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第二章 死竜の砦
第十七話「死竜の砦二階」
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「ううっ……」「くっ……」「はあっ……」
五十人もの死竜クラスの生徒が、肩で息をしながらうずくまっている。
ある生徒は手首を押さえ、そしてある生徒は脚のすねを抱え込むようにその場に座っていた。
この場を仕切っていたスカーレットも悔しそうな表情で、左肩を押さえて片膝をついていた。
(さすがに手加減した状態で五十人を同時に相手するとなると、いささか疲れるな……)
一方、俺のほうは剣で斬られた傷こそはないが、掴みかかられて何発かいいのをもらっていた。
しかし、たいした怪我ではないし、ほとんど無傷と言ってもいいだろう。
「悪いが、中に入らせてもらうぞ」
俺はスカーレットの返答を待たずに、死竜の砦の扉を開いた。
背後からは俺を止める声はなかったので、そのまま中に入って扉を閉める。
扉を背にして、俺は周囲を見回す。
しんと静まり返っていた。
一階は商店が並んでいる。
しかし、先日とは打って変わって人の姿はない。
店には商品が陳列してあるがそのまま放置されている。
そこで、静寂を破るかのように奥の階段から手を叩く音が聞こえた。
「あの人数を相手にして入ってきたか。なかなかみどころがある若者だな」
「……!? お、おまえは……!」
俺の視線の先にいたのは、ミリカ団の副団長リチャード・フィークスだった。
「どうして、部外者のあんたがここにいるんだ?」
「ほう……その口ぶり。俺を知っているようだな」
「有名だよ。悪い意味でな」
「俺が誰かわかっていて、そんな口を聞くとは胆が座っているな。名を聞いておこう」
「アルバート・サビアだ」
「リチャード・フィークス。ミリカ団の副団長をしている。しかし、俺も三十年近く前はこの剣術学院に通っていたが、すっかり様変わりしたな」
リチャードは周りを見ながら言った。
どうして、こいつがここにいるんだ?
まさか、ジェラルドがミリカ団のトラヴィスと密会していたのは、ミリカ団に手伝いをさせるためなのか?
しかも、リチャードは死竜クラスの出身だ。
ジェラルドとも縁がないわけではない。
ジェラルドがミリカ団の団長ジムの実子であればなおさらだ。
「そんな話はどうでもいい。あんたは俺の行く手を阻むためにそこにいるのか?」
「ああ、そうだ。ここに来たやつを叩きのめすのが俺の仕事だ」
「ジェラルドに頼まれたのか?」
「……さてな」
リチャードは上着を脱いで、右肩にかけた。
長袖のシャツ一枚になるが、鍛え上げられた筋肉でいまにも張り裂けそうだ。
武器は持っていないようだ。
ブランドン先生の調べてくれた情報では、元冒険者でグラナート流剣術の中級だったみたいだが。
「ここじゃ喧嘩がしにくい。店を壊しちゃいけないらしいからな。上にこい」
リチャードは俺に背を向けると、階段を上っていった。
俺は警戒しながらも、距離をおいて階段を上る。
二階に着くと、そこは広い部屋だった。
西と東に上に続く階段が見える。
壁際にはテーブルや椅子がまとめて寄せられていた。
「喧嘩しやすいように、ちょっと片付けさせてもらった」
リチャードは肩にかけていた上着をテーブルの上に置いた。
首を左右に傾けながら、シャツの袖をまくり上げる。
「喧嘩……か」
「ああ、そうだ。これは俺とおまえの喧嘩だ。俺の所属とは一切関係がない、ただの個人的な喧嘩だ」
「あんたが、どう思おうが勝手だけど、俺はジェラルドに話しがあるんだ。通させてもらう」
「俺に勝てたら好きにしな」
言ってリチャードは腰を低く落としてから、俺に向かって突進してきた。
俺は剣を抜いて構える。
だが、リチャードは速度を落とさない。
剣に対して丸腰なのに、少しも怯んでいなかった。
「くそっ……!」
たまらず俺は素早く右に避ける。
リチャードは俺のいた場所を通り過ぎて、壁の手前でテーブルを蹴って止まった。
蹴られたテーブルはいまので真っ二つに割れていた。
たいした破壊力だ。
まともに食らったらマズいな。
「壊れてしまったか。これは後で請求されるな」
「一応聞いておくが、剣相手に素手でやる気か?」
「……そうか。これでは、おまえのほうが喧嘩しにくいか。なら、俺も剣を使うとしよう」
リチャードはテーブルの上に無造作に置かれていた木剣を手に取った。
そして俺にも一本投げて寄越した。
「これでいいか?」
「悪いな。もう一本くれるか?」
「欲張りだな。そら」
リチャードは追加でもう一本木剣を寄越した。
俺は双剣を鞘に収めて、二本の木剣を握る。
これなら俺も余計な心配はせずに剣を振える。
「改めて、始めようか」
「ああ、おまえを倒して先に進ませてもらうぞ」
リチャードが床を蹴ると同時に、俺も彼我の距離を詰める。
左から右への横薙ぎを、俺は左右の木剣を使って受け流す。
そこへ、リチャードの蹴りが飛んでくるが、俺は後方に宙返りして躱した。
「ほう、やるな。だが、これはどうだ!」
リチャードの動きは、まさしくグラナート流剣術のそれだ。
元冒険者だけあって、変則的なフェイントも織り交ぜてくる。
実戦を経験しただけあって、いい身のこなしだった。
しかも、腕は上級に近い。
格闘術も身につけているようなので、たとえ上級の剣士と戦っても後れは取らないと推測した。
「おまえ、本当に学生か? えらく慣れた動きをする。おまえ、何者だ?」
「ただの学生だっ!」
リチャードの攻撃を弾いていく。
それが面白いのか、リチャードは楽しそうな顔をする。
「やっぱり、喧嘩はこうでなくてはなッ! 闇ギルド同士の斬った張ったの抗争じゃ、この醍醐味は味わえないッ!」
(魔眼、開眼ッ!)
リチャードが仕掛けるタイミングを待っていた。
俺は魔眼を使い、数手先までリチャードの動きを予測する。
やはり、リチャードの剣はフェイクだ。
回し蹴りが飛んできた。
だが、読んでいた俺は躱す。
「ちっ、俺の蹴りを読んでたかっ!」
俺はしゃがんだ状態から回転しながら立ち上がる。
同時に、右下から左上に斬り上げ技〈アルマス〉を放った。
「くっ……! ぐおおおおおおおおおっ!」
リチャードがシャツが破れ、鋼のような背筋に二筋の傷ができる。
俺はバックステップで距離を取り、反撃備えるために構えた。
膝をついたリチャードは立ち上がらない。
しばしの沈黙の後、リチャードは床に仰向けに寝転がった。
「くそ……。剣には自信があったんだがな。……この喧嘩、俺の負けだ」
「…………」
「嘘じゃない。俺はおまえとはもう終わった」
リチャードは上半身を起こした。
「手加減された一撃でやられて、このまま続けるなんて間抜けな真似ができるか」
と笑いながら言う。
〈アルマス〉を加減していたのを気付くなんて、勝ったのは俺だがリチャードも侮れないなと思った。
「いったい、何が目的なんだ? ミリカ団まで出てくるなんて」
「言っただろう? 俺の行動にミリカ団は関係ない。ただの喧嘩だ。上に行くんならさっさと行け」
リチャードが手を振って、早く行けという仕草をした。
ジェラルドの目的を聞き出そうにも、多分リチャードは口を割らないだろう。
俺は先を急ぐため、階段を上り三階へ向かった。
五十人もの死竜クラスの生徒が、肩で息をしながらうずくまっている。
ある生徒は手首を押さえ、そしてある生徒は脚のすねを抱え込むようにその場に座っていた。
この場を仕切っていたスカーレットも悔しそうな表情で、左肩を押さえて片膝をついていた。
(さすがに手加減した状態で五十人を同時に相手するとなると、いささか疲れるな……)
一方、俺のほうは剣で斬られた傷こそはないが、掴みかかられて何発かいいのをもらっていた。
しかし、たいした怪我ではないし、ほとんど無傷と言ってもいいだろう。
「悪いが、中に入らせてもらうぞ」
俺はスカーレットの返答を待たずに、死竜の砦の扉を開いた。
背後からは俺を止める声はなかったので、そのまま中に入って扉を閉める。
扉を背にして、俺は周囲を見回す。
しんと静まり返っていた。
一階は商店が並んでいる。
しかし、先日とは打って変わって人の姿はない。
店には商品が陳列してあるがそのまま放置されている。
そこで、静寂を破るかのように奥の階段から手を叩く音が聞こえた。
「あの人数を相手にして入ってきたか。なかなかみどころがある若者だな」
「……!? お、おまえは……!」
俺の視線の先にいたのは、ミリカ団の副団長リチャード・フィークスだった。
「どうして、部外者のあんたがここにいるんだ?」
「ほう……その口ぶり。俺を知っているようだな」
「有名だよ。悪い意味でな」
「俺が誰かわかっていて、そんな口を聞くとは胆が座っているな。名を聞いておこう」
「アルバート・サビアだ」
「リチャード・フィークス。ミリカ団の副団長をしている。しかし、俺も三十年近く前はこの剣術学院に通っていたが、すっかり様変わりしたな」
リチャードは周りを見ながら言った。
どうして、こいつがここにいるんだ?
まさか、ジェラルドがミリカ団のトラヴィスと密会していたのは、ミリカ団に手伝いをさせるためなのか?
しかも、リチャードは死竜クラスの出身だ。
ジェラルドとも縁がないわけではない。
ジェラルドがミリカ団の団長ジムの実子であればなおさらだ。
「そんな話はどうでもいい。あんたは俺の行く手を阻むためにそこにいるのか?」
「ああ、そうだ。ここに来たやつを叩きのめすのが俺の仕事だ」
「ジェラルドに頼まれたのか?」
「……さてな」
リチャードは上着を脱いで、右肩にかけた。
長袖のシャツ一枚になるが、鍛え上げられた筋肉でいまにも張り裂けそうだ。
武器は持っていないようだ。
ブランドン先生の調べてくれた情報では、元冒険者でグラナート流剣術の中級だったみたいだが。
「ここじゃ喧嘩がしにくい。店を壊しちゃいけないらしいからな。上にこい」
リチャードは俺に背を向けると、階段を上っていった。
俺は警戒しながらも、距離をおいて階段を上る。
二階に着くと、そこは広い部屋だった。
西と東に上に続く階段が見える。
壁際にはテーブルや椅子がまとめて寄せられていた。
「喧嘩しやすいように、ちょっと片付けさせてもらった」
リチャードは肩にかけていた上着をテーブルの上に置いた。
首を左右に傾けながら、シャツの袖をまくり上げる。
「喧嘩……か」
「ああ、そうだ。これは俺とおまえの喧嘩だ。俺の所属とは一切関係がない、ただの個人的な喧嘩だ」
「あんたが、どう思おうが勝手だけど、俺はジェラルドに話しがあるんだ。通させてもらう」
「俺に勝てたら好きにしな」
言ってリチャードは腰を低く落としてから、俺に向かって突進してきた。
俺は剣を抜いて構える。
だが、リチャードは速度を落とさない。
剣に対して丸腰なのに、少しも怯んでいなかった。
「くそっ……!」
たまらず俺は素早く右に避ける。
リチャードは俺のいた場所を通り過ぎて、壁の手前でテーブルを蹴って止まった。
蹴られたテーブルはいまので真っ二つに割れていた。
たいした破壊力だ。
まともに食らったらマズいな。
「壊れてしまったか。これは後で請求されるな」
「一応聞いておくが、剣相手に素手でやる気か?」
「……そうか。これでは、おまえのほうが喧嘩しにくいか。なら、俺も剣を使うとしよう」
リチャードはテーブルの上に無造作に置かれていた木剣を手に取った。
そして俺にも一本投げて寄越した。
「これでいいか?」
「悪いな。もう一本くれるか?」
「欲張りだな。そら」
リチャードは追加でもう一本木剣を寄越した。
俺は双剣を鞘に収めて、二本の木剣を握る。
これなら俺も余計な心配はせずに剣を振える。
「改めて、始めようか」
「ああ、おまえを倒して先に進ませてもらうぞ」
リチャードが床を蹴ると同時に、俺も彼我の距離を詰める。
左から右への横薙ぎを、俺は左右の木剣を使って受け流す。
そこへ、リチャードの蹴りが飛んでくるが、俺は後方に宙返りして躱した。
「ほう、やるな。だが、これはどうだ!」
リチャードの動きは、まさしくグラナート流剣術のそれだ。
元冒険者だけあって、変則的なフェイントも織り交ぜてくる。
実戦を経験しただけあって、いい身のこなしだった。
しかも、腕は上級に近い。
格闘術も身につけているようなので、たとえ上級の剣士と戦っても後れは取らないと推測した。
「おまえ、本当に学生か? えらく慣れた動きをする。おまえ、何者だ?」
「ただの学生だっ!」
リチャードの攻撃を弾いていく。
それが面白いのか、リチャードは楽しそうな顔をする。
「やっぱり、喧嘩はこうでなくてはなッ! 闇ギルド同士の斬った張ったの抗争じゃ、この醍醐味は味わえないッ!」
(魔眼、開眼ッ!)
リチャードが仕掛けるタイミングを待っていた。
俺は魔眼を使い、数手先までリチャードの動きを予測する。
やはり、リチャードの剣はフェイクだ。
回し蹴りが飛んできた。
だが、読んでいた俺は躱す。
「ちっ、俺の蹴りを読んでたかっ!」
俺はしゃがんだ状態から回転しながら立ち上がる。
同時に、右下から左上に斬り上げ技〈アルマス〉を放った。
「くっ……! ぐおおおおおおおおおっ!」
リチャードがシャツが破れ、鋼のような背筋に二筋の傷ができる。
俺はバックステップで距離を取り、反撃備えるために構えた。
膝をついたリチャードは立ち上がらない。
しばしの沈黙の後、リチャードは床に仰向けに寝転がった。
「くそ……。剣には自信があったんだがな。……この喧嘩、俺の負けだ」
「…………」
「嘘じゃない。俺はおまえとはもう終わった」
リチャードは上半身を起こした。
「手加減された一撃でやられて、このまま続けるなんて間抜けな真似ができるか」
と笑いながら言う。
〈アルマス〉を加減していたのを気付くなんて、勝ったのは俺だがリチャードも侮れないなと思った。
「いったい、何が目的なんだ? ミリカ団まで出てくるなんて」
「言っただろう? 俺の行動にミリカ団は関係ない。ただの喧嘩だ。上に行くんならさっさと行け」
リチャードが手を振って、早く行けという仕草をした。
ジェラルドの目的を聞き出そうにも、多分リチャードは口を割らないだろう。
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