悪役令嬢は、最愛の弟と自分の幸せを奪うものを許さない!!すべてを物理でねじ伏せさせて頂きます

うり北 うりこ@ざまされ書籍化決定

文字の大きさ
上 下
83 / 99
第2章 領地編1~新たな出会い~

第41話 脳内に焼き付けよう

しおりを挟む

「求愛ってどうやって断ればいいのぉ!」
 
 半泣きである。魔物に求愛されたとか、どうなってるんだ。うっかり受けてしまったら大変なことは間違いない。
 
「待ってて! セバスに聞くから!! 絶対に動かないでね。何か反応したらダメだからね!」
 
 かなり念を押されてしまった。頼りない姉ですまない。ノアも焦ってるんだろうな。早口だったし……。

 もしかしたら、魔物から求愛ダンスをされた人間は私が史上2番目かもしれない。因みに1番目は私のご先祖様。求愛したのか、されたのかは分からないけど。スコルピウス家の魔力が高いのは、魔物であるご先祖様のおかげだ。

 魔物からの求愛にどうしたら良いのか分からず無反応な私に、リーダーの求愛行動は続く。
 他のレッドプテラたちが見守っているような気がするのは気のせいだと思いたい。
 
 ピーギャアピーギャァ!!
 
 何もできずにいる間も、リーダーは回転しながら私の周りを旋回するという求愛ダンスは続く。体感では既に30分くらい経過したように感じるが、ノアからの返事はない。
 その間も求愛は止まらず、回転しながら時々炎まで出すものだから炎の輪がくるくると回っているようにまで見える。

 すごい! 大道芸みたい!! 拍手したい……けど、我慢だ。多分、拍手は不正解。自己判断、ダメ絶対。

 それなのに、リーダーはヒートアップしていく。自分で作った火の輪をくぐったり、器用にくちばしと短い尻尾を使って火の玉のジャグリングも見せてくれる。なんだか、求愛というより私の興味を引こうとしているように思えてきた。

「姉さん! 断り方が分かったよ! 分かったんだけど……その……」
「どうしたの?」

 珍しく言い淀んでいるノアに、もしかしたら求愛を断るのはかなり難しいのでは? と不安になる。

「僕が言うのを覚えてね。求愛の断り方だから。いくよ。キギャキギャギャピーキギャギャ、キキャギャギャピギャー」
「…………えっ?」
「レッドプテラの求愛を断る鳴き方だから覚えて。求愛が終わるまで伝えるから。姉さんの声は僕には聞こえないし。もう一回言うよ。キギャキギャギャピーキギャギャ、キキャギャギャピギャー」

 どことなく恥ずかしそうにレッドプテラの鳴き方をするノアが可愛い。これは、覚えられても確認のために何回か聞いても良いやつだろうか。
 脳の海馬かいばを一時的に強化すれば記憶力がアップするから、レッドプテラの求愛の断り方もすぐに覚えられるだろうけど。

 あれ? もしかしなくても、言葉だけじゃなくて恥ずかしそうに話すノアも視力をあげれば見れる? 見ながら声とともに記憶できるんじゃ……。

「キギャキギャギャピーキギャギャ、キキャギャギャピギャー」

 視力を強化した私は、少し頬を染めながら言うノアを脳内に焼き付ける。あぁ、尊い……。じゃなくて、私もやらないと。

「キギャキギャギャピーキギャギャ、キキャギャギャピギャー!!」

 そう叫んだ瞬間、くちばしと短い尻尾を上手く使って火の玉ジャグリングを披露していたレッドプテラの動きが止まった。そして、真っ逆さまに落ちていく。

「え? えぇぇぇぇ!?」

 キラキラと光る何かが見える。それはリーダーの目からこぼれていて……。
 えっと、泣かした……のか? 

 木々にぶつかりながらも無抵抗に落ちていく様に罪悪感が過る。ジャグリングしていた火の玉は全てリーダーにあたっていた。

 
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした

miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。 婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。 (ゲーム通りになるとは限らないのかも) ・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。 周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。 馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。 冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。 強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!? ※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

婚約破棄をいたしましょう。

見丘ユタ
恋愛
悪役令嬢である侯爵令嬢、コーデリアに転生したと気づいた主人公は、卒業パーティーの婚約破棄を回避するために奔走する。 しかし無慈悲にも卒業パーティーの最中、婚約者の王太子、テリーに呼び出されてしまうのだった。

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

鳳ナナ
恋愛
第二王子カイルの婚約者、公爵令嬢スカーレットは舞踏会の最中突然婚約破棄を言い渡される。 王子が溺愛する見知らぬ男爵令嬢テレネッツァに嫌がらせをしたと言いがかりを付けられた上、 大勢の取り巻きに糾弾され、すべての罪を被れとまで言われた彼女は、ついに我慢することをやめた。 「この場を去る前に、最後に一つだけお願いしてもよろしいでしょうか」 乱れ飛ぶ罵声、弾け飛ぶイケメン── 手のひらはドリルのように回転し、舞踏会は血に染まった。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。

ヒロインに悪役令嬢呼ばわりされた聖女は、婚約破棄を喜ぶ ~婚約破棄後の人生、貴方に出会えて幸せです!~

飛鳥井 真理
恋愛
それは、第一王子ロバートとの正式な婚約式の前夜に行われた舞踏会でのこと。公爵令嬢アンドレアは、その華やかな祝いの場で王子から一方的に婚約を解消すると告げられてしまう……。しかし婚約破棄後の彼女には、思っても見なかった幸運が次々と訪れることになるのだった……。 『婚約破棄後の人生……貴方に出会て幸せです!』  ※溺愛要素は後半の、第62話目辺りからになります。 ※ストックが無くなりましたので、不定期更新になります。 ※連載中も随時、加筆・修正をしていきます。よろしくお願い致します。 ※ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

婚約破棄ですか。ゲームみたいに上手くはいきませんよ?

ゆるり
恋愛
公爵令嬢スカーレットは婚約者を紹介された時に前世を思い出した。そして、この世界が前世での乙女ゲームの世界に似ていることに気付く。シナリオなんて気にせず生きていくことを決めたが、学園にヒロイン気取りの少女が入学してきたことで、スカーレットの運命が変わっていく。全6話予定

処理中です...