30 / 67
第一章 闇夜の死竜
第二十九話「樹竜の鱗」
しおりを挟む
「隠れ蓑? どういうことだ?」
「ふっ、おまえもすでに気付いているのだろう? 冒険者区で見られたのは、私の失敗だ」
「そうか。あの時、黒ずくめの男を殺したのはおまえだったのか……イアン! いったい何が目的なんだ?」
「目的……そうだな。これが何だかわかるか?」
そう言ってイアンは左手に持った石の破片を持ち上げる。
手のひらほどの大きさの薄い石のようだ。
イアンはその石の破片が何かを知っているようだが、俺にはまったく見当がつかなかった。
沈黙する俺をあざ笑うかのように、イアンは低い声で告げる。
「〈樹竜の鱗〉と呼ばれている〈神器〉だ。これがアステリア王国のどこに隠されているか、四年も探していたのだ。まさか、こんなウルズの町から目と鼻の先にあるとは思いもよらなかったがな」
「それが……〈樹竜の鱗〉だと!?」
〈樹竜の鱗〉――それは暦にもなっている十二神竜のドラゴンに深く関わっていると言われる〈神器〉の一つであり、このアステリア王国の至宝だ。
この国に住む人は皆、それは王城で厳重に管理されているのだろうとか、あるいはそんな〈神器〉など元から存在しないと思っていた。
俺自身はとある事情から〈神器〉が実際に存在していると知っていたが、アステリア王国のそれを見るのは初めてだ。
イアンの言葉を信じるなら、いま俺の目の前にある石が、アステリア王国の〈神器〉〈樹竜の鱗〉らしい。
そして黒ずくめの男たちと仲間だったのなら、イアンはゲルート帝国側の人間だ。
これがゲルート帝国の目的か?
イアンは〈樹竜の鱗〉を腰のポーチにしまった。
「どうして俺に話した。隠し通そうと思わなかったのか?」
「おまえならこの状況でどう誤魔化す?」
「さあ、何も思いつかないな」
「では、こんな筋書きはどうだ? 剣術学院の野外授業中に樹竜クラスの一グループが遭難した。教師二名と数人の生徒が捜索を始めたが、途中で禁止区域に紛れ込んでしまい森の主と戦闘になった。教師の活躍もあり森の主を退けることに成功したが、教師二名と数人の生徒は力尽きて死んでしまった。遭難したイアン・バーレスクただ一人を残して」
こいつ、この場で全員殺す気か?
確かにイアンは強い。だけど、負傷しているとはいえブランドン先生とダリア先生、二人も教師がいるんだぞ?
その自信はどこからくる?
イアンの戯れ言は、気絶しているエドガーを除いて全員に聞こえているはずだ。
しかし、誰も声を発することなくしんと静まり返っている。
当然だ。
俺やブランドン先生はゲルート帝国のスパイを追っていたから、まだ話をすんなり飲み込めたが、他の皆は違う。
イアンの言動に困惑しているのは容易に想像がついた。
「それが、おまえの計画か? ウルズ剣術学院に入学したのも、その〈神器〉が狙いだったのか?」
イアンが肯定の笑みを浮かべる。
こいつは四年以上前から〈神器〉を奪取するために、ウルズ剣術学院に潜入していたのだ。
エドガーという侯爵家の息子に忠実な男を振る舞って……。
「もうじき日が暮れる。それまでに俺は森を出たいんだ。そろそろ始めさせてもらおうか」
イアンはゆっくりと後ろに下がって、俺たち全員を見渡す。
まるで品定めをしているようだ。
一方、俺の傍へブランドン先生が一人で近づいてきた。
ダリア先生は気絶したエドガーに寄り添っている。
「アルバート、すまない。きみを頼ることになる……」
「いつもどおりだろ。何か助言はあるか?」
「イアンの知っている情報をすべて引き出したい。ゲルート帝国との交渉材料に使えそうだからね。だから、生かして拘束して欲しい」
「相棒、それは助言じゃなくて注文と言うんだぞ」
「そうとも言うね」
相変わらずブランドン先生は、厳しいことを言ってくれる。
普通に倒すより拘束するほうが難しいのだ。
しかし俺が知ってるイアンの実力なら、不可能ではない。
イアンの流派はロイドと同じ剛の剣ザルドーニュクス流剣術だ。
一撃は重いが、それより先に俺の剣が決まればいいだけの話。
だが、イアンは俺が双剣使いだと知っているし、その俺と戦ったこともある。
なのに、その佇まいからは余裕さえ感じられる。
何か奥の手でも隠しているのだろうか。
「ブランドン先生、下がって。セシリアたちを頼んだぞ」
「わかった。何があっても自分の生徒は守ってみせるよ。それからダリア先生が手を出さないように注意しておくよ」
「そうしてくれ。イアンとの戦いに集中したいからな」
言うと同時に俺はイアンとの間合いを詰める。
即座に反応したイアンが俺のほうへ体を向けた。
そして、双方の剣が交差した。
「おまえからか! アルバート!」
「ああ、俺が相手だ!」
イアンが剣を振る速度は想像以上に速かった。
やはり、この四年の間に相当腕を上げている。
俺はまともに受け止めずに、左右の剣で受け流す。
「懐かしいな。あの時からたいした腕だと思っていたが、私の目に狂いはなかったようだ!」
「そうかよ! 褒めてくれて嬉しいぜ!」
イアンの激しい攻撃が続くが、俺は落ち着いて対処する。
なかなか隙らしい隙が見当たらないが、無理やりこじ開けることは可能だ。
しかし、ブランドン先生からの注文が難しい。
なぜなら俺はアレクサンドリート流剣術の多くの技を封印して戦わなければならないからだ。
はるかに格下の相手なら、手加減して調整するのは簡単だが、イアンの実力は先日の黒ずくめの上級を軽く上回っているのだ。
「どうした? 見せてみろ。かつて私をまぐれとはいえ、退けたおまえの剣技を!」
「そう簡単に奥の手を使うかよ。おまえのほうこそ、力任せに剣を振るだけじゃ能がないぞ!」
イアンがただがむしゃらに剣を振り回しているだけではないと、俺もちゃんとわかっている。
ザルドーニュクス流剣術の基本の構えから、そこから派生する構えへの移動も速やかだ。
そして、放たれる剣技の数々。
どれを取っても、剣術学院の生徒の域を超えている。
魔眼持ちで幼い頃から爺さんに鍛え上げられた俺ならともかく、同じ歳でここまでの強さを得られるものなのか?
そう考えていると、イアンがぶつぶつと口を動かし始めた。
呪文……!?
だが俺にはその呪文が何の魔法を発動させるものなのか見当もつかない。
なおもイアンの攻撃が飛んでくる。
俺はイアンの動向を注視しながら、剣を受け流した。
次の瞬間、受け流したはずの剣に予想外の衝撃が走り、俺は危うく剣を落としそうになる。
慌てて強く握り直して、イアンを見上げた。
イアンは面白そうに言った。
「確か、おまえも魔法を使えたはずだな?」
「……俺は魔術の才能がなくて、しょっぱい魔法しか使えないけどな! それがどうした!」
「魔法にはこんなものもあるんだ。たとえば、肉体を強化する魔法。ほら、こんな具合にな!」
イアンの腕のと脚の筋肉が少し盛り上がってるように感じられた。
肉体の強化……冒険者が格上の魔物と戦う時に使う魔法だったはずだ。
しかしあの魔法は中級の……!
「中級魔法まで使えるのか!?」
「すべてではないがな。だがおまえを血祭りに上げるには十分だ!」
「くっ……! それがおまえの奥の手か!」
イアンの攻撃は力だけでなく、速くもなっていた。
恐らく耐久力も増しているだろう。
しかし逆に考えれば、俺の攻撃にも持ちこたえるかもしれない。
だったら――
「はああああああああっ!」
俺は剣を二本の剣を左から右へ薙ぐ。
アレクサンドリート流剣術の横薙ぎ技〈スレヴィ〉だ。
俺の剣は咄嗟に防御姿勢を取ったイアンの剣を揺るがし、その脇腹に吸い込まれていく。
「うぐっ……! 何だこの技はッ!?」
もちろん斬らないように叩きつけた。
イアンは体勢を崩して左膝をついた。
そして、素早く顔を上げたイアンは笑っていた。
「油断したぞ。おまえも奥の手を持っているじゃないか。だが私には魔法がある。先に地面に這いつくばるのはおまえだ、アルバート!」
イアンは立ち上がる。
俺の〈スレヴィ〉を受けた脇腹は、制服が破れているが腫れは引いていた。
いや、完全に癒やされていた。
「回復魔法……か!?」
「ふっ、この程度の傷ならすぐに治せるぞ。私の魔力が尽きるのが先か、おまえがくたばるのが先か。本当に楽しみだ」
イアンがここまで魔法に精通しているとは、正直驚いた。
俺は面倒なことになったと思った。
「ふっ、おまえもすでに気付いているのだろう? 冒険者区で見られたのは、私の失敗だ」
「そうか。あの時、黒ずくめの男を殺したのはおまえだったのか……イアン! いったい何が目的なんだ?」
「目的……そうだな。これが何だかわかるか?」
そう言ってイアンは左手に持った石の破片を持ち上げる。
手のひらほどの大きさの薄い石のようだ。
イアンはその石の破片が何かを知っているようだが、俺にはまったく見当がつかなかった。
沈黙する俺をあざ笑うかのように、イアンは低い声で告げる。
「〈樹竜の鱗〉と呼ばれている〈神器〉だ。これがアステリア王国のどこに隠されているか、四年も探していたのだ。まさか、こんなウルズの町から目と鼻の先にあるとは思いもよらなかったがな」
「それが……〈樹竜の鱗〉だと!?」
〈樹竜の鱗〉――それは暦にもなっている十二神竜のドラゴンに深く関わっていると言われる〈神器〉の一つであり、このアステリア王国の至宝だ。
この国に住む人は皆、それは王城で厳重に管理されているのだろうとか、あるいはそんな〈神器〉など元から存在しないと思っていた。
俺自身はとある事情から〈神器〉が実際に存在していると知っていたが、アステリア王国のそれを見るのは初めてだ。
イアンの言葉を信じるなら、いま俺の目の前にある石が、アステリア王国の〈神器〉〈樹竜の鱗〉らしい。
そして黒ずくめの男たちと仲間だったのなら、イアンはゲルート帝国側の人間だ。
これがゲルート帝国の目的か?
イアンは〈樹竜の鱗〉を腰のポーチにしまった。
「どうして俺に話した。隠し通そうと思わなかったのか?」
「おまえならこの状況でどう誤魔化す?」
「さあ、何も思いつかないな」
「では、こんな筋書きはどうだ? 剣術学院の野外授業中に樹竜クラスの一グループが遭難した。教師二名と数人の生徒が捜索を始めたが、途中で禁止区域に紛れ込んでしまい森の主と戦闘になった。教師の活躍もあり森の主を退けることに成功したが、教師二名と数人の生徒は力尽きて死んでしまった。遭難したイアン・バーレスクただ一人を残して」
こいつ、この場で全員殺す気か?
確かにイアンは強い。だけど、負傷しているとはいえブランドン先生とダリア先生、二人も教師がいるんだぞ?
その自信はどこからくる?
イアンの戯れ言は、気絶しているエドガーを除いて全員に聞こえているはずだ。
しかし、誰も声を発することなくしんと静まり返っている。
当然だ。
俺やブランドン先生はゲルート帝国のスパイを追っていたから、まだ話をすんなり飲み込めたが、他の皆は違う。
イアンの言動に困惑しているのは容易に想像がついた。
「それが、おまえの計画か? ウルズ剣術学院に入学したのも、その〈神器〉が狙いだったのか?」
イアンが肯定の笑みを浮かべる。
こいつは四年以上前から〈神器〉を奪取するために、ウルズ剣術学院に潜入していたのだ。
エドガーという侯爵家の息子に忠実な男を振る舞って……。
「もうじき日が暮れる。それまでに俺は森を出たいんだ。そろそろ始めさせてもらおうか」
イアンはゆっくりと後ろに下がって、俺たち全員を見渡す。
まるで品定めをしているようだ。
一方、俺の傍へブランドン先生が一人で近づいてきた。
ダリア先生は気絶したエドガーに寄り添っている。
「アルバート、すまない。きみを頼ることになる……」
「いつもどおりだろ。何か助言はあるか?」
「イアンの知っている情報をすべて引き出したい。ゲルート帝国との交渉材料に使えそうだからね。だから、生かして拘束して欲しい」
「相棒、それは助言じゃなくて注文と言うんだぞ」
「そうとも言うね」
相変わらずブランドン先生は、厳しいことを言ってくれる。
普通に倒すより拘束するほうが難しいのだ。
しかし俺が知ってるイアンの実力なら、不可能ではない。
イアンの流派はロイドと同じ剛の剣ザルドーニュクス流剣術だ。
一撃は重いが、それより先に俺の剣が決まればいいだけの話。
だが、イアンは俺が双剣使いだと知っているし、その俺と戦ったこともある。
なのに、その佇まいからは余裕さえ感じられる。
何か奥の手でも隠しているのだろうか。
「ブランドン先生、下がって。セシリアたちを頼んだぞ」
「わかった。何があっても自分の生徒は守ってみせるよ。それからダリア先生が手を出さないように注意しておくよ」
「そうしてくれ。イアンとの戦いに集中したいからな」
言うと同時に俺はイアンとの間合いを詰める。
即座に反応したイアンが俺のほうへ体を向けた。
そして、双方の剣が交差した。
「おまえからか! アルバート!」
「ああ、俺が相手だ!」
イアンが剣を振る速度は想像以上に速かった。
やはり、この四年の間に相当腕を上げている。
俺はまともに受け止めずに、左右の剣で受け流す。
「懐かしいな。あの時からたいした腕だと思っていたが、私の目に狂いはなかったようだ!」
「そうかよ! 褒めてくれて嬉しいぜ!」
イアンの激しい攻撃が続くが、俺は落ち着いて対処する。
なかなか隙らしい隙が見当たらないが、無理やりこじ開けることは可能だ。
しかし、ブランドン先生からの注文が難しい。
なぜなら俺はアレクサンドリート流剣術の多くの技を封印して戦わなければならないからだ。
はるかに格下の相手なら、手加減して調整するのは簡単だが、イアンの実力は先日の黒ずくめの上級を軽く上回っているのだ。
「どうした? 見せてみろ。かつて私をまぐれとはいえ、退けたおまえの剣技を!」
「そう簡単に奥の手を使うかよ。おまえのほうこそ、力任せに剣を振るだけじゃ能がないぞ!」
イアンがただがむしゃらに剣を振り回しているだけではないと、俺もちゃんとわかっている。
ザルドーニュクス流剣術の基本の構えから、そこから派生する構えへの移動も速やかだ。
そして、放たれる剣技の数々。
どれを取っても、剣術学院の生徒の域を超えている。
魔眼持ちで幼い頃から爺さんに鍛え上げられた俺ならともかく、同じ歳でここまでの強さを得られるものなのか?
そう考えていると、イアンがぶつぶつと口を動かし始めた。
呪文……!?
だが俺にはその呪文が何の魔法を発動させるものなのか見当もつかない。
なおもイアンの攻撃が飛んでくる。
俺はイアンの動向を注視しながら、剣を受け流した。
次の瞬間、受け流したはずの剣に予想外の衝撃が走り、俺は危うく剣を落としそうになる。
慌てて強く握り直して、イアンを見上げた。
イアンは面白そうに言った。
「確か、おまえも魔法を使えたはずだな?」
「……俺は魔術の才能がなくて、しょっぱい魔法しか使えないけどな! それがどうした!」
「魔法にはこんなものもあるんだ。たとえば、肉体を強化する魔法。ほら、こんな具合にな!」
イアンの腕のと脚の筋肉が少し盛り上がってるように感じられた。
肉体の強化……冒険者が格上の魔物と戦う時に使う魔法だったはずだ。
しかしあの魔法は中級の……!
「中級魔法まで使えるのか!?」
「すべてではないがな。だがおまえを血祭りに上げるには十分だ!」
「くっ……! それがおまえの奥の手か!」
イアンの攻撃は力だけでなく、速くもなっていた。
恐らく耐久力も増しているだろう。
しかし逆に考えれば、俺の攻撃にも持ちこたえるかもしれない。
だったら――
「はああああああああっ!」
俺は剣を二本の剣を左から右へ薙ぐ。
アレクサンドリート流剣術の横薙ぎ技〈スレヴィ〉だ。
俺の剣は咄嗟に防御姿勢を取ったイアンの剣を揺るがし、その脇腹に吸い込まれていく。
「うぐっ……! 何だこの技はッ!?」
もちろん斬らないように叩きつけた。
イアンは体勢を崩して左膝をついた。
そして、素早く顔を上げたイアンは笑っていた。
「油断したぞ。おまえも奥の手を持っているじゃないか。だが私には魔法がある。先に地面に這いつくばるのはおまえだ、アルバート!」
イアンは立ち上がる。
俺の〈スレヴィ〉を受けた脇腹は、制服が破れているが腫れは引いていた。
いや、完全に癒やされていた。
「回復魔法……か!?」
「ふっ、この程度の傷ならすぐに治せるぞ。私の魔力が尽きるのが先か、おまえがくたばるのが先か。本当に楽しみだ」
イアンがここまで魔法に精通しているとは、正直驚いた。
俺は面倒なことになったと思った。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!
友坂 悠
恋愛
あなたのことはもう忘れることにします。
探さないでください。
そう置き手紙を残して妻セリーヌは姿を消した。
政略結婚で結ばれた公爵令嬢セリーヌと、公爵であるパトリック。
しかし婚姻の初夜で語られたのは「私は君を愛することができない」という夫パトリックの言葉。
それでも、いつかは穏やかな夫婦になれるとそう信じてきたのに。
よりにもよって妹マリアンネとの浮気現場を目撃してしまったセリーヌは。
泣き崩れ寝て転生前の記憶を夢に見た拍子に自分が生前日本人であったという意識が蘇り。
もう何もかも捨てて家出をする決意をするのです。
全てを捨てて家を出て、まったり自由に生きようと頑張るセリーヌ。
そんな彼女が新しい恋を見つけて幸せになるまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる