないの』
『しゅいさんこそ、人間になれてないじゃないですか!』
『なんですってぇ!! べに、お手本を見せてあげるから、見てなさいよ!』
しゅいちゃんはそう言うけど、難しいだろうな。なんて、思っていたのだが──。
ボッフン!!
しゅいちゃんを白い煙が包んだ。
「えっ!? 嘘でしょ? ってか、服は? しゅいちゃん、服着てんの!?」
慌てる私の言葉は、全くといって良いほどしゅいちゃんには届いていない。
『ふへへへへへ。やったわ。やってやったわ! あたしだってね、やればできるのよ!!』
「わかった! しゅいちゃんができるのは、よく分かったから! 服は? ねぇ、服は着てるんだよね!?」
ふへふへと笑い声は聞こえるものの、返事なし。どうすんのよ……。
なんて思っている間にも煙は徐々になくなっていき、艶かしいスラッとした足が見えた。
「くっそ! ラッキースケベなんかい!! ノア、後ろ向いてて!」
「もう、向いてるよ。メモルにバスローブを何個か持ってくるように伝えたから」
魔術を使って、メモルに指示を出してくれたみたい。それは助かるんだけど……。
「バスローブより服の方が……」
「服だとサイズが分からないでしょ? とりあえず、サイズが大まかなものの方がいいかと思ったんだけど」
「確かに!」
流石ノア!! って感じだよー。これで、服問題はとりあえず解決……かな?
あーぁ。ミモルに私たちは大丈夫だから、他のレッドプテラのことをお願いね! って言っちゃったけど、ちっとも大丈夫じゃなかったなぁ。
なんて思っているうちに煙はほぼ無くなった。
『ほら! ちゃんと人間になったわよ!!』
しゅいちゃんは、こちらが視線をそらしてしまう程、堂々と姿を現した。両手を腰にあてて胸を張り、非常に誇らしげだ。
朱色の腰まであるストレートな長い髪。意思の強そうなオレンジ色の瞳。色の白い肌。漂うギャル感。間違いなく、美人さんだ。
だけど、だけどさぁ!!
「やっぱり全裸だったじゃんかぁ! 私の話し聞いてた!?」
あんなに服着てるか確認したじゃんかーーーー!!!!
『アリア、なに言ってるの? 魔物に服は必要ないわよ』
「しゅいちゃん、今は人間だから! それに、魔物でも服着てる子いるから! 郷に入れば郷に従ってよぉぉぉお!!」
私の叫びにしゅいちゃんだけじゃなく、べにちゃんまでもが首を傾げている。
『こんなに素敵な体なのに、何で隠すのよ』
『郷に入れば郷に従って? どういう意味ですか?』
んぁぁぁあ! 全く伝わんない!! 確かに、しゅいちゃんはボン・キュッ・ボンのナイスバディだけども。
だけども、それじゃ変質者だから! ラッキースケベとかの次元じゃない! 強制スケベイベントになっちゃうよ。急にエロゲー感を出してくるの、勘弁して!!
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