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第二章 死竜の砦
第二十九話「最強の盾」
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木剣を構えた俺だったが、
「うあああっ!」
矢が発射される際の風圧だけで、木剣は中程から折れたあとバラバラになった。
背中に冷たい汗が流れる。
十分な距離を取っておいて良かった。
接近していたなら俺まで吹き飛ばされていただろう。
もう武器はない。
このまま何もしなければ俺は矢に貫かれて死ぬ。
かといって避けることはできるが、そうすれば俺のはるか後方に建つ校舎に被害が出てしまう。
(そうだ……!)
俺は懐からブランドン先生から預かったものを取りだした。
それはアステリア王国の〈神器〉である〈樹竜の鱗〉だ。
ブランドン先生がまだこれを持っていたとは驚きだが、いまはこれに頼るしかなさそうだ。
並のドラゴンの鱗なら矢は貫通してしまうだろう。
しかしこれが本物なら十二神竜に連なる樹竜のものだ。
この小ささで不安は大いにあるが、これに賭けるしかない。
俺は〈樹竜の鱗〉を握った右手を前方に突き出した。
「――!?」
その瞬間、俺の右目が熱を帯びる。
「魔眼と共鳴しているのか!?」
俺の右目〈風竜の魔眼〉と右手に握った〈樹竜の鱗〉との間に、小さな稲妻のようなものが迸った。
どんどん魔眼から魔力が抜けていく。
代わりにその魔力は〈樹竜の鱗〉に送られているようだった。
「おわっ……! こ、これは……!?」
そして驚くことに〈樹竜の鱗〉は次第に巨大化していき、一呼吸もするとドラゴンの鱗のように変化した。
完成したのは俺の体全体を隠せるぐらいに大きくなった〈樹竜の鱗〉だった。
見た目も石みたいな状態から、先日見たワイバーンの鱗みたいに変化している。
「間違いない! これはドラゴンの……〈樹竜の鱗〉だ!」
特大の矢が俺に肉薄していた。
いまからではもう避けることさえ間に合わない。
「これで矢を受け止めるッ!」
――ドドンッ!
矢の先端が〈樹竜の鱗〉に直撃した。
俺は両手でそれをしっかり握っていたが、〈樹竜の鱗〉の重量と矢の衝撃で身動きが取れない。
いまの体勢を維持するので限界だった。
「うおあああああああああっ!」
矢を受け止めることに成功はした。
だが、完全に防ぐことができるのかはまだわからない。
力では押し負けている。
俺の体はもの凄い勢いで後方に吹っ飛ばされている。
矢の先端に俺が張りついている形だ。
「このっ……! くそっ……! 止まれえええええええええぇっ!」
俺の思いとは裏腹に、目の前の〈樹竜の鱗〉裏側から矢の先端が突き出してきた。
「くっ……!」
〈樹竜の鱗〉の耐久力は俺の右目の〈風竜の魔眼〉から供給されているとみて間違いない。
魔眼が激しく消耗していってるのがわかる。
魔力が尽きれば、俺は〈樹竜の鱗〉ともども矢に貫かれるだろう。
そんな時、彼女の言葉が脳裏をよぎった。
剣聖の従者、いや仲間だというティアカパンさんの言葉だ。
『魔眼の制御に苦労しておるようじゃの。十七年も経てば、その魔眼は完全におぬしの体の一部になっていると言っても過言はなかろう。だったら、完全に制御できるはずじゃ。そう、おぬしが手足を動かすように簡単にな』
簡単に言ってくれたが、アドバイスを聞いてから魔眼の消費が緩やかになったのは事実だ。
いまはその言葉を信じるしかない。
「うおおおおおおっ! 止まれぇぇぇぇっ!」
その瞬間、魔眼が焼け付くような熱を帯び稲妻が迸った。
そしてその稲妻に見える魔力は〈樹竜の鱗〉に厚みを持たせた。
目の前に迫っていた矢の先端が〈樹竜の鱗〉に埋もれていく。
手応えはあった。
いま〈樹竜の鱗〉の強度がバリスタから放たれた矢の貫通力を完全に上回った。
このままいけば矢は次第に失速し、地面に落ちるだろう。
幸い地面には草地が広がっているだけで人の影も見えない。
バリスタの近くには予備の矢は見当たらなかったし、ジェラルドもこの一発に賭けていたはずだ。
勝利を確信した俺だったが、
「なっ……!?」
厚みが増えた分〈樹竜の鱗〉の重量は随分と増していた。
〈樹竜の鱗〉の縁を掴んでいた俺の両手に、ズシンと重みが加わる。
同時に〈樹竜の鱗〉がわずかに下がった。
そして〈樹竜の鱗〉の中心部に感じていた衝撃が、上半分へとズレたのがわかる。
「くっ……! うおおおおおおおっ!」
俺は歯を食いしばりながら〈樹竜の鱗〉を持ち上げようとするが、矢の力が強くうまくいかない。
このままだと〈樹竜の鱗〉が完全にズレて、俺に矢が直撃してしまうだろう。
「――だったら……!」
俺は両膝をぐっと胸に引きつけた。
そして、一気に伸ばして〈樹竜の鱗〉思いっきり蹴った。
〈樹竜の鱗〉は矢が接している点を中心にしてグルッと回転する。
そうして〈樹竜の鱗〉の下半分が、狙いどおり矢の軸に命中した。
破砕音が耳をつんざく。
矢の軸が折れたのだ。
砕けた軸が空中でバラバラになりながら地面に落下していく。
矢の先端は完全に力を失って一緒に地面に落ちていった。
「やった……!」
しかし、俺が後方に吹っ飛ばされている勢いは止まらない。
すでに背中の翼は消失しているが、高度を保ったまま俺は為す術もなく勢いに身を任せる。
首を動かして肩越しに後方を確認すると、すぐそこまで校舎が迫っていた。
死竜の砦から学院の校舎までの距離を吹っ飛ばされていたわけだ。
「このままだと、矢の代わりに俺が校舎に突っ込むことになるな……!」
高さから目測すると、このままいけば校舎の天辺にある鐘塔の壁に激突することになる。
勢いは徐々に弱まっているとはいえ、壁に激突なんてことになれば大怪我は必至だ。
打ち所が悪ければ命を落とす可能性もある。
どうするか思案していると、校舎の屋上に人影が見えた。
近づくにつれ、その人影が誰であるかハッキリとしてくる。
俺の良く知っている人物だった。
「――ブランドン先生……!?」
校舎の屋上、鐘塔の前に立っていたのは風竜クラスの担任ブランドン先生だった。
もうすぐ近くまで迫っている。
その時、破砕音とともに俺の右足に強烈な痛みが走った。
「うっ……! うああああっ!」
校舎の屋上の縁に俺の右足が当たったようだ。
縁の石は少し欠けていた。
俺は激痛に顔をしかめる。
右足は恐らくいまので折れてしまっただろう。
「アルバート! 何もしなくていい! そのまま動くんじゃない!」
ブランドン先生が叫ぶ。
次の瞬間、背中に衝撃が走る。
俺の両脇の下から、ブランドン先生の腕が伸びた。
ブランドン先生が俺を受け止めたのだ。
言葉になってない呻きを上げながら、俺とブランドン先生は後方に飛ばされる。
ブランドン先生の両足と地面との摩擦音が耳に響く。
俺は左足を地面に伸ばして、少しでも勢いを殺そうと試みた。
「とっ……まれぇぇぇぇっ!」
足を伸ばした拍子に腕の力が緩んだのか、〈樹竜の鱗〉が俺に向かって倒れてきた。
咄嗟に避けることもままならず、俺とブランドン先生は〈樹竜の鱗〉の下敷きになった。
幸運にもこれで壁に激突するのだけは免れたみたいだ。
「ア、アルバート! 重いっ……!」
「あっ、ごめん!」
俺は横に転がるようにしてブランドン先生の上から降りた。
そのまま〈樹竜の鱗〉をその辺に放りだす。
俺は上半身だけ起こして、ブランドン先生に目をやった。
ブランドン先生はすぐに立ち上がって、埃を払っていた。
「ブランドン先生、どうしてここに……?」
「きみならバリスタを何とかしてくれると思ってね。しばらく前からここで待機していたんだ」
そう言っていつもの飄々とした笑みで、ブランドン先生は俺を眺めていた。
「うあああっ!」
矢が発射される際の風圧だけで、木剣は中程から折れたあとバラバラになった。
背中に冷たい汗が流れる。
十分な距離を取っておいて良かった。
接近していたなら俺まで吹き飛ばされていただろう。
もう武器はない。
このまま何もしなければ俺は矢に貫かれて死ぬ。
かといって避けることはできるが、そうすれば俺のはるか後方に建つ校舎に被害が出てしまう。
(そうだ……!)
俺は懐からブランドン先生から預かったものを取りだした。
それはアステリア王国の〈神器〉である〈樹竜の鱗〉だ。
ブランドン先生がまだこれを持っていたとは驚きだが、いまはこれに頼るしかなさそうだ。
並のドラゴンの鱗なら矢は貫通してしまうだろう。
しかしこれが本物なら十二神竜に連なる樹竜のものだ。
この小ささで不安は大いにあるが、これに賭けるしかない。
俺は〈樹竜の鱗〉を握った右手を前方に突き出した。
「――!?」
その瞬間、俺の右目が熱を帯びる。
「魔眼と共鳴しているのか!?」
俺の右目〈風竜の魔眼〉と右手に握った〈樹竜の鱗〉との間に、小さな稲妻のようなものが迸った。
どんどん魔眼から魔力が抜けていく。
代わりにその魔力は〈樹竜の鱗〉に送られているようだった。
「おわっ……! こ、これは……!?」
そして驚くことに〈樹竜の鱗〉は次第に巨大化していき、一呼吸もするとドラゴンの鱗のように変化した。
完成したのは俺の体全体を隠せるぐらいに大きくなった〈樹竜の鱗〉だった。
見た目も石みたいな状態から、先日見たワイバーンの鱗みたいに変化している。
「間違いない! これはドラゴンの……〈樹竜の鱗〉だ!」
特大の矢が俺に肉薄していた。
いまからではもう避けることさえ間に合わない。
「これで矢を受け止めるッ!」
――ドドンッ!
矢の先端が〈樹竜の鱗〉に直撃した。
俺は両手でそれをしっかり握っていたが、〈樹竜の鱗〉の重量と矢の衝撃で身動きが取れない。
いまの体勢を維持するので限界だった。
「うおあああああああああっ!」
矢を受け止めることに成功はした。
だが、完全に防ぐことができるのかはまだわからない。
力では押し負けている。
俺の体はもの凄い勢いで後方に吹っ飛ばされている。
矢の先端に俺が張りついている形だ。
「このっ……! くそっ……! 止まれえええええええええぇっ!」
俺の思いとは裏腹に、目の前の〈樹竜の鱗〉裏側から矢の先端が突き出してきた。
「くっ……!」
〈樹竜の鱗〉の耐久力は俺の右目の〈風竜の魔眼〉から供給されているとみて間違いない。
魔眼が激しく消耗していってるのがわかる。
魔力が尽きれば、俺は〈樹竜の鱗〉ともども矢に貫かれるだろう。
そんな時、彼女の言葉が脳裏をよぎった。
剣聖の従者、いや仲間だというティアカパンさんの言葉だ。
『魔眼の制御に苦労しておるようじゃの。十七年も経てば、その魔眼は完全におぬしの体の一部になっていると言っても過言はなかろう。だったら、完全に制御できるはずじゃ。そう、おぬしが手足を動かすように簡単にな』
簡単に言ってくれたが、アドバイスを聞いてから魔眼の消費が緩やかになったのは事実だ。
いまはその言葉を信じるしかない。
「うおおおおおおっ! 止まれぇぇぇぇっ!」
その瞬間、魔眼が焼け付くような熱を帯び稲妻が迸った。
そしてその稲妻に見える魔力は〈樹竜の鱗〉に厚みを持たせた。
目の前に迫っていた矢の先端が〈樹竜の鱗〉に埋もれていく。
手応えはあった。
いま〈樹竜の鱗〉の強度がバリスタから放たれた矢の貫通力を完全に上回った。
このままいけば矢は次第に失速し、地面に落ちるだろう。
幸い地面には草地が広がっているだけで人の影も見えない。
バリスタの近くには予備の矢は見当たらなかったし、ジェラルドもこの一発に賭けていたはずだ。
勝利を確信した俺だったが、
「なっ……!?」
厚みが増えた分〈樹竜の鱗〉の重量は随分と増していた。
〈樹竜の鱗〉の縁を掴んでいた俺の両手に、ズシンと重みが加わる。
同時に〈樹竜の鱗〉がわずかに下がった。
そして〈樹竜の鱗〉の中心部に感じていた衝撃が、上半分へとズレたのがわかる。
「くっ……! うおおおおおおおっ!」
俺は歯を食いしばりながら〈樹竜の鱗〉を持ち上げようとするが、矢の力が強くうまくいかない。
このままだと〈樹竜の鱗〉が完全にズレて、俺に矢が直撃してしまうだろう。
「――だったら……!」
俺は両膝をぐっと胸に引きつけた。
そして、一気に伸ばして〈樹竜の鱗〉思いっきり蹴った。
〈樹竜の鱗〉は矢が接している点を中心にしてグルッと回転する。
そうして〈樹竜の鱗〉の下半分が、狙いどおり矢の軸に命中した。
破砕音が耳をつんざく。
矢の軸が折れたのだ。
砕けた軸が空中でバラバラになりながら地面に落下していく。
矢の先端は完全に力を失って一緒に地面に落ちていった。
「やった……!」
しかし、俺が後方に吹っ飛ばされている勢いは止まらない。
すでに背中の翼は消失しているが、高度を保ったまま俺は為す術もなく勢いに身を任せる。
首を動かして肩越しに後方を確認すると、すぐそこまで校舎が迫っていた。
死竜の砦から学院の校舎までの距離を吹っ飛ばされていたわけだ。
「このままだと、矢の代わりに俺が校舎に突っ込むことになるな……!」
高さから目測すると、このままいけば校舎の天辺にある鐘塔の壁に激突することになる。
勢いは徐々に弱まっているとはいえ、壁に激突なんてことになれば大怪我は必至だ。
打ち所が悪ければ命を落とす可能性もある。
どうするか思案していると、校舎の屋上に人影が見えた。
近づくにつれ、その人影が誰であるかハッキリとしてくる。
俺の良く知っている人物だった。
「――ブランドン先生……!?」
校舎の屋上、鐘塔の前に立っていたのは風竜クラスの担任ブランドン先生だった。
もうすぐ近くまで迫っている。
その時、破砕音とともに俺の右足に強烈な痛みが走った。
「うっ……! うああああっ!」
校舎の屋上の縁に俺の右足が当たったようだ。
縁の石は少し欠けていた。
俺は激痛に顔をしかめる。
右足は恐らくいまので折れてしまっただろう。
「アルバート! 何もしなくていい! そのまま動くんじゃない!」
ブランドン先生が叫ぶ。
次の瞬間、背中に衝撃が走る。
俺の両脇の下から、ブランドン先生の腕が伸びた。
ブランドン先生が俺を受け止めたのだ。
言葉になってない呻きを上げながら、俺とブランドン先生は後方に飛ばされる。
ブランドン先生の両足と地面との摩擦音が耳に響く。
俺は左足を地面に伸ばして、少しでも勢いを殺そうと試みた。
「とっ……まれぇぇぇぇっ!」
足を伸ばした拍子に腕の力が緩んだのか、〈樹竜の鱗〉が俺に向かって倒れてきた。
咄嗟に避けることもままならず、俺とブランドン先生は〈樹竜の鱗〉の下敷きになった。
幸運にもこれで壁に激突するのだけは免れたみたいだ。
「ア、アルバート! 重いっ……!」
「あっ、ごめん!」
俺は横に転がるようにしてブランドン先生の上から降りた。
そのまま〈樹竜の鱗〉をその辺に放りだす。
俺は上半身だけ起こして、ブランドン先生に目をやった。
ブランドン先生はすぐに立ち上がって、埃を払っていた。
「ブランドン先生、どうしてここに……?」
「きみならバリスタを何とかしてくれると思ってね。しばらく前からここで待機していたんだ」
そう言っていつもの飄々とした笑みで、ブランドン先生は俺を眺めていた。
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