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第二章 死竜の砦
第二十二話「倒れない兄」
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扉の鍵を飲み込んだトラヴィスは、腹をさすっておどけた表情を作る。
俺はトラヴィスのあまりに予想外な行動に、驚きを隠せなかった。
そんな俺を眺めて、トラヴィスは楽しそうに笑う。
「鍵はおれの腹の中だ。鍵が欲しけりゃ、おれを倒して腹を裂くしかないぞ? はたしておまえにできるかな?」
「……予備の鍵はないのか? まさかそれ一つだけってことはないだろう」
「ふぅん、意外と冷静だな。いや、冷静を装ってるだけか? まあ、どっちでもいいさ。予備の鍵? さあな、どうだろう。おれはジェラルドからこれしかもらってないからな。もしあるなら、ジェラルド本人が持ってるだろうよ。だが、そのジェラルドは鍵のかかった扉の中にいるん――」
トラヴィスが言い終えるより前に、俺は床を蹴っていた。
テーブルを跳び越え、木剣を振り上げる。
反応が遅れたトラヴィスがナイフを構えるが、俺のほうが早い。
「うおっ……! あがっ!」
俺の振り下ろした木剣は、狙いどおりトラヴィスの右手首に命中した。
トラヴィスはナイフを床に落として、咄嗟に右手首を押さえた。
「その手じゃもう戦えない。降参しろ。予備の鍵はどこにある? もう一つくらい隠し持っているんだろう?」
これまでの戦法から、トラヴィスならそうしているだろうと思ったのだ。
恐らくこいつは時間を稼いでいる。
ジェラルドが特大バリスタを発射するまでの時間をだ。
だが付き合ってやる暇はない。
トラヴィスがその気なら、俺は徹底的に対抗する。
諦めるまで、その心を折るまで何度でも剣を振るう。
「だから言ってるだろう。鍵が欲しけりゃ、おれを倒せってな!」
トラヴィスがバックステップを刻むが、俺は逃がさない。
一足飛びで攻撃を繰り出し、トラヴィスを転倒させた。
「くっ……いってぇぇっ! おまえ、なんだこの強さは……!?」
「おまえのお喋りに付き合っている時間はない。早く鍵を出せ」
木剣を突きつけている俺は、トラヴィスを見据えて言った。
俺が本気だと悟ったのか、トラヴィスはため息をついてから木剣を手で払いのけた。
そして、背を向けて逃げた。
「逃さない」
俺は両手の木剣を回転させて握り直すと、呪文を詠唱しながら近くの壁を蹴った。
同時に俺の背中から翡翠色の翼が現れる。
そのまま床と並行に飛んだ。
「な、なんだ! 魔法かっ!」
トラヴィスの前に降り立った俺は斬撃を見舞う。
直撃した俺の攻撃は、トラヴィスを派手に吹っ飛ばした。
もちろん加減はしている。
トラヴィスの実力は剣術の初級レベルより下だったからだ。
「もう立てないはずだ。いい加減諦め……ろ?」
立てないはずのトラヴィスが立ち上がった。
「へっ、効かねぇな。おれを倒したかったら殺してでも止めるしかねぇぞ」
トラヴィスの力量を測り、間違いなく立てないほどの攻撃を加えた。
しかし、目の前のトラヴィスは立っている。
見た目は満身創痍だし、その表情も優れない。
「くっはははははっ! 驚いているな? おれはタフだぜ? 剣術の腕はイマイチだが、こと殴られることに関してはそこらの冒険者より上だと自信がある。それが木剣でも同じ事だ。おれに打撃は効かねぇ!」
「そうか。でも俺はここで引くわけにはいかない。ならば、そっちが倒れるまで戦うだけだ」
瞬時にトラヴィスとの距離を詰めて、俺は打撃を加える。
しかし、その都度トラヴィスは不敵な笑みを浮かべて立ち上がった。
「……どうして、そこまでする? 勝負はついた」
「ふん、勝手に決めるな。確かにおれじゃあおまえに勝てないだろうよ。だが、負けもしない。闇ギルドの幹部を舐めてもらっちゃ困るぜ」
「闇ギルドの意地か? いや、それだけじゃないな……ジェラルドの目的に関係しているのか?」
「……さてな。さあ、勝負の続きといこうぜ」
俺は攻撃するが、これ以上打撃を与えたら本当に命に関わる。
だから俺は手加減が難しくなっていた。
トラヴィスは何度も立ち上がり、俺に組み付いてきた。
だが、俺の腰に回した両腕にさほど力はない。
俺が振りほどくと、トラヴィスは簡単に転倒した。
「もうやめろ。これ以上やると……大怪我するぞ」
「させてみろよ。おれはこういうやり取りには慣れっこでな。たいてい、相手が諦めるんだ。俺を相手にするのは相当疲れるらしいぜ」
これ以上打撃に力を加えるとなると、最低でも骨折させるぐらいの攻撃になってしまう。
躊躇していた俺に向かって、トラヴィスが突進する。
俺は身を翻して隙だらけの腹部を突くと、トラヴィスは腹を押さえて転がった。
「うおおおええぇぇえっ!」
床に這いつくばったトラヴィスは、そこで盛大に吐いた。
そして、また立ち上がる。
なんという耐久力だ。
体格は俺とほとんど変わらないのに、どうしてここまで耐えられる?
俺は初めて闇ギルドというものに、少しだけだが戦慄を覚えた。
「はあっ、はあっ……効かねぇ。おれは何度でも立ち上がるぞ。おまえが諦めるまで何度でもな」
俺はトラヴィスの吐瀉物をちらりと見る。
血が混じっていた。
これ以上は長引かせることはできない。
(仕方ない、鍵のことはあとから考えるか)
俺はトラヴィスを倒すことを決めた。
決断した俺の行動は迅速だった。
アレクサンドリート流剣術の打撃技〈テレサ〉を、トラヴィスの顎に的確に命中させた。
「もう寝てろ」
トラヴィスは白目を剥いて、膝を落とした。
床に倒れたトラヴィスは目をきつく閉じて呻いていたが、意識を失う寸前に、
「……弟よ、すまねぇな……。おれはここまでのようだ」
そう漏らした。
その言葉を最後に、トラヴィスは完全に気を失った。
俺はトラヴィスの衣服をまさぐったが、鍵らしきものは発見できなかった。
「……くそ。腹を斬って鍵を取り出すなんてできるわけないだろ」
俺は木剣で床を突いた。
すると、その振動で何かの音が聞こえた。
周囲を見回すが、何の音かわからない。
そして、俺の視線がさっきトラヴィスの吐いた吐瀉物で止まる。
「……まさか」
俺はそこへ近づいた。
不快な匂いが鼻につくが、目を凝らして見ると、そこには鍵があった。
「腹を突いた時に出てきたのか。何にせよ、これで上に行ける」
俺は顔を顰めながら、鍵を拾い上げると階段に向かった。
階段を登り切ると、右側に扉があった。
正面には下りの階段が見える。
その向こうからはかすかに声が聞こえる。
下には死竜クラスの生徒がいるかもしれない。
そちらは無視して、俺は扉にあった鍵穴に鍵を差し込んだ。
カチャリと、解錠音が響き、俺はゆっくりと扉を開けた。
そこには短い階段があった。
注意を払いながら上っていくと、見知った顔が俺を出迎えた。
「よお、後輩。随分早かったな」
六年死竜クラスの生徒で、この死竜の砦の支配者ジェラルドだ。
椅子に浅く腰かけて前傾姿勢を取っている。
両肘を膝に置き、両手は気怠そうにだらんと下げていた。
しかし、顔だけは上げて俺を見据えている。
口元はわずかに笑っていた。
「ここまで来るのは、後輩には楽な仕事だったか?」
「いえ、結構手を焼きましたよ先輩」
俺はジェラルドの目を見て告げた。
俺はトラヴィスのあまりに予想外な行動に、驚きを隠せなかった。
そんな俺を眺めて、トラヴィスは楽しそうに笑う。
「鍵はおれの腹の中だ。鍵が欲しけりゃ、おれを倒して腹を裂くしかないぞ? はたしておまえにできるかな?」
「……予備の鍵はないのか? まさかそれ一つだけってことはないだろう」
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トラヴィスが言い終えるより前に、俺は床を蹴っていた。
テーブルを跳び越え、木剣を振り上げる。
反応が遅れたトラヴィスがナイフを構えるが、俺のほうが早い。
「うおっ……! あがっ!」
俺の振り下ろした木剣は、狙いどおりトラヴィスの右手首に命中した。
トラヴィスはナイフを床に落として、咄嗟に右手首を押さえた。
「その手じゃもう戦えない。降参しろ。予備の鍵はどこにある? もう一つくらい隠し持っているんだろう?」
これまでの戦法から、トラヴィスならそうしているだろうと思ったのだ。
恐らくこいつは時間を稼いでいる。
ジェラルドが特大バリスタを発射するまでの時間をだ。
だが付き合ってやる暇はない。
トラヴィスがその気なら、俺は徹底的に対抗する。
諦めるまで、その心を折るまで何度でも剣を振るう。
「だから言ってるだろう。鍵が欲しけりゃ、おれを倒せってな!」
トラヴィスがバックステップを刻むが、俺は逃がさない。
一足飛びで攻撃を繰り出し、トラヴィスを転倒させた。
「くっ……いってぇぇっ! おまえ、なんだこの強さは……!?」
「おまえのお喋りに付き合っている時間はない。早く鍵を出せ」
木剣を突きつけている俺は、トラヴィスを見据えて言った。
俺が本気だと悟ったのか、トラヴィスはため息をついてから木剣を手で払いのけた。
そして、背を向けて逃げた。
「逃さない」
俺は両手の木剣を回転させて握り直すと、呪文を詠唱しながら近くの壁を蹴った。
同時に俺の背中から翡翠色の翼が現れる。
そのまま床と並行に飛んだ。
「な、なんだ! 魔法かっ!」
トラヴィスの前に降り立った俺は斬撃を見舞う。
直撃した俺の攻撃は、トラヴィスを派手に吹っ飛ばした。
もちろん加減はしている。
トラヴィスの実力は剣術の初級レベルより下だったからだ。
「もう立てないはずだ。いい加減諦め……ろ?」
立てないはずのトラヴィスが立ち上がった。
「へっ、効かねぇな。おれを倒したかったら殺してでも止めるしかねぇぞ」
トラヴィスの力量を測り、間違いなく立てないほどの攻撃を加えた。
しかし、目の前のトラヴィスは立っている。
見た目は満身創痍だし、その表情も優れない。
「くっはははははっ! 驚いているな? おれはタフだぜ? 剣術の腕はイマイチだが、こと殴られることに関してはそこらの冒険者より上だと自信がある。それが木剣でも同じ事だ。おれに打撃は効かねぇ!」
「そうか。でも俺はここで引くわけにはいかない。ならば、そっちが倒れるまで戦うだけだ」
瞬時にトラヴィスとの距離を詰めて、俺は打撃を加える。
しかし、その都度トラヴィスは不敵な笑みを浮かべて立ち上がった。
「……どうして、そこまでする? 勝負はついた」
「ふん、勝手に決めるな。確かにおれじゃあおまえに勝てないだろうよ。だが、負けもしない。闇ギルドの幹部を舐めてもらっちゃ困るぜ」
「闇ギルドの意地か? いや、それだけじゃないな……ジェラルドの目的に関係しているのか?」
「……さてな。さあ、勝負の続きといこうぜ」
俺は攻撃するが、これ以上打撃を与えたら本当に命に関わる。
だから俺は手加減が難しくなっていた。
トラヴィスは何度も立ち上がり、俺に組み付いてきた。
だが、俺の腰に回した両腕にさほど力はない。
俺が振りほどくと、トラヴィスは簡単に転倒した。
「もうやめろ。これ以上やると……大怪我するぞ」
「させてみろよ。おれはこういうやり取りには慣れっこでな。たいてい、相手が諦めるんだ。俺を相手にするのは相当疲れるらしいぜ」
これ以上打撃に力を加えるとなると、最低でも骨折させるぐらいの攻撃になってしまう。
躊躇していた俺に向かって、トラヴィスが突進する。
俺は身を翻して隙だらけの腹部を突くと、トラヴィスは腹を押さえて転がった。
「うおおおええぇぇえっ!」
床に這いつくばったトラヴィスは、そこで盛大に吐いた。
そして、また立ち上がる。
なんという耐久力だ。
体格は俺とほとんど変わらないのに、どうしてここまで耐えられる?
俺は初めて闇ギルドというものに、少しだけだが戦慄を覚えた。
「はあっ、はあっ……効かねぇ。おれは何度でも立ち上がるぞ。おまえが諦めるまで何度でもな」
俺はトラヴィスの吐瀉物をちらりと見る。
血が混じっていた。
これ以上は長引かせることはできない。
(仕方ない、鍵のことはあとから考えるか)
俺はトラヴィスを倒すことを決めた。
決断した俺の行動は迅速だった。
アレクサンドリート流剣術の打撃技〈テレサ〉を、トラヴィスの顎に的確に命中させた。
「もう寝てろ」
トラヴィスは白目を剥いて、膝を落とした。
床に倒れたトラヴィスは目をきつく閉じて呻いていたが、意識を失う寸前に、
「……弟よ、すまねぇな……。おれはここまでのようだ」
そう漏らした。
その言葉を最後に、トラヴィスは完全に気を失った。
俺はトラヴィスの衣服をまさぐったが、鍵らしきものは発見できなかった。
「……くそ。腹を斬って鍵を取り出すなんてできるわけないだろ」
俺は木剣で床を突いた。
すると、その振動で何かの音が聞こえた。
周囲を見回すが、何の音かわからない。
そして、俺の視線がさっきトラヴィスの吐いた吐瀉物で止まる。
「……まさか」
俺はそこへ近づいた。
不快な匂いが鼻につくが、目を凝らして見ると、そこには鍵があった。
「腹を突いた時に出てきたのか。何にせよ、これで上に行ける」
俺は顔を顰めながら、鍵を拾い上げると階段に向かった。
階段を登り切ると、右側に扉があった。
正面には下りの階段が見える。
その向こうからはかすかに声が聞こえる。
下には死竜クラスの生徒がいるかもしれない。
そちらは無視して、俺は扉にあった鍵穴に鍵を差し込んだ。
カチャリと、解錠音が響き、俺はゆっくりと扉を開けた。
そこには短い階段があった。
注意を払いながら上っていくと、見知った顔が俺を出迎えた。
「よお、後輩。随分早かったな」
六年死竜クラスの生徒で、この死竜の砦の支配者ジェラルドだ。
椅子に浅く腰かけて前傾姿勢を取っている。
両肘を膝に置き、両手は気怠そうにだらんと下げていた。
しかし、顔だけは上げて俺を見据えている。
口元はわずかに笑っていた。
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