Way‐World‐Online〜のんびりするつもりが気づいたら有名人になってた。〜

白くまきゅん

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森にはくまさん?

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「つきました。」

そこはただならぬ恐怖を感じるところだった。

「こ、ここなの?」

「はい。ここです。」

「ほんとに?ここなの?」

「えぇ。ほんとにここです。」

逃げることは許されないらしいです。とほほ…

「ユナ様、行く前に固有スキル【融合】と【分解】、【リンク】を常時発動にしてください。」

「どゆこと?」

メラによると僕が持ってる固有スキル【ブレス】以外は常時発動機能というのがあり、ONとOFFができるとの事、知らなかった…。

「…ん、したよ。」

「では行きましょう。」

そして僕達はこのいかにも霊的な何かが出てきそうな森へ入っていった。

━━━━━…

「こ、怖いよぉ…」

あれから約5分後、僕はメラの背中に顔を埋めていた。

「ユナ様、それではLvが上がるものも上がりませんよ?」

そう言うメラは僕を背中につけながらも敵を瞬殺で倒していた。

どうなってんのそれ?

「だ、だってぇ…」

視界がなぜか霞む中僕はメラに抗議しようと背中から顔を離す…と、

ガサッ

「ひにゃ!?い、いいいままし白いのととうてきた!」

「、ユナ様それでは何を言ってるのか分かりません。今のはハイロウルフですね。ユナ様、白ではなく灰色ですよ…ふふ、また顔を埋めてしまってますね。」

ホラーが苦手でないが悪いの!?ホラーが苦手な人だっているの!グロテスクが苦手な人だっているんの!え?そんなこと聞いてない?…、うぅぅぅ。

「ではユナ様、何がお歌を歌ってはどうでしょうか?そうすれば多少は恐怖も和らぐと思いますよ?」

「…なるほど。」

確かに和らぐ…かも?

ん~…でも歌かぁ、森…

「ある日ぃ~、森の中~、くまさんに~であったぁ~、」

うぅ、これしか出てこなかったよ…しかもなんか怖さが増えてる気がするよ…

「森の熊さんですね?」

「うん…森って来たらこれしか思いつかなかったの…。」

そしてとりあえず続きを歌う、

「花咲くも~り~の、道ぃ…くまさんに~であt」

グオォォォォ!!!

「ひにゃァァ!?」

「あら、ほんとに出会いましたね。」

僕は、森のくまさんにほんとの意味で出会いました。…嬉しくないです。

「…めにゃ…こひにゅけた…」

もうやだ…なんであんなとこにスタンバってるのかな?真横からだったよ?びっくりしすぎて腰が抜けて動けなくなっちゃったよ!

「ユナ様…かわっ…コホン、――――【ヒール】、これでもう大丈夫ですよ。」

そう言いながら僕を持ち上げる…メラさん?さっき可愛いって言おうとしませんでしたか?

「グオォォォォ!!!」

「うるさいですね、ユナ様の声が聞こえなくなってしまうでは無いですか!――――【サイレント】」

「――!?」

メラがサイレントという魔法?を使うとクマは何かを発しているのか口をパクパクと動かした。が、何も発されずその場はただ未だバックンバックンと僕の心臓がやけに大きく響くだけだった。…何これ恥ずかしい。

クマは何も発することが出来ないとわかったらしく、次の行動に移る、

ビュッ

「おっと、大きい体格にしては意外と早いですね?」

「え?」

気がついた時にはクマは先程いた位置にはいなくなっており僕達がいたと思われる場所にいた。

「…。」

クマ早っ!?いや、それを一瞬で避けて別の位置に移動したメラもすごいんだけどね!?

「これではユナ様の戦闘相手として少し難しいですね…」

「へぇ?」

ナニイッテンノコノヒト?

「そうですね。――――【鈍足】っと、ではユナ様?頑張って倒していた下さいね?」

「えぇ?」

「―――――!!!」

「っ!?…あれ?遅い?」

少しメラが言ったことに理解が追いつかなかったけど…メラは僕にこのクマを倒せと言ってるんだと理解した。そして、その時クマが僕めがけて襲いかかってくる、さっきみたいに一瞬にして襲って来ると思ったけど、今度は…その、簡単に言うと普通の人が走った時ぐらいの速さだった。

「……遅くなりすぎではないかな?」

「そもそもユナ様に戦闘をさせたくないのですよ?ですがそれではユナ様の楽しみを奪ってしまうのでほんの微小の手助けをさせていただきました。ちなみに使ったものは【サイレント】【鈍足】ですね。サイレントはうるさい声を消し、鈍足では巨体の瞬足という気持ち悪さを取り除いております。」

あ~…うん、なんか…クマが哀れに見えてきたよ…。

「ですが力はそのままです。今のユナ様なら大丈夫だと思いますが…いえ、やっぱりダメです。いっその事攻撃力も削いで、いや、そもそも動けなくすれば…」

「だ、大丈夫だよ!このままで良いよ!」

やめたげてぇ!くまさんの顔が引いてるようにしか見えなくなってきたよ!

「そうですか?」

僕は顔を上下に振った。
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